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Channel: 上信越 | My Roadshow –登山ブログ
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【上信越】巻機山 日帰り登山 ~ 新緑から残雪へ季節を跨ぐ上越国境の旅

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巻機山_01

春も終わりを向かえ、本格的に夏が始まろうとしています。すっかり街からなくなった雪はまだ山の高い場所に残っています。

まだまだ、雪の上を歩きたいのが人情ですね(?)

巻機山_02

上信越地方の山へ初進出と言うことで、日本百名山の一つ巻機山(まきはたやま)に行ってきました。標高は1967mあります。

特にこれといった理由はないけれど、前々から絶対行こうと決めていた山です。きっと自分が物好きだからでしょう。

前回の武尊山大失敗を踏み越えて、再び残雪の山に挑戦です。

巻機山の地図はこちら

山と高原地図 15.越後三山 平ヶ岳・巻機山 2013

巻機山登山 – 出発編

巻機山_03

土曜日出勤でした。ザックを持って会社へ行くのはいつもながら恥ずかしいです。

「何もってきてんのこの人?」で見るのヤメテ!

21時に仕事を終えて、そのまま上野駅へ。

巻機山_04

途中、お腹が減ったので「ココイチ」でパリパリチキンカレーを食す。

ココイチは高いし、量が少ないのであまり好きじゃないです(学生的な意見)。

巻機山_05

深夜の上野発宇都宮線に乗り込み毎度の小山に向かいます。

巻機山_06

この日記ではもうお馴染み小山駅です。

伝説の「小山ゆうえんち」はこの栃木県小山にありました。バブル期の頃はCMが頻繁に流れており、コメディアンである桜金造のフレーズを耳に残している人も多いはず。

閉園間際のジェットコースターは錆びており、別の意味で恐怖でした。

巻機山_07

国道を走ると、最近よく見かける痛車(イタシャ)

この日は2台ほど見て、初音ミクと声優の水樹奈々のデザインでした。ちょっと憧れます。

巻機山_08

桐生から高速へ入り、北関東道の波志江パーキングエリアのコンビニでいつものように買い物。

高速道路にコンビニってホント便利ですよね。このパーキングエリアは風が吹くと家畜の悪臭みたいな臭いが漂ってきます。

巻機山_09

深夜の関越。

ほとんど車走ってません。そりゃこんな時期に山に向かう人間など皆無ですね。

巻機山_10

関越の谷川岳の真下を走る、とても長いトンネル。

このトンネルを抜けると新潟に入ります。新潟にきたのはいつ以来だろう・・・・。

巻機山_11

塩沢石打(しおざわいしうち)インターチェンジで関越を降ります。

巻機山_12

月明かりもない真っ暗闇の田んぼ道をナビ通りに巻機山の登山口まで突っ走ります。平坦な道なので、ほんとに山に向かってるのか不安でしょうがなかったです。

そして、登山口のある桜坂駐車場に到着したのは深夜3時。

5時までの2時間仮眠を取りました。しかし、5月後半なのに車の中でも肌寒い、毛布をたちに持ってきてもらって正解でした。

巻機山_15

案の定あまり眠れず、夜が明けました。

風も穏やかで雲もなく最高の登山が期待できそうな、そんな一日のはじまり。

巻機山_13

駐車場には自分達の車以外にバイクが一台。

バイクの人はコース上ですれ違わなかったけれど、山頂付近で泊まりだったのかもしれない。

巻機山_14

駐車場の脇には轟々と川が流れているのでうるさいです。

巻機山_16

朝ご飯にパーキングで購入した味噌パンを頬張ります。

これ1個でお腹膨れます。味は・・・まぁ・・・。絵的にちょっとアレだけど。

巻機山_17

前回の武尊山で迷いそうになったのと北アルプスの遭難事故ニュースあったりとで、きちんと登山届けを提出しました。

巻機山_18

心を穏やかにしてくれる詩が書いてある看板が入口に置かれています。

巻機山_19

反対側は赤字で危険をお知らせする看板がぎっちり。シュールな演出をしてくれるぜ!

大事なことなので2回言いました的な、同じ看板が二つ。

 

巻機山登山 – 登山編

巻機山_20

5時42分 登山開始 ---

山頂までレッツラゴー(死語)です。

巻機山_21

巻機山の一般的な登山コースの「井戸尾根コース」を進みます。

沢をずっと登る「ヌクビ沢コース(上級)」にも興味があるけど・・・。また今度かな。

巻機山_22

木が登山道に倒れていて進みにくいです。雪解けの登山道はこんなものなのかな。

巻機山_23

山も徐々に芽吹きはじめて、若葉の緑色がとても鮮やかに感じます。

巻機山_24

ところどころに何合目を示す表示が立っています。

何合目かを示す表示がたっている山ってなかなかお目にかかれません。男体山や富士山のような独立峰だと結構ある気がします。

巻機山_25

4合目は可哀想なことに倒れてました。

巻機山_26

しばらく樹林帯を歩くと徐々に景色が見え初めてきました。

すごく尖って見える山は「大源太山」

巻機山_27

5合目からはぶな林になります。

白い幹に薄いグリーンの葉が清々しいです。

巻機山_28

朝日が眩しい。

巻機山_29

渓谷から雪解けの滝の音が聴こえてきます。

巻機山_30

5合目からはぶな林に突入し、残雪が現れ始めます。

この看板も倒れてる。

巻機山_31

凍った箇所があるわけではないので、アイゼンをつける必要はありませんでした。

ただ、ズルッと足を取られるのでその分体力を徐々に消耗しますね。

巻機山_32

残雪期は広い場所に出るとどっちに進んでいいかわからなくなるのが難点・・・。

必死に木に巻きけられているテープを探します。

巻機山_33

振り返ると群馬方面の山々が見えてきました。

巻機山_34

残雪の水が溶け出す山の景観は、生命の鼓動を感じる気がする。

巻機山_35

残雪期登山で必需品サングラスの登場。雪原の上は、通常の2~4倍光が強いとか。

仕事の昼休みに神保町に出かけ、急遽買いました。2000円くらいの安いやつです。

巻機山_36

6合目は、巻機山の渓谷の展望がいいです。

やはり標識は倒れている。

巻機山_37

6合目からは傾斜がきつくなって来ました。

巻機山_38

こんな角度。

巻機山_39

振り返ればどこまでも見渡せる絶景が広がってました。

巻機山_40

笹の間の道は、雪が微妙に覆いかぶさっているだけの箇所がいっぱいあり、踏み抜くと1mくらい落下したりします。

怖いというか、落とし穴みたいで心臓に悪い。

巻機山_41

7合目を過ぎたあたりから雪がなくなりました。

巻機山_42

森林限界を越えました。階段が続くのでちょっと疲れます。

巻機山_43

8合目に続く道。

巻機山_44

途中で抜いていった人が休んでいます。

この人と自分の格好が全く一緒のブランドと同じカラーというハプニング。向こうが長袖長ズボン、自分が半袖ハーフパンツと言った具合に。

パンツは石井スポーツでしか扱っていないブランドだと言うのに・・・・。

巻機山_45

上下かぶると恥ずかしいですよね・・・?こんな新潟の人の少ない早朝の山でかぶるとは・・・。

そんなこんなで頂上です。

巻機山_46

 

 

 

そんなわけで頂上に到着!

 

 

 

巻機山_47

 

 

……。

 

 

nanndato

 

 

「いつからこの場所を山頂だと錯覚していた?」

 

 

いやまぁ、地図にもちゃんと載っているので知ってるわけですが。誰だ「ニセ」とかいうネーミングにしたのは。なんか子供っぽさがある感じですね。

巻機山_48

そんなわけで「ニセ巻機山」は9合目で、もうちょっと進みます。

巻機山_49

9合目から一度降りて、また登れば頂上です。

3~4月はバックカントリーが盛んなようで、ところどころにスキー板の跡がありました。よくこんな急斜面滑れるな・・・。

巻機山_50

ニセ巻機山から降りたところに避難小屋がありました。

巻機山_51

トイレも使えました。

巻機山_52

さあ、この斜面を登りきったら頂上です。

巻機山_53

夏道は無視して全速前進。

うおおお

巻機山_54

おおおぉぉぉ・・・

巻機山_55

疲れた。

巻機山_56

そんなこんなで稜線上に到着。そりゃもう大絶景です。

どこまでも広がる山々の山頂に薄っすらと被る白い雪と空の色に照らされて青く染まった景色が最高です。

巻機山_57

今まで方角的に見えていなかった新潟方面が見えてきました。正面の山々は越後三山(えちごさんざん)ですね。

越後駒ヶ岳、八海山、中ノ岳で構成されている越後三山は個人的に憧れのコースです。

巻機山_58

頂上は起伏の緩く平坦。

今まで登り一辺倒だった道が嘘みたいです。

巻機山_59

どうやらここが巻機本山の頂上であるようだ・・・・。山頂を示す看板も標示もなく、あるのは人の手によって積み上がった石だけ。

えっー?百名山なのに・・・。普通ならドンッとでっかい看板があるものだと・・・。

まぁ、この日一番乗りだったので許します。

巻機山_60

そして、巻機本山を抜けて牛ヶ岳を目指します。

巻機山_61

道中あまりにも開発されていない綺麗な雪に欲望を抑えきれず、ねっころがる。

巻機山_62

開脚してみる。

・・・画面下に落ちている小さい黒い物体がお分かりだろうか。ポケットに入っていたスマートフォンである。

落としたことに気づかず、この先を行ったところで昼食をしているときに通りがかったおじさんが拾ってくれました。危ないところでした・・・ありがとうございます・・・・。

もうバカなことはしません。いやすると思います・・・。

巻機山_63

この道が新潟と群馬の県境。

かつては越後(えちご)と上野国(うえのくに)の国境で、いわゆる上越国境です。かつての国境を歩くというのはロマンですね。

巻機山_64

9時40分 牛ヶ岳山頂 ---

牛ヶ岳山頂です。

デフォルトで折れている標示の木を持ち上げての撮影。

巻機山_65

そんなことでお昼ご飯です。

風が出てきたのでレインウェアを着込んでお湯を沸かします。


JETBOIL(ジェットボイル) ジェットボイルZIP ブラック 1824325
お湯を沸かすだけならジェットボイルがいいけれど、高いしなー。

巻機山_66

間に合わせとしか言いようのない納豆き。

本当は巻き寿司とか恵方巻とかロールケーキとか用意したかったけれど、休日出勤のせいで・・・!

巻機山_67

食後はコーヒーとかんりんとうまんじゅうで。

あまり、カリッとしてないかんりとうまんじゅうでした。

巻機山_68

東側の尾瀬との間にある湖は奥利根湖かな?

利根川の源流ですね。そういえばホルムアルデヒドが検出されて、断水になるニュースありましたね。

巻機山_69

鷹?

二匹いて、いちゃこいてました。

巻機山_70

のんびり昼食を取って下山を開始します。

巻機山_71

楽しい楽しいスキーの始まりです。残雪の下山は、登山靴でつるつる滑るだけでとても楽チン。

巻機山_72

ハイスピードで降りれて楽しい。夏にはできないダイナミックな降りかたですね。

巻機山_73

なんだこのカッコ・・・。

巻機山_74

雪の上だから涼しいんじゃないかとお思いでしょうが、雪に照り返される太陽光で体が熱せられるので汗を多量にかきます。

こんなに暑いと感じてるのに雪が溶けないは不思議です。

巻機山_75

それでも帰り道は雪が溶け始めてびちょびちょ。

巻機山_76

登山靴スキーでくだるくだる。

巻機山_77

樹林帯に突入。

スピードを出しすぎるとぶなの木にぶつかりそうになることもしばしば。

巻機山_78

樹林帯に入り雪がなくなり、それまでとはうって変わって憂鬱な下山が始まる。

巻機山_79

花びらが3センチはありそうな大きな花が咲いていました。名前がわかりません。

巻機山_80

急な昇り降りはないけれど、足に疲労がたまってきました。

巻機山_82

久しぶりの7時間と言う長丁場で、最後はぐったりしながら歩いてました。

巻機山_83

13時25分 下山—

今日この山ですれ違ったのは自分達以外に単独4名と3人組1PTだけでした。

この時期、景色もコースも最高だと思うのでこの時期を狙ってくるのがイイと思います。

巻機山_84

駐車場代金を徴収するおじさんが、木陰に座ってました。どうやら原付で来ている模様。

巻機山_85

駐車場から少し行ったところに桜の木がありました。今年最後の桜です。

巻機山_86

巻機山から街へ移動。

巻機山_87

夜中は真っ暗で見えませんでしたが、ちょうど田植えの時期ですね。

巻機山_81

今まで歩いてきた雪解けが麓の町まで流れて、魚沼産のコシヒカリが育つかと思うとご飯一粒も残せませんね。

巻機山_88

楽しそうな少年。

冬は物凄い雪がこのあたりは積もるんだろうなあ。

巻機山_89

正面の工場は、冷凍食品でカトキチ。

そういえばこの名前はなくなってテーブルマークっていう会社名になったんだっけ。子供の頃、ここの冷凍うどんを食べてました。

巻機山_90

巻機山の周辺は温泉はあまりないとのことだったので、登山後の温泉は湯沢まで移動しました。

巻機山_91

たちの目が閉じかけたくらいに目的地の温泉に到着。「駒子の湯」に寄りました。小説「雪国」のヒロインの名前ですね。

古民家風の造りですが、中は新しくとても綺麗でシンプルな内装です。お湯は少し熱めで、料金は500円でした。

巻機山_92

17時半 小山駅 ---

この後は、ふたりで意識を失いかけながら高速で小山駅に向かい、そこから慌しく東京へ帰りました。

久しぶりの弾丸深夜登山を無事に終えて大満足の週末になりました。

巻機山登山を終えて

残雪の山は、とても素晴らしいということがわかりました。山がこんなに美しいものだったと感じたのは、去年登った山形の月山(がっさん)以来です。

雪で冬の名残と新緑で夏の始まり、歩くことで季節を跨いでるような気分になれました。

上信越方面の山は初めてですが、とてもいいですね。谷川岳や妙高山などまだまだ登ってみたい山がいっぱいあります。

あのWikipediaですら巻機山の紹介文が他の山と比べ少なく、百名山の中で見落としがちな巻機山ですが残雪がある時期にお越し下さい。

素晴らしい登山が待ってます。

Click here to view the embedded video.

そんな新緑の季節にぴったりのMy Little Loverの「evergreen」でお別れ。


【上信越】火打山 テント泊登山(1日目) ~ 真夏の昼下がりの出発と夕陽に染まる山頂の旅

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火打山_01

果物で一番好きなのはです。

梨は夏限定の果物ですが、なんとか一年中出荷されないものですかね。特に幸水が好きなのですが、気がつくと収穫時期を終えてしまい買えなくなってしまうんですよね。

果物ってそれぞれ好き嫌いがあると思うんですが、梨を嫌いって言う人なかなかいませんよね。

次点で桃が好きで、次が林檎です。

火打山_02

上信越の火打山(ひうちやま)・妙高山(みょうこうさん)をテント泊で行ってきました。

この週末は北アルプスに繰り出そうと考えていましたが、天気が今ひとつと同行するたち君の用事の都合で変更になりました。火打山・妙高山はお互い隣接しているので、効率よくテントで拠点を作り登りました。2日でそれぞれ違う山を登るので、初めてブログの記事を2つにわけました。

まずは一日目、火打山の登山です。

火打山の地図はこちら

山と高原地図 18. 妙高・戸隠・雨飾 2012

火打山登山 出発編

火打山_03

金曜日の仕事終わった後に、宇都宮の実家に帰ってくるのはもはやいつもの事ですね。

火打山_04

翌日朝8時に迎えに来てもらい出発しました。うん、とても遅いですね。

たち君が外せない用事があったのでしょうがないんです。

火打山_05

上信越道で新潟方面へ行くのは初めてで新鮮です。

この周辺の景色は、360度山しかないですね。

火打山_06

妙高高原ICを降りたのが11時43分。一般道で笹ヶ峰高原を目指します。

火打山_07

山間に囲まれた笹ヶ峰高原。

妙高山、火打山、雨飾山、高妻山の4つの百名山に囲まれた場所にある高原です。アルプスや尾瀬より狭いエリアなのに、名山に選定されている山の密度が高いですね。

火打山_08

高速道路のインターから30分で、火打山の登山口に到着しました。

車から降りるとムワッと熱気が…。それもそのはず正午過ぎ。

火打山_09

初めての登山靴デビューです!

今更なんですが、ダナーライトと言う決して山用とは言えないトレッキングシューズで歩いていました。

ダナーのソール交換無料券の2年間の期限が近づいてきたことも理由です。

しかし!つい最近、販売元のダナージャパンが倒産。

不幸だ…。

まだ、ソール交換してもらえるのかな…。

火打山登山 登山編

火打山_10

12時42分 登山開始 ---

おそッ。

真夏の昼下がり、甲子園の予選をテレビで流しながら畳の上でごろごろしている時間帯ですよね。

そんな甲子園児も真っ青の灼熱地獄の中、重装備で登山開始です。

火打山_55

簡単に1日目のコース説明です。

  1. 笹ヶ峰登山口スタート
  2. 高谷池ヒュッテにてテント設営
  3. 火打山登頂
  4. 高谷池ヒュッテに戻りテント泊
火打山・妙高山テント泊の黄金ルートなのですが、出発が遅い分かなりタイトなスケジュールです。

火打山_11

多くの登山者が下山してくる中、序盤の木道を進みます。

黒沢までは、ハイキングコースになっているためかしっかり整備されています。

火打山_12

たち君もテント泊初めてで、その荷物の重さに参ってるようです。

自分がテントを持っている分、彼には水を少し多めに持ってもらっています。

火打山_13

50分歩いて、黒沢に到着しました。

水量がとても多くて、どうやら飲料できるみたいで汲んでいる人がいました。

火打山_14

ザックの重さより暑さが厳しくてくたくたです。

火打山_15

さて、この黒沢からが登りが急になります。

「12曲がり」という、12個のカーブがある急坂を登ります。まじでシンドイ。

火打山_16

登りおえて即効ばてました。

これはキツイ…。

火打山_17

下山する中学校の団体とかち合ってしまい、狭い道で渋滞が起きてしまう…。

火打山_18

「12曲がり」を通過し、次は富士見平を目指します。

この道も少し急で厳しいです。樹林帯で直射日光が当たらないが功を奏してます。

火打山_19

ひぃひぃ。

火打山_20

そんな感じで樹林帯が低くなって、石の道が現れました。

火打山_21

15時44分 「富士見平(ふじみだいら)」 ---

へとへとで到着しました。晴れていれば富士山が見えるらしいですが…ほんとかな?

ここが分岐点であり、左が火打山、右が妙高山になります。

火打山_22

ここからは小さなアップダウンこそありますが、平坦な高層湿原地帯です。

火打山_23

ここまで来ればヒュッテまで歩けば、荷物が降ろせて楽になれる!

その一点で進み続けます。

 

 

火打山_24

16時26分  「高谷池(こうやいけ)ヒュッテ」到着 ---

三角屋根が特徴の高谷池ヒュッテに到着です。

火打山_25

幕営料一人400円を支払い、テントにつけるタグをもらいました。

19時には飲み物が買えなくなるとの事なので、これから火打山に登って帰ってくると買えなくなるかもしれないので、ビールを購入。

ちなみに空き缶等のゴミは引き取ってもらえません。

火打山_26

池のほとりにあるテント場。いいロケーションです。

火打山_27

ヒュッテとテント場の中間に水場があります。

地図にも書いてあるのですが、生水では飲めないので、湯煎や体を洗ったりするのに使うのがいいみたいです。

この水が飲めたらもっと荷物軽くできるのに…。

火打山_28

急いでテントを設営、荷物を降ろし火打山に向かいます。

初めて小さく収納できるポケッタブルザックを使いました。この時、既に17時を回っています。

火打山_29

高谷池ヒュッテの全景。

火打山_30

火打山_31

高山植物がほんとに豊富です。

行ったことないけど尾瀬みたい。うん、行ったことないけど。

火打山_32

日本有数の豪雪地帯と言う事もあり、2000m付近でもまだまだ雪が残ってます。

雪が茶色に染まってるって事は、みんな雪の上を歩きたがるんですね。

火打山_33

高谷池ヒュッテから少し丘を登ると「天狗の庭」に出ました。標高2110mあります。

この奥に火打山が見えるはずが、がすりまくってて全然見えませんッ!

火打山_34

さて、この「天狗の庭」からまたひと登り。

火打山_35

さっきまでの整備された道とちがって、草木が生い茂る登山道に。

火打山_36

おや?ガスの様子が…。

火打山_37

途中の「ライチョウ平」に出ました。その名の通り、雷鳥のテリトリーがある場所です。

ちょうどくだってきたおじさんが「いたッ!」って言うので、急いで近寄って見てみると。

なんてことはないカラスでした。

火打山_38

この小さく黄色い花はたぶん「深山金梅(ミヤマキンバイ)」

火打山_39

山頂付近の最後の雪渓。少し急でアイゼン無しじゃ怖かったです。

火打山_40

山頂直前でガスが晴れたッーーーー!!!

もう、神に愛されてるとしか思えない。自分達が本日最後の火打山登頂なので、この晴れた景色を見れたのは自分達だけのはず。

雲にいい感じに火打山の影が映ってますね。

火打山_41

18時7分 「火打山山頂」---

荷物がないにもかかわらず、山頂直下付近ではバテバテでした。

火打山_42

知名度は低い山ですが、なかなかいい展望の持ち主。標高は2462mあります。

火打山_43

隣の山は、火山の焼山(やけやま)

さすがに北アルプスまでは見ることができませんでした。

火打山_44

なかなか広い山頂です。

火打山_45

明日登る妙高山もくっきり。

この山の周囲が雲に囲まれているので、空中に浮かんでいる島のような。

これがラピュタか。

火打山_46

火打山_47

日が暮れてきたので暗くなる前に帰ります。

火打山_48

先ほど天狗の庭から見ることができなかった、綺麗な円錐形の火打山もくっきり見えます。

火打山_49

夕暮れにあわせて、蛙がゲコゲコとオーケストラを奏で始めました。

火打山_50

19時21分 「高谷池ヒュッテ」 ---

なんとか日が暮れる前に下山することができました。

火打山_51

すっかり皆さんテントに入り込み就寝の準備を始めています。

ヒュッテ前のベンチで静かにディナータイムです。

火打山_52

山で食べるカレーはなぜ美味しいって?

山だからです。

火打山_53

後、2時間早く出発していたら余裕がありましたね。後は寝るだけになってしまいました。

火打山_54

夜空は雲に覆われてしまいました。後はゆっくり寝るだけです。

が、いびきがうるせええええええ。

自分達のテントの両側つまりステレオで、大音量のいびきをかくオヤジがいました。

これからはいびきしそうな人の隣には、テントを張らないようにしないといけませんね。

火打山登山(一日目)を終えて

真夏の登山は早朝に開始しましょう。まぁ、当たり前ですが。

「山と高原の地図」のコースタイム結構ギリギリなんですが…。他の山域の地図だと結構余裕があるのに、上信越地方はレベルが高いんですかね…。

前回の雲取山ではテントで縦走をしましたが、今回の火打山・妙高山ではベースキャンプとして利用しています。テントを拠点に複数の山を登る形式ですね。

拠点を置けば荷物が置くことができ、身軽になれるので楽になるかと思ってました。が、この山では拠点まで到達するのが大変で誤算でした。

火打山_57

1日目の火打山は神がかり的な晴れ間のお陰で、夕陽に映える景色を堪能することができて満足しました。

さて、2日目は妙高山です。

1日目をタイトなスケジュールでかけ抜けて、オヤジ達のいびきに睡眠を妨げられ、果たして登頂することができるのか!?

2日目の記事:【上信越】火打山・妙高山 テント泊登山(2日目) – 地獄のような急斜面と天国のような高山湿原の旅

【上信越】妙高山 テント泊登山(2日目) ~ 地獄のような急斜面と天国のような高山湿原の旅

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妙高山_01

個人的果物ランキング4位がレモンです。

普通レモンを果物として好きって言う人なかなかいないですよね。もちろん生のまま食べるわけじゃなく、レモンで加工されたお菓子やジャムに滅法弱いんです。

果物のタルトがいくつか並んでいたとして、レモンのタルトがあると間違いなく選びますね。

氷菓で一番好きなのは「サクレレモン」です。最近、このサクレレモンに「レモンバー」という商品が発売されツボです。ガリガリ君の梨味が霞むほどに。

 

妙高山_02

火打山(ひうちやま)に引き続き2日目は、妙高山(みょうこうさん)の登山です。

1日目の記事:【上信越】火打山・妙高山 テント泊登山(1日目) – 真夏の昼下がりの出発と夕陽に染まる山頂の旅

活火山、豪雪地帯ということで、冬はウィンタースポーツと温泉のリゾート地として有名ですね。新潟県を代表する山で、円錐の山容から「越後富士」の愛称で呼ばれてます。

さて、そんな怒涛のテント泊2日目です。

妙高山の地図はこちら

山と高原地図 18. 妙高・戸隠・雨飾 2012

妙高山_03

朝5時に起床しました。

いびきサラウンドシステムの影響で何度か目を覚ましました。雷は鳴っていなかったのですが、帯電するかのように空がピカピカと点灯を繰り返していました。なんだったんだろう?

妙高山_04

テントのフライシート(青い外幕)が、夜露でびっちょりになってました。

妙高山_06

タチはまだ寝転がっていたので一人朝食の準備。

ツナコーンの缶詰にマヨネーズを塗りたくった、「マヨコーンパン」です。朝の減退気味の食欲に高カロリを補給することができるメニューです。

妙高山_05

優雅な朝のひと時です。

妙高山登山 – 登山編

妙高山_07

とダラダラしてたら7時になってました。

テントにつけていた管理用のタグをヒュッテに返却し、妙高山に向け出発です。

火打山_56

二日目のコースを簡単に解説。

  1. 高谷池ヒュッテ出発
  2. 黒沢池ヒュッテに荷物をデポ
  3. 妙高山登頂
  4. 黒沢池ヒュッテの荷物回収
  5. 笹ヶ峰まで下山
妙高山のピストンに時間が掛かるため、1日目よりコースタイムが掛かります。今日もまた辛い一日になりそうです。

妙高山_08

7時7分 「高谷池ヒュッテ」 出発 ---

なんでこんなに出発するまでに時間が掛かったんだろ…。茶臼山を越えて「黒沢池ヒュッテ」を目指します。

妙高山_09

今日も天気が良さそうです。

妙高山_10

とくになんてことはなく茶臼山(ちゃうすやま)に到着。

なんかイラッとくるキャラクターが描かれてました。

妙高山_11

茶臼山を越えると「黒沢池ヒュッテ」が見えてきました。

こちらも「高谷池ヒュッテ」周辺同様に湿原が広がっています。奥にニョッキって見えているのが妙高山。

妙高山_12

なんだっけこの花。

妙高山_13

7時54分 「黒沢池ヒュッテ」 ---

ほぼコースタイム通り。テント泊重装備とはいえ、朝一なので体力もある状態で決して遅いわけじゃないのに。

上信越のコースタイムは玄人志向ですか。

こっちのヒュッテは円形の屋根が特徴ですね。

妙高山_14

みんな荷物を置いてますね。

ちなみにこのヒュッテにも水場がありますが、「高谷池ヒュッテ」同様に生水では飲めません。

妙高山_15

身軽になり妙高山へ向けて登山開始です。

妙高山_16

妙高山本体の外輪山を越えるために一度「大倉乗越」まで登り、そこから降ります。

だから、なんだこのキャラは。

妙高山_17

ゼリーをお皿に盛ったような形の妙高山本体が現れました。

写真では伝わりませんが、麓までの距離とそこからの高度差を感じ、少し心を挫かれます。

妙高山_18

雪が残っていたら結構やばそうなトラバースを進みます。

岩がもろくて足場が安定しません。

妙高山_19

一人分の一本道で20人ほどの団体に巻き込まれてしまいました。

妙高山_20

ベンチが2つほどある分岐点に出ました。

妙高山_21

ここから妙高山までは永延と急坂を登ります。

はっきり言って修業かと思うくらい辛かったです。

妙高山_22

もう、どうしょうもないくらい急坂です。

前日の疲れもあり、身軽なのに息が切れました。

妙高山_23

少しづつですが山頂に向かうにつれ、岩が大きくなってきました。

景色が変わらないため、写真も少なかったり。急斜面で見所がないって、一番精神に害を与えますね。

妙高山_24

9時59分 妙高山山頂 ---

ほぼ地図上のコースタイム通りに到着しました。決して遅いわけじゃないんだけどな…。余裕をもって出発してください。

妙高山_25

昨日の火打山より妙高山の方がメジャー度が高いので、看板も少し豪華です。

火打山の標高が2462m、妙高山が2446mなので、ほんの僅かしか差がありませんね。

 

 

妙高山_26

残念ながら山頂は雲に覆われてしまい遠くまで見渡せませんでした。

空を見ると太陽が出てたのに。

外輪山に本体が囲まれているので、浅間山に似た雰囲気がありました。

妙高山_27

妙高山山頂は大きな岩がごろごろ転がっている山頂で、結構広いです。なんだか不思議と人が多い。

妙高山_28

帰りの時間が不安なので、山頂で休むのはそこそこに下山を開始。

無我夢中で駆け下りました。

妙高山_29

外輪山を越える頃に、太陽が射し始め体から水分を奪う奪う…。

二人で1,5リットル持ってきた水が底を尽きました。

妙高山_30

11時52分 「黒沢池ヒュッテ」帰還 ---

こんなにバテるとは思わなかったってくらいバテました。

妙高山はほとんど修業ですね…。もうこのコースでは登りたくないです。

妙高山_31

もう我慢できずヒュッテでC.C.レモンを購入。

からからの喉に強炭酸が染み入ります。

妙高山_32

12時14分 下山開始---

15分ほど黒沢池ヒュッテで休憩を入れて下山を開始しました。

ああ、荷物が重すぎる…。

妙高山_33

しかし、黒沢池のコースはとても平坦で素晴らしかった。

妙高山_34

「ワタスゲ」という白い綿がくっついている植物の大群生があるので、まるで天国のようにふわふわした湿原です。

妙高山_35

盛夏の高山湿原、時間がタイトでなかったらのんびり歩きたかった。

妙高山_36

前日に分岐した富士見平を抜けて同じ道に出ます。ここからはただ降るだけ。

妙高山_37

やたら小さい子供が登山してるんですよね。夏休みだから親が連れてきてるんでしょうか。

妙高山_38

「12曲がり」のくだりで地獄を見て、ようやく憩いの黒沢に到着。

小学校低学年の一団がハイキングに来てました。沢にスイカが冷やしてあって、こっそり食べてやろうかと思ったけど、なんとか踏み止まりました。

この沢の水がぶがぶ飲んだけど、別にくださなかったので大丈夫だと思います。皆飲んでるし。

妙高山_39

後は、安定の林道歩き。

暑さにだいぶやられた行程でした。

妙高山_40

15時20分 下山 ---

とても長かったです…。

もう汗まみれなのでずっと温泉入りたかったので、帰りを急ぎます。

妙高山_41

笹ヶ峰からインターに向かう途中にある、杉の沢温泉「苗名の湯」に立ち寄りました。

大人450円で入浴できます。なぜか2階に浴場がありました。休憩施設は充実していましたが、浴槽は室内1個なので少し物足りないです。

んで、お昼ごはん?にすぐ隣の蕎麦屋へ。

妙高山_42

天ぷらそば1200円を頂きました。

大満足のボリュームと天ぷらが揚げたてでとても美味しかったです。大根のお新香の漬け具合が絶妙でした。

やっぱり山に来たら蕎麦を食べるのが正解ですね。

妙高山_43

温泉に入り2日間の汗をさっぱり流し、宇都宮に向けて帰りました。自分はその後、東京へ向かうんですがね。

妙高山_44

上信越道の浅間山付近でもの凄い豪雨に見舞われ、関越付近の渋滞に巻き込まれつつも何とか日付が回る前に東京に帰ることが出来ました。

妙高山登山を終えて

脳内シミュレーション登山とこんなに食い違ったのは初めてです。コースタイムは余裕をもって、見積もっておかないといけないですね。

実際に、この山を登っている人たちもレベルが高くてひょいひょい登っているおじさん達がかなりいました。やはり上信越は玄人好みの山域なのでしょうか。

妙高山_45

前回登った同じ新潟の山である巻機山と全然雰囲気が違うことにもビックリです。

ほぼ同じ緯度なのに植生が全然違うんですね。

火打山・妙高山は2400mある山頂付近まで木が生えているのに、巻機山は1700m越えたあたりで高い木は姿を消すので。

新潟は東西に広く色んな種類の山を楽しめますね。

【上信越】谷川岳 日帰り登山 ~ 紅葉の西黒尾根を登る、ローカル線で行く男の一人旅

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谷川岳_01

自分の映像メディアはDVDで止まっています。

ブルーレイが主流になっていますが、未だに触れたことも観たこともないです。まぁ、そんなに映像美にこだわっていないのもあるんですが。そのうち、ブルーレイも次世代に変わってしまうかもしれませんね。むしろ、全てインターネット配信になって、メディアそのものがなくなる日が来るんでしょうね。

ここ2,3年全く映画やアニメをメディアで買っていなかったわけですが、本当に好きな作品はメディアで持っておきたいと言う気持ちになったんです。でも、DVDとブルーレイと二つが発売されているので悩ましいところ。映像にこだわらないのでDVDでもいいのですが、折角だからブルーレイをとも思ってしまったり。

ブルーレイレコーダーも発売当初よりだいぶ安くなっているようだし…。

と悩んでいましたが、ふと気づいたんです。

あ、テレビがブラウン管だ。しかも、16型で小さい。しかも、今は亡きaiwa製。

しかも、調子が悪いんです。

電源入れた直後は黒い画面の真ん中に明るい横線が走った状態が10分続き、それからからちゃんと映ります。3次元テレビならぬ1次元テレビです。

まずは、テレビの買い替えだな…。むしろ誰か下さい。

谷川岳_02

紅葉前線を再び追い求めて谷川岳(たにかわだけ)に行ってきました。

高度経済成長期には、その登攀記録が新聞の面を飾るほどだったとか。日本の登山史における重要な山です。群馬県と新潟県の境界線上にあるこの山は、特殊な気象条件とその地形から登山とクライミングのメッカになっています。

この谷川岳は上述したように、都心から遠く離れ群馬と新潟の県境に位置していますが、ローカル線を乗り継いで日帰りが可能です。

今回はぽっかり空いてしまった休日だったため、誰も誘うことなく一人旅になりました。

鉄道を乗り継ぎ男のロマン溢れる日帰り登山の旅、スタートです。

谷川岳の地図はこちら

山と高原地図 16.谷川岳 苗場山・武尊山2012

谷川岳_95

 

 

 

 

 

良いニュースと悪いニュースがある。

良いニュースは、今年の谷川岳の紅葉は素晴らしいということだ。

 

 

 

 

 

 

 

谷川岳 – 出発編

谷川岳_03

東京駅---

鈍行で谷川岳の日帰り登山に行くとなると、上野駅始発の高崎線に乗ることが必須条件です。

谷川岳_05

基本的に電車は鈍行が好きです。

鈍行で行くと見知らぬ駅に止まって、じっくり目的地に向かうので旅の来たという感覚がより一層強まるからです。目的地にアッという間に着いてしまう、悪魔の手先のような新幹線には極力乗らないようにしています。

しかし、最寄り駅からだと上野駅始発の高崎線に乗ることが不可能とわかりました。そこで考えたのが上野駅の周辺のネットカフェで一夜を明かす案です。終電で上野駅に行き、ネットカフェで3時間ほどマンガを読んでいれば始発の高崎線に乗ることが可能です。

南アルプスに行くときに甲府駅で野宿をしている自分ですが、さすがに10月ということもあり寒いのでその案はお流れです。

谷川岳_06

新幹線を使うと目的地の土合駅までは大体片道6000円強。鈍行だと3000円。約2倍の料金差です。この3000円の差は鈍行を利用する価値は絶対あります。しかし、ネカフェに泊まらないといけないことを考えると、上野駅周辺のネカフェでオールナイトパックで大体1500~2000円。

料金差が1000円程度なんだよな…。

…。

その時、僕は悪魔に魂を売った。

東京駅から上越新幹線「マックスとき」に乗り、群馬県の高崎を目指します。

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電車といったら駅弁だろうが!

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蟹やらウニが入った海鮮弁当がとても魅力でした。しかし、ここで1000円以上する弁当を買ったら意味がないんじゃないかと思い普通のお弁当をチョイス。あんまり美味しくなかったです。

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新幹線は40分も経過しないうちに群馬県に入り、市街地の向こうには赤城山(赤城山)が見えてきました。

グンマーの天気

群馬県の山沿いの天気はこのように変わりやすいのですが、本日は見事な秋晴れです。

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高崎駅から上越線(じょうえつせん)に乗り換えます。

紅葉の時期なのでザックを背負ったハイカーが結構降りていました。

グンマーと栃木

群馬県と栃木県は目下交戦状態にあるため、栃木出身の自分は都民として振舞わなければなりません。

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水上(みなかみ)行きの上越線に乗り換えました。

車内に漂うおじさん一人旅率。同じ車両の乗客層を見渡すと40代や50代のおじ様方が多くみられます。男はいつまでも独りロマンを求めるものなのですね。

谷川岳_11

上越線で水上まで1時間の旅。

音楽があればローカル線の旅は苦痛ではありません。

Click here to view the embedded video.

男の一人旅には無骨で土臭い音楽が似合います。

「The Band」という名前のバンドで68年のデビューアルバム「Music From Big Pink」に収録されている「The Weight」という曲。映画「イージー・ライダー」の挿入歌でもおなじみの曲です。

谷川岳_93

車窓からは山間部に広がる田園地帯を見ることができます。収穫の時期を迎えた黄金色の稲穂が風に揺れていました。

谷川岳_94

5月の下旬に訪れた同じく上信越地方の山である巻機山(まきはたやま)へ登ったときは、雪解けの水を田んぼに入れ、ちょうど田植えの時期でした。

夏を跨いで同じ地方の山に訪れましたが、季節の巡りを感じますね。

谷川岳_12

終点の水上駅に到着しました。

ここで気をつけて欲しいのが、この水上駅からは谷川岳ロープウェイ駅に直通する路線バスが出ています。路線バスで向かう方が楽ですが、手間と無駄を愛してこその男の一人旅というものです。

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水上駅で運行形態が変わるので、ここから先に向かうためには電車を乗り換えなければいけません。

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電車の世代が変わって107系っていうのかな。

熱心に写真を撮ってる人がいました。

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水上駅から2駅で土合駅まで到着するので、乗っている時間は10分少々です。

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8時44分土合駅に到着しました。

地下鉄ではないのに地下にある変わった駅です。地上までの高さが81mもあるらしいです。

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ホラー映画の中に迷い込んでしまったような暗闇のトンネル内。

暗闇がずっと続いているので、吸い込まれそうな気分になります。

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おいおい、マジかよ!?

なんだこの階段の長さはよ!昨日食ったソーセージより長いじゃねぇか!

これが土合駅の名物にもなっている462段の階段です。谷川岳に登る前にここでくじけてしまう人が続出するとかしないとか。谷川岳の試練は駅から既に、始まっているのです。

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土合駅への憧れは映画「クライマーズ・ハイ」の序盤のタイトルが表示される箇所で、主人公役の堤真一が登っているシーンが印象深く残っていたためです。

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水の音がするなと思ったら側溝には湧き水が流れています。

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長さに338mを登りきると額から少々の汗が流れました。

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あーそうかい!!わかったよ!親切にありがとよッ!!

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扉を潜り抜けると爆風に体を押し出されるように吹き飛ばされました。

気圧差で風がふいているんでしょうか。

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コンクリートブロックの冷たい質感と錆びた窓枠に水滴がついたガラス。窓の向こうには豊かな植物の緑があり、無機と有機の組み合わせが美しい雰囲気を出していました。

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とても大きな駅にもかかわらず、無人駅で改札には駅員はいません。ちなみに自動改札は水上までしかありません。

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土合駅は三角形の形をした特徴ある駅です。この駅だけを撮影しに来る人も多いみたいです。

トイレは新しく作りかえられたのか綺麗でした。

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土合駅からは一般道を歩いて谷川岳ロープウェイ駅を目指します。

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上越線の線路を越えます。

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歩行者にはちょっと怖い道も歩きました。

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途中に慰霊碑がありました。

谷川岳での遭難死者数は圧倒的に世界ワーストワンなのです。その辺の詳しい内容はWIKIを参考に。

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土合駅から15分ほどで谷川岳ロープウェイ乗り場に到着です。登りではロープウェイは使用しないので、少し見学がてら中をのぞくと。

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すごい行列ができていました。

添乗員付きのツアーも多く来ているみたいでプラザ内は大混雑していました。お年寄りから若い高校生グループまで幅広い年齢層がロープウェイの列に並んでいました。

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帰りの水上駅行きバスの確認をしておきます。

バスの時刻表を確認している時間が9時26分、16時のバスには乗りたいところです。

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山頂へは西黒尾根から登るので、ロープウェイ駅から通行止めになっているアスファルト道を進みます。

途中に登山指導センターがあり、監視員らしきおじさんに声をかけられました。

「おい兄ちゃんこの先はやめときな。ここから先に進んで、生きて帰ってきたものは1人もいねぇんだ」

さすが、魔の山…。

普通に「西黒尾根に行くのかい?」と尋ねられました。

谷川岳_37

西黒尾根の登山口。

一ノ倉沢(いちのくらさわ)までトレッキングコースの途中に何と無しにありました。

谷川岳_38

さて、1人登山のときは熊鈴をつけないとな…

あッー!?

熊鈴と間違えて熊を持ってきてしまったッー!!!

しかも、タイミングよくハロウィン仕様だッー!!

皆さんも登山に行く際についうっかりやってしまうミスですね。

谷川岳 – 登山編

谷川岳_39

9時36分 谷川岳登山開始 ---

西黒尾根は序盤からグイッと登らせてきます。

この日の天気は快晴に恵まれたので、上は一枚で長袖を捲り上げてのスタートです。

 

登山開始まで写真40枚近く使ってるけど、登山するまでに無駄に尺使いすぎじゃないか?

 

谷川岳登山ルート

谷川岳登山ルートを簡単に説明します。

  1. 西黒尾根で山頂
  2. 天神尾根をくだり、ロープウェイを利用し下山

谷川岳_40

10分ちょい登ると鉄塔の下に出ました。

登山中に鉄塔があるとつい下からレンズを向けてしまうのは習性なのか。

谷川岳_41

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序盤の林道は黄色に紅葉していました。

そして、入口で男女二人のペアを抜かしただけで誰にも会いません。人気の山なのに誰も会わないなんて…。

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最初の1時間くらいは展望のない急斜面。慣れていないときつい道ですね。

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地面の上に軽く積もった落ち葉の上をサクサクと音を立てながら歩きます。樹林帯の合間を吹き抜ける風がとても涼しくて気持ちいです。

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登るにつれて紅葉は黄色から赤へ変わり始めました。

紅葉を狙って来たわけじゃないのですが、思ったより紅葉が綺麗で驚きました。

谷川岳_46

1時間ちょっとで展望が開けました。

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遠くロープウェイの終着点である天神平(てんじんだいら)が見えました。

帰りはあそこへ向かうことになります。

谷川岳_48

展望が開けた場所からは、岩肌が露出した箇所が多くなります。

そのため鎖場が多くなり噂に聞いていた西黒尾根の難易度の高さがわかってきました。

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谷川岳の山頂が見えてきました。

山の斜面は紅葉で黄色から赤へとグラデーションで染まっていてとても綺麗です。

谷川岳_50

中央分水嶺で天候が非常に不安定、冬は豪雪地帯になる谷川連峰。

その特殊な環境から2000mに満たない標高で、森林限界は低く、急峻な岩壁が登山者とクライマーの心を掴むのですかね。

谷川岳_51

よじ登る感じで進む岩場と鎖場が連続する尾根道はとても楽しいです。

雲一つないので山頂まで向かっている実感がありますね。

谷川岳_52

谷川岳がこんなに紅葉がいいところなんて知りませんでしたよ。なんで誰も言ってくれないの。

一人で来るんじゃなかったぜ。

谷川岳_53

ラクダの背に到着しました。

遠くから見るとラクダの背にあるこぶのように見えるんでしょうか。かつて、宇都宮動物園で生まれたラクダの赤ちゃんに公募で「らくちゃん」と名づけたのは何を隠そう僕です。

てかよく選ばれたもんだな…。

あ、ちなみに西尾根ということで、ブラックなコーディネートをしています。

谷川岳_54

まだまだ、先は長いです。

以前までならこの距離感にひるんでいた自分ですが、夏で成長したのか「あとちょっとだな」と思えるようになりました。

たぶん、幻想でしょう。

谷川岳_55

ナイフでバターを切ったような斜面も登場します。

慎重に行けば全く問題はないのですが、多くの人が歩いているせいで岩がつるつる滑るのが厄介です。

谷川岳_56

下山する人とすれ違いが多くなりました。

ちょうどロープウェイの始発で登ってから西黒尾根で降りてくる人でしょうか。

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斜面もカメラも自分も全てが斜めになっている写真。

谷川岳_58

山頂が近づいてきました。

谷川岳は、トマノ耳とオキノ耳の二つの山頂があります。

谷川岳_59

西黒尾根から左方向は天神平で、登ってくる人の列が見えました。このルートとはえらい人数の違いですね。

谷川岳_60

そして、西黒尾根と天神尾根との分岐点に到着です。

あらら、いつの間にか雲が出てきてしまった。

谷川岳_61

そして、山頂へ。

こんな人だらけの山だとは思ってなかったぜ!

谷川岳_62

谷川岳トマノ耳に到着です。

こちらはまだ最高地点ではありません。

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最高地点はあちらのオキノ耳。

10分程で行くことが可能ですが、なにぶん人とのすれ違いが多くて思うように進めません。

谷川岳_64

オキノ耳向かって左は緩やかな斜面で笹の緑が豊かでした。

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12時39分 谷川岳山頂 ---

ついに念願の谷川岳山頂に立ちました。

西黒尾根から登り始めて3時間20分です。無駄な休憩やら写真を撮りまくっていたので、至って普通のペースだと思います。

谷川岳_66

登山者が非常に多い山ですが、山頂は一歩踏み外すと絶壁で転落したらあの世にいけるでしょう。

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映画「クライマーズハイ」で登っていた衝立岩(ついたていわ)もこのへんにあるのでしょう。

原作も映画も見ましたが、とても良い作品ですね。

今から27年前に起きたの日航ジャンボ機墜落事故をテーマに、群馬県内の新聞記者を主人公に展開していくストーリーです。邦画にしては珍しいスピード感と報道という特殊な業界の臨場感で一気に見させてくれる映画でした。是非、一度ご覧下さい。

現場雑感と最後の遺書を読むシーンは、何度見ても目から汗が出てしまう。

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オキノ耳から更に進むと「奥の院」があります。せっかくのなので行ってみることに。

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富士信仰の神社である浅間神社(せんげんじんじゃ)でした。

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こっそりした場所に祀られていました。

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そんなわけで簡単にお昼を食べました。

余ったカレースープにおにぎりを入れてすするのはもはや定番ですよね。

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さすが天候が変わりやすい谷川岳です。いつの間にか薄灰色の雲が山全域を覆い始めました。

風も強くなり始めて、寒い寒い。

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秋らしく男のマロンケーキを食後のデザートにしました。

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下山は天神平からロープウェイで降ります。

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奥の院から来た道を戻り、天神尾根(てんじんおね)へ。

途中、肩ノ小屋によってみることに。

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立派な小屋があり営業していました。周囲が開かれているので休憩する人がいっぱいです。

奥にはトイレがありましたが、行列を作っていました。これくらいの距離なら麓でトイレに入ってから登れば必要ないだろうに…。

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時間は13時半なので、少し急いで降りれば15時台のバスにも間に合っちゃうんじゃね?

と、そう思っていた時期が僕にもありました。

 

 

 

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はい、大行列です。

日本人の紅葉好きときたら全くイカれてやがるぜ!

 

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高齢のおばちゃんが少し急斜面を慎重にくだるため、その影響で行列になっている感じでした。

森林限界の尾根道はい岩がむき出し箇所が多数あるため、しばらくは立ち止まったり進んだりの繰り返し。

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樹林帯に入ると流れるように列が進みました。恐るべし谷川岳の紅葉シーズン。

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結局、行列は天神平のロープウェイ駅まで続きました。ちょうど15時に天神平に到着。

これが魔の山と呼ばれる由縁か…。

天神平から登り、西黒尾根で降りる方が正解だったのかもしれません。

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ハリウッド映画なら、もう人波乱あるのがお決まりのパターンですよね。

ロープウェイ待ち1時間!

もう、うんざりだぜっ!!

ここは野外ライブ会場か!?と、見間違う感じに列を作っていました。

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胸にツアーワッペンをつけた、律儀にもスーツ姿のおじいちゃん、保温性が一切なさそうな編み編みニットを着たおばあちゃん達が並んでいます。

日が陰りはじめ気温はどんどん下がっていくので、非常に寒そうでした。

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こんな大人数で乗り込んで大丈夫かって?大丈夫、日本製だからな。

ロープウェイの順番が回ってきたのは、列に並んでから1時間10分経った頃。

前に並んでいたカップルがいちゃいちゃしているのを見せられて拷問でしかなかった。彼女の手が冷えないように、彼氏が自分のダウンジャケットに手を入れさせているんですよ。爆発すればいいのに。

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20人乗りのロープウェイはゆっくり谷川岳をくだります。

斜面は紅葉一色でとても綺麗でした。

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一時は路線バスの最終に間に合わないんじゃないかと思いましたが、なんとか17時の最終に乗れそうです。

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17時ちょうどのバスをぼんやり待っていると、16時半にもかかわらず水上行きのバスがやってきて出発。

どうやら紅葉シーズンで臨時便が出ているみたいです。が、乗った客は自分も含め4人でしたが。

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16時50分ごろにJR水上駅に到着しました。駅舎は改装工事中でした。

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駅前はお土産屋が並んでいて、小腹を満たすために野沢菜のおやきを買いました。

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タイミングがいい事にホームには水上駅始発の上越線が止まっていました。

乗客が少なかったので、4人用のボックス席を1人で遠慮なく使用しました。

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足を正面の座席にほおり投げて、リラックスした体制でぷち宴会です。

10分ぐらいしたら睡魔に襲われ、40分ほど眠っていると電車は終点の高崎駅へ。

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高崎駅からは悪魔の手先(新幹線)は使わず、JR高崎線の鈍行でゆっくり帰路に。心地よい日帰り登山の旅の終わりは素晴らしいエンディングを迎えた映画を見終わったような感覚です。

 

まったく、最高の気分だぜ!

 

 

谷川岳の登山を終えて

いかがでしたでしょうか、鉄道登山の旅は。都心から向かう場合はすべてJRなので、青春18切符の期間に行くととてもお得ですね。

土合駅は憧れだったので、絶対外せませんでした。ゲームの世界に迷い込んだような駅なので、谷川岳に行く際には是非訪れてみてください。無人駅なので車で来た場合でも、立ち寄って見学してみてはいかがでしょう。

谷川岳登山はロープウェイ利用で、天神尾根の平往復が一番簡単で、登山になれていない人でも登頂できるルートです。登山に慣れている人であれば、人が少なく鎖場と岩場が連続する西黒尾根に行ったほうが楽しめると思います。

紅葉の時期は、今回みたいに大混雑するのでお気をつけて。

次来るときには、残雪期に天神尾根往復で来てみたいですね。

 

 

西黒尾根

 

 

悪いニュースは、この記事を公開している頃には谷川岳の紅葉はすっかり終わっちまってるってことさ。

 

 

【上信越】至仏山 日帰り登山 ~ 夏は遥か遠く残雪の尾瀬ヶ原、GW期間限定ルートの旅

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至仏山_01

登山はアナログな趣味のイメージがありますが、決してそうではありません。

アプリケーション地図とGPSを連動させて、山奥でも自分がいる位置を地図上に表示させることができ、その日歩いたコースを記録することができます。登山者のための電波塔が立ち始め、人里離れた場所でもインターネットが可能です。山小屋や山のビジターセンターでは毎日のようにブログ、Facebook、Twitterを通して、登山道の状況や花の開花情報、雪解け情報を配信しています。

自分は安全で快適な登山をするために、携帯(スマートフォン)やパソコンで最新情報をキャッチしています。

ただ、旅の最中は情報を得る以外には携帯を使っていません。ブログや各種SNSをしていますが、登山の最中や出掛け先では滅多なことがない限り見ることはないです。折角、俗世と離れた場所にいるのにインターネットで簡単に世界とつながってしまっては、旅情もへったくれもなくなってしまうからです。

「今こんなところに来てるんだ。素敵でしょう。」

SNSやコミュニケーションツールを通して今ここにいない友達に伝えたい、そんな心理はわかります。

「有名人・芸能人でもない人間のリアルタイムのプライベート状況を知ったところで…」って感じです。

一緒に旅している人が携帯をいじって、別のコミュニティと連絡をとっているのを見ると興冷めするときがあります。

「せっかく皆で楽しめるようなプランを考えたのに…」

と、そんな気分になります。

旅を最大限楽しんでいるなら、携帯をいじるような場面なんてないはず。友達への報告なんて、2~3日後でも十分です。

リアルタイムに報告を入れるべき人は、帰りを待つ人だけで十分です。

某テント場にて、スマートフォンにアイドルの水着写真と動画を入れて見てた人がいましたが…あれは、うん、ありかな…?

至仏山_02

ゴールデンウィーク後半は、尾瀬の至仏山(しぶつさん)に行ってきました。標高は2228mあります。

日本の分水嶺にあたり豪雪地帯の尾瀬はゴールデンウィークでもたくさんの雪が残っています。至仏山の開山は7月1日で、それまでは入山規制されていますがゴールデンウィーク前後の僅かな期間だけ登ることができます。今回は、ゴールデンウィークの期間中でしか通ることができないルートを歩いてきました。

魅力的な山と自然が集中する尾瀬は、何度か足を運ぼうと思っていたものの、機会に恵まれず行くことができませんでした。

そんな憧れの尾瀬、残雪期の旅スタートです。

至仏山_29

前略おふくろ様。

先月の休みは海に囲まれた神津島にいました。そして、今回は周囲を山で囲まれた雪山の中へ。

相変わらず節操のない旅を続けています。

至仏山地図

さて、早速ですが至仏山のルート解説です。

至仏山へは通常「鳩待峠(はとまちとうげ)」を起点に登ります。そのまま、尾瀬ヶ原へ降りて鳩待峠へ戻ってくるルートを誰しもが考えるでしょう。

しかし、至仏山の山頂から尾瀬ヶ原へ降りるルートは、植生保護のため下山規制されているのです。

至仏山地図

1年のうち残雪があるゴールデンウィーク付近の期間中だけこのルートを下山することができるのです。

ちなみに5月中旬から7月1日の山開きまで、同じく環境保護の山自体が登山規制されるデリケートな山なのです。

つまり!

鳩待峠→至仏山→尾瀬ヶ原→鳩待峠」の周回ルートを通ることができるのは、一年のうちゴールデンウィーク期間中だけということです。

 

 

至仏山_04

突然ですが、ゴールデンウィーク前半に行ってきた神津島で買った海苔を使った焼きそばが美味しいです。

回転寿司に行くと「あおさの味噌汁」を必ず頼む自分としては、神津島海苔を味噌汁に入れると世界三大スープに早変わりです。

なにこの宣伝。

至仏山_05

東京を深夜1時に出発しました。

至仏山の登山口がある鳩待峠(はとまちとうげ)の駐車場は、ゴールデンウィーク期間中は朝を待たずに満車になってしまうと言う情報があったからです。

東京の立川を出て、関越を進み沼田ICを降ります。そこから真夜中のロマンチック街道を尾瀬方面へ向けて進みます。この街道はあまり車の通りがあるようには思えないのすが、セブンイレブンが結構あるのが謎です。

至仏山_06

沼田ICから鳩待峠への下道は1時間以上かかります。遥かな尾瀬とは言ったものです、関東にあるはずなのにとても遠いです。

鳩待峠には4時ちょっとすぎに着いたにも関わらずほぼ満車状態で、数台後だったら停められなかったと思います。駐車しようとすると暗闇からヌッとおじさんがやってきて、駐車料金2500円を求められました。闇夜の雪山の中で駐車しに来る車を待っているとは…。

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明るくなるまで仮眠をして、朝6時に徐々に準備を開始しました。

他の車の人たちも同じように日の出と共に準備開始していました。駐車場以外はまだまだ雪が残る尾瀬、ダウンを着ないと寒いです。

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鳩待峠には鳩待山荘があり、その隣には公衆トイレがあります。

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下界より30円高い自動販売機。

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ジャンピング登山届け。特に意味はない。

駐車場に至仏山への登山口があります。

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憧れだった尾瀬、その至仏山への登山を開始します。

尾瀬は5人中4人がはじめてです。

「なぜ、雪が残る季節に来てしまったんだろう…。」

というのはメンバ全員の疑問です。

至仏山_12

登山口からすでに至仏山の山頂が見えています。

分水嶺の山だけあって森林限界は低く、山頂は雪ががっつりと残り真っ白。

至仏山_13

白い幹と青空がよく映える。

至仏山_14

登山道は木と木の間隔が広くて非常に歩きやすいです。夏道はやはりちゃんとしたルートがあるのでしょうか。

ゴールデンウィークは、登山をする人よりもバックカントリーをする人で賑わいます。たくさんの踏み後があるので、踏み抜きやコースを外れるといったことはないです。

至仏山_16

皆はアイゼンで、自分はスノーシュー。

買ったからには使わないともったいない根性で、重いのですがわざわざ持ってきました。

至仏山_15

登るにつれ進行方向右手の景色が広がってきます。

至仏山_17

あの一際目立つ山は一体なんなのか!?

至仏山_18

至仏山山頂には雲が掛かっています。

これでは展望が期待できない予感…。

至仏山_19

ゴールデンウィークらしく鯉幟を持参。

至仏山_20

栃木県は日光方面の景色。

一際、高い山は日光白根山です。今年の冬に行こうとして行けなかった山です。

ちなみにそのときの残念な記事はこちら

【群馬】吹割の滝スノートレッキング ~ 山登りはできなかったけれど、荘厳な滝と幽玄な渓谷の旅

至仏山_21

ゴールデンウィークの至仏山はとても歩きやすく人も多いので、雪山初心者にも持って来いの山です。

ただ、登山客の割合はバックカントリーと比べると格段に低い気がします。3:7くらい?

至仏山_22

目印のテープも随所に巻かれているので安心です。

至仏山_23

急斜面はほとんどなく1時間もすれば樹林が少なくなり、展望は一気によくなります。

至仏山_24

こんな感じに雪原に寝転んで休むのもいいでしょう。

至仏山_25

至仏山の手前のピークである小至仏山が見えてきました。

至仏山_26

左手には谷川岳をはじめとする上信越の山々が見えました。

上信越の山は見慣れないということもあるのですが、標高も同じくらいなので山の区別がまったくつきません。

至仏山_27

広い稜線でとても自由度が高く、走り回ることができます。

至仏山_28

ここにきてやっと尾瀬ヶ原が眼下に見えてきました。

至仏山_31

植生保護を促す看板が何箇所かに立っています。下には滑走ルートが書かれた地図もついてます。

至仏山_32

今回最大の難所である小至仏山のトラバース。

ピッケルがないと40m~50mは滑り落ちそうな場所で、ここだけは慎重に歩きました。

 

 

と、ここで先頭を歩く「上様」が空を見上げて指をさしています。

 

 

 

 

至仏山_33

 

 

 

太陽の周囲に虹が出てるではありませんか。

後日、上様調べによると「環水平アーク(かんすいへいあーく)」という現象らしいですね。日本では年に数十回観測されるらしいです。

 

 

 

至仏山_34

そんな貴重な天体現象に感動。

空を見上げていると足元がお留守になり、雪の斜面を転がり落ちてしまうので慎重に進みます。

至仏山_35

ゴールデンウィーク前半に大雪が降った至仏山。

この時期にしてはとても珍しいパウダースノー状態で、滑走する人達にとっては最良のコンディションだったらしいです。

至仏山_36

 

先ほど横切ってきた道を振り返る…。遠めで見ると恐ろしい道です。

続々と登ってくるのがわかります。ゴールデンウィークの至仏山はとても人気なんですね。

至仏山_37

いよいよ、稜線の向こうに山頂が見えてきました。

至仏山_38

至仏山_39

近づくとわかる人の多さ。

下からは雲が掛かっていた山頂でしたが、晴れ間を見せてくれました。

至仏山_40

そんなわけで、無事山頂に到着です。

山頂まで3時間半も掛かってしまいました!途中、遊びすぎているせいなんですけどね!

至仏山_41

まるで墓石のような山頂の標識です。

さすが仏に至ると書いて至仏山です。

至仏山_42

山頂から眺める真っ白な尾瀬ヶ原とその先に独立峰のようにたたずむ燧ヶ岳(ひうちがたけ)絶景です。

燧ヶ岳から左奥には、黒い場所が見当たらない平べったい山は会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)です。今年の夏に登る予定の山です。

至仏山_43

燧ヶ岳は福島県で、東北以北の最高峰です。

東北といっても尾瀬ヶ原を横切るように群馬県と福島県の県境が通っているので、この表現はどうなのかと疑問に思う。

至仏山_44

 

 

 

空に架かる虹がまるで神の作り出した超常現象のようで神々しい。

 

 

 

 

至仏山_45

至仏山_46

 

 

 

至仏山の山頂で、ともみさんにぶっ叩かれる。

(仏陀とかけているのは言うまでもない)

 

 

 

至仏山_47

 

「アローハ!」

 

というのもレインウェアの中身は、アロハシャツの格好をしていたからです。

 

この状態で遭難し救助されたら…

「本日、群馬県片品村に位置する尾瀬。その尾瀬にある至仏山に登っていた男性が無事救助されました。ゴールデンウィークとは言え、雪が残る尾瀬で男性は雨具の下にアロハシャツという軽装で…」

世間様からどんな罵詈雑言を浴びせられることか…。

もちろん防寒着はザックの中に入ってますよ!

Click here to view the embedded video.

そんな至仏山山頂からぐるっと360度の動画。

 

 

至仏山_48

さて、下山を開始します。

尾瀬ヶ原へ向かって一気にくだる開放的な下山こそがゴールデンウィーク限定ルートなのです。

至仏山_49

程よい傾斜のため足早にくだることができて爽快です。

これはバックカントリーで滑りたくなる斜面ですね。たぶん、スピード出したら5分と掛からないと思います。

至仏山_50

アイゼンなくてもパウダースノーなのでつるっと滑ることはあまりありませんでした。

至仏山_51

至仏山_52

広大な尾瀬ヶ原を正面に見ながら下山することができる贅沢なコースです。

この道は岩礫の斜面のため登山客が多くなったことで植生の荒廃がすすみ、1989年に通行禁止になりました。1997年に一度通行解除になりましたが、再び植生の荒廃が進み2008年に下山規制された経緯があります。

尾瀬は期間で規制があるのを把握するのが大変です…。

至仏山_53

ある程度、降りてきたところで久々の登場ヒップソリ。

至仏山_54

至仏山_55

ちょうどいい角度を持つ斜面です。

至仏山_57

至仏山_56

この虹は雲の加減で、見え方が刻々と変化していました。

天使が舞い降りてきてもおかしくない雰囲気です。

至仏山_58

期間限定下山ルートを堪能し、ようやく下まで降りてきました。

至仏山_60

憧れだった尾瀬ヶ原に降りてきました。

至仏山_61

※注意:5月初旬の群馬県です。

樹林帯を抜けると広大でまっ平らの雪原。きつねが歩いていても不思議じゃない、まるで北海道の冬景色です。

至仏山_62

歩くこと数分で山荘、ビジターセンター、テント場が密集している尾瀬ヶ原の拠点「山の鼻」に到着しました。

至仏山_63

遊びすぎたせいでお腹はとっくに限界を迎えていたので、さっさと昼食の準備に移ります。

至仏山_64

雪の上に座布団を引いて調理開始!

至仏山_65

至仏山_66

本日のメニューはなんと「ホットケーキ」です。

皆さんもうおわかりですね?

至仏山_67

「至山」ということで「ほとけ」、つまり「ホットケーキ」です。

こんな雪山にホットケーキミックスと牛乳と卵を担ぎ上げてきましたよ。

至仏山_68

サラダも2種作って持ってきました。女性陣が何も作ってきてくれないの…。

右は力作の神津島海苔を使ったアボガドサラダです。アボガドが硬すぎてほぼ胡瓜だった。

昼食と言うより、完全に朝食メニューです。

至仏山_69

残飯でないかと鳩が周囲をうろついて待っています。

鳩待峠とはこういうことだったのか!

至仏山_70

朝食みたいな昼食を食べた後は、雪の尾瀬ヶ原でわいわいきゃっきゃ。

木道?湿地?水芭蕉?

そんなものはゴールデンウィークには存在しません。

至仏山_73

至仏山_71

ここで体力を無駄に消耗し、後に後悔する羽目に。

至仏山_72

尾瀬の夏はまだまだ遠いです。

至仏山_74

至仏山荘で売っていた花豆ソフトクリームが食べたかったのですが、ホットケーキとかプリンとか甘いものばかりだったので時間に見送ることにしました。

至仏山_75

尾瀬ヶ原で遊んだ後は、鳩待峠へと戻ります。雪解けの川が春を感じさせてくれます。

至仏山_76

水芭蕉の芽が少しづつ開花しているようです。

至仏山_77

尾瀬ヶ原から鳩待峠へは1時間のコースですが、緩やかな登りになっています。

ルートがいくつかあって、どうやら散策コースに迷い込み急な登り降りをする羽目になりました。

至仏山_78

お陰で最後の登りではかなりヘトヘトでした。

尾瀬ヶ原で遊びすぎたのがいけませんでした。

至仏山_79

遊びすぎ、料理に時間をかけたせいで鳩待峠に戻ってきたのは15時30分でした。

6時50分頃スタートしているのにね。

至仏山_80

本日の立ち寄り湯はロマンチック街道から少し離れた片品村の「花咲の湯」です。

至仏山_81

谷には多くの鯉幟が吊り下げられていて圧巻です。

至仏山_82

新しい温泉施設で中はレストランや休憩所など広々としていました。

露天風呂は広くて、日光方面の山々を眺めながら入ることができます。お値段は600円でした。

至仏山_83

至仏山_84

入浴後に自家製ジェラートを購入。味は柿みたいに甘いらしい「雪下にんじん」です。

つい先日、偶然にも「ハラドーナツ」で雪下にんじんを使ったドーナツを食べていたので買ってみました。

至仏山_85

ネコ椅子。

至仏山_86

ちょっと街道から離れた温泉に寄った理由は、ほど近い場所にとある名所があるからです。

至仏山_87

車を走らせること5分ほど。

駐車スペースに車を停め、集落を歩きます。

至仏山_88

ドン!

これです樹齢300年の天王桜です。

都内では既に散り終え1ヶ月経つ桜ですが、寒冷な群馬県片品村ではゴールデンウィークに見頃を迎えます。

至仏山_89

少し遅いお花見ができました。

至仏山_90

人と並べるとその大きさがわかります。幹の外周は5m以上あるのだとか。

至仏山_91

広場のはじを流れる沢には、ちゃっかり水芭蕉が咲いていました。

帰りはゴールデンウィークらしく関越道の渋滞にはまりながらも東京に帰ることができました。

 

至仏山登山を終えて

山と高原地図 尾瀬 燧ヶ岳・至仏山

尾瀬に来たのは初めてと言いましたが、あれは嘘だ。今回で2回目になります。

前回着た時は尾瀬沼をぐるっと一周しました。

 

赤ん坊の時に。

 

母親に背負われていたそうですが、当然覚えてるわけないですよ。

至仏山_59

童謡「遥かな尾瀬」

夏が来れば思い出す尾瀬ですが、自分が思い出すのは北の大地のような冬景色です。

次はイメージ通りの水芭蕉が咲く、夏に来たいですね。

至仏山_92

GWの期間限定ルートで旅する至仏山と尾瀬ヶ原。夏に登っているという人でも違う山の感覚で登れるのではないでしょうか。

水平環アークの天体現象、雪の尾瀬、巨大な桜と盛りだくさんの旅になりました。

詳細コースガイド 尾瀬 尾瀬ヶ原・尾瀬沼・至仏山 (山と高原地図)

【上信越】苗場山 日帰り登山 ~ 山頂に広がる広大な湿原、ブヨと土砂降りの波乱に満ちた七夕の旅

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苗場山_01

東京は梨1個の値段が198円です。

個人的に好きな果物ランキング1位に梨が堂々ランクインしています。7月下旬から9月終わりまでは、甘みの強い品種である幸水(こうすい)が出荷されます。そんなハッピーウォーターが大好きで、それはもうもりもり食べます。

しかし、東京の梨価格は異常。

そもそも、梨は道端で買うものだろうというのが自分の認識。自宅から1キロ圏内に梨農家があるので、無人販売所で梨が買えます。500円のワンコインに対して、ビニール袋に梨が12個~15個ほど詰まっています。バラつきがあるのは農家のおばちゃんの大雑把なさじ加減によるところでしょう。

4~5倍の値段を払って梨を食べたくない。とか思っていると、幸水が市場から姿を消してしまうのがここ数年のこと。

この夏の時期に、ばあさんちに行くと梨が山盛りになっているか団子が山盛りになっているかのどちらかでした。ちなみに団子にコンデンスミルクを掛けて食べるのは、自分のばあさんちだけの風習だということを最近知りました。たぶん、ばあさんの姉さんのうちがイチゴ農家で、イチゴにかけるコンデンスミルクを団子にかけたらどうなるんだろうというところから始まったに違いない。

梨を山ほど食べたい。

でも、梨はビタミンなどの栄養価がほとんどないらしいです。フルーツ界のキュウリですね。

苗場山_02

7月7日七夕の日、新潟県と長野県に跨る苗場山(なえばさん)に登ってきました。標高は2145mあります。

この苗場山は登山する山というより、冬はウィンタースポーツ、夏は野外ロックフェスとして知られています。そんな苗場山ですが、山頂に尾瀬のような湿原が広がっていることはあまり知られていないのではないでしょうか。ネームバリューに対して、登山用のロープウェイがあるわけでもなく、日帰りの行程が長いからかもしれません。

そして、この苗場山には人を寄せ付けない極悪な番人がいたのです…。

梅雨真っ只中、七夕の旅スタートです。

苗場山_03

「苗場山?いいぜ乗ってきなよ」

ということで、初対面にも関わらず今回の登山に連れて行ってくれたSakuさん。そのスピリットは、アメリカの西海岸と東海岸をつなぐ道中、ヒッチハイクをしている若者を拾うトラックドライバーのよう。

そんなSakuさんは真夜中の土曜日、仕事帰りに自分の最寄駅まで迎えに来てくれました。

茅ヶ岳早池峰山で一緒したさみーさん、マミさんを招待し、4人で苗場山へと出発しました。

苗場山_04

深夜の関越道は、赤城SAを過ぎたあたりで車通りはほぼなくなり、あっけなく新潟の越後湯沢へ。入り口に虫除けの業務用扇風機が回るセブンイレブンで食料を調達し、三国街道から苗場スキー場へ向かいます。

朝5時前だというのに登山口の駐車場には、既に10台以上の数の車が停まっていました。

苗場山_05

駐車場にはちゃんとトイレがありました。

苗場山_06

 

前日の天気予報は晴れのち曇りでしたが、満遍なく曇りの天気。

陽が登り明るくなり始めたところで、苗場山登山開始です。

苗場山_07

登山道入り口には、登山口を示す柱とコースを紹介する大きな看板がありました。駐車場からはゲレンデに通じる道へも進むことができますが、登山道へと入りました。

苗場山の地図

今回のルートは苗場山のもっとも一般的なルート「祓川コース」です。

登山口から山頂までの標高差は800m程ですが、横に長いので長丁場になります。秋山郷に登山口のある「小赤沢ルート」は、見所もありそうかつコースタイムが短いのですが、秋山郷まで到達するのが難ありです。

苗場山_08

前日に雨が降ったため、地面は泥だらけでした。幸先の悪いスタートです。

苗場山_09

ほんの数分でゲレンデと合流しました。

景色はご覧の通り、鈍よりとした曇り空。今回は、さすがに天候回復は期待できそうにない空模様。

苗場山_10

最近、登れば晴れる天気を感じとることができるような気がするんです。

視覚的に見ることができる雲の厚さと体に感じる気圧の感じでしょうか。いや、こんな能力は麓の町に住む仙人みたいな暮らしをしている爺さんだけかな。

苗場山_11

7月上旬のこのガス状態。湿度は高く、不快指数は高めです。

苗場山_12

駐車場から歩き始めて40分ほどでかぐらスキー場和田小屋に到着しました。

宿泊者専用の駐車場があるようで、スキー場の道をカットできるみたいです。ゲレンデシーズンの方が活気付いてるのかな。

苗場山_13

和田小屋のすぐ近くに苗場山への登山道があります。ここからが本当のスタートになります。

苗場山_14

登山道入り口周辺は冬はゲレンデになっているであろう場所が、花畑と化していました。

苗場山_15

とうもろこしの実ように粒粒の白い花をつけているのは「コバイケソウ」。

こんな花あるんだー。珍しいなー。

と思っていたのですが、高山植物としてはどこにでも分布しているので、この後の登山で、何度も見ることになります。

是非名前を覚えておくべき花の一つです。

苗場山_16

登山道をふさぐ様に雪がこんもりと盛られていました。この雪の向こう側が登山道なのに、道を見失って左の方向に進んでしまったのは内緒です。

苗場山_17

チングルマも咲いていました。

苗場山_18

ゲレンデの脇にこっそりとある登山道に進入していきます。

苗場山_19

樹林帯の地面は前日の雨でどろどろでした。

苗場山_20

かんかん照りの晴れた日には涼しい樹林帯ですが、この梅雨の時期は風の通らないので、スチームサウナ状態です。

苗場山_21

梅雨最高!

といわんばかりに湿気大好きカタツムリが優雅に歩いておられました。

苗場山_22

五合半を示す標識がありました。

どうやら十合目を目指すような登山道になっているようです。○号目という表示がある登山道は意外と少ない。

苗場山_23

ところどころ木道で整備されていて歩きやすいです。湿っていなければ。

苗場山_24

5合目~7合目間は樹林帯であまり代わり映えはしない道です。

苗場山_25

ぐいぐい登ります。

苗場山_26

「イワハゼ」

たぶん。

苗場山_27

横に長い登山道なので、たまに平坦な道が登場します。

たまに見上げるとゲレンデの電線やら鉄塔が見えてちょっと萎える。

苗場山_28

「ゴゼンタチバナ」

ゴゼンは白山(はくさん)の最高峰である御前峰のことを指すらしいです

苗場山_29

ぬかるみががが。

苗場山_30

「ギンリュウソウ」

頭がちょこっとでているものしか見つけられませんでした。

苗場山_31

下ノ芝に到着。

苗場山_32

ベンチもありしばし休息をとります。

このあたりまではまだまだのんびりしていました。これから登山史上最大の修羅場が待っていようとは、このときは誰も思っていませんでした…。

苗場山_33

苗場山_34

「イワオトギリ」

花びらが白くギザギザしており、雪の結晶のようにも見えます。

苗場山_35

まだまだ続くよ樹林帯。

少しでも風通しの良い場所に出たいです。

苗場山_36

苗場山_37

 

苗場山_38

「ベニサラサドウダン」

イワハゼに似てるけど違う花。

苗場山_39

駐車場から歩き始めてようやく高い樹木が生えない、展望の良さそうな場所に出ました。

苗場山_40

中ノ芝に到着しました。

ここから更に35分で、一つ目のピークである神楽ヶ峰があります。

苗場山_41

後ろを振り返ると雲の隙間に景色が広がっているではありませんか。

苗場山_42

さぁ、景色も徐々に回復に向かってきています。

ここは一気に高度を上げましょう!

苗場山_43

 

 

が、

 

 

虫が!

 

 

 

虫がッ!!

 

 

 

虫がァァァァァアアアアア!!!!!

 

 

 

 

苗場山_44

ぶーん ぶーん !!!

人間の周囲を執拗に羽虫が纏わりついてきます。

常に視界に入りこみ、皮膚が露出している手や顔、首を狙って突撃してきます。

ここで言う虫というのは「ブヨ」のことです。

苗場山_45

その煩わしさ、苛立たしさは蚊をそれを遥かに凌ぎます。

まるで山のゼロ戦と言わんばかりに歩いていようが、体を動かしていようが、お構いなしに襲撃してきます。

 

苗場山_46

虫対策を怠っていたわけではなく、ちゃんと虫除けスプレー等は持ってきました。完全に気休めでしたけど。

自分は害虫じゃない!

社会のダニかもしれないけど!

苗場山_47

常に数十匹に絡まれます。

自分の前方にある空間を手で払うと、手に3、4匹ぶつかった感触があるくらいです。

自分が薦めた虫から顔を覆い隠す防虫ネットを買ったさみーさんは、全身防御で余裕のご様子でした。

薦めたにも関わらずなぜ自ら買わなかったのか…。慢心、環境の違い…。

苗場山_48

神楽ヶ峰に続く稜線に出ました。

歩行をやめるとブヨの猛攻撃にあうので、前進し続けます。死の行軍そのものです。

苗場山_49

大きな岩場を乗り越えたりと慎重な場面ですが、ブヨの猛攻が集中力を欠いてきます。

苗場山_50

苗場山まで2.2キロ。まだまだ先は長いです。

苗場山_51

上空の天気悪いですけど、中間層にある雲が下がってきたので、近くの山々の景色を眺めることができました。

苗場山からみて東側の山なので、谷川岳あたりでしょうか。

苗場山_52

とか景色をゆっくり楽しんでいるとブヨに狙われる。生き地獄とはこの事かもしれない。

ちなみにマミさんにも防虫ネットを薦めたのですが、「かわいくない」と言う理由で買ってませんでした。そして、今回一番の被害者だった気がします。

後日、購入していました。

苗場山_53

稜線に咲くコバイケソウはまだまだ花を開かせていませんでした。

苗場山_54

道の途中にあった神楽ヶ峰(かぐらみね)。ここまでで3時間ほどを要しています。

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そして、ようやく見えた苗場山の本体。

コースタイム片道4時間の長丁場歩いたことがない人は、「ここまで登ったのに、くだってからまた登らなきゃいけないのかよ…」と心をペキッと折られる登り返し。

苗場山_56

嫌なことは続くもので、ぽつぽつと雨が降ってきました。

幸いなことに風が吹いていなかったため、折りたたみ傘の登場。

苗場山_57

神楽ヶ峰から苗場山へ続く道は1時間の道のりです。まずはくだる。

苗場山_58

くだりきったところにお花畑の看板が設置されていました。

まだ7月上旬のためか、白い花(わたすげ?)が点々と咲いているくらいで、まだまだお花畑と呼べるような状態ではありませんでした。

苗場山_59

「ニッコウキスゲ」

黄色い花を咲かせるユリの一種で、高山植物の代名詞です。苗場山と神楽ヶ峰の間にあるニッコウキスゲは、一つしか蕾を咲かせていませんでした。

苗場山_60

いよいよ九合目に到着です。

中ノ芝を越えたあたりからずっとブヨに襲われ続けています。既に何箇所か刺されてしまいました…。

苗場山_61

稜線上から見えた苗場山から西側の展望。

平家の落人伝説が残る秋山郷(あきやまごう)方面でしょうか…。鳥甲山(とりかぶとやま)という苗場山の西側にある山が気になるところです。

苗場山_62

苗場山への最後の登り返し。結構、急でした。

雨が降っているせいで岩が滑りやすく、本来であればゆっくり登るべきなのでしょうが、たちまちブヨに襲われるので一気に駆け上がりました。

苗場山_63

息を切らしながら登りきると、出現したのは雪の絨毯!

苗場山_83

そして、湿原が広がる広大な山頂でした。

その途方も無い広さに呆然です。

苗場山_64

そして、何より嬉しいのがブヨがいない!

どうやら、風が通り抜ける山頂では、ブヨは人間に寄り付けないみたいです。

苗場山_65

小さな湖沼(こしょう)がいくつも点在していて、まるで人工的に作られた棚田のようです。

苗場山_66

恐竜の卵みたい。

苗場山_67

山頂一帯は、湿原を保護するために木道が整備されています。

ちなみに木道にはプレートが張ってあり、設置年月日が記載されています。大体平成21年~23年頃で、ここ最近整備されているようです。

苗場山_68

山頂が見えてきました。

苗場山_69

苗場山の山頂に到着です。

開放的な湿原が広がっているにも関わらず、山頂の標識は樹林帯の中にひっそりと立っていました。

 

苗場山_70

風の通らない場所はブヨに襲われます。

山頂の標識から数十歩にある「苗場山自然体験交流センター」に逃げ込みました。

苗場山_71

苗場山_72

交流センターという名前ですが、いわゆる山小屋です。内装は綺麗でした。

休憩料は300円です。

苗場山_78

ブヨの猛攻から逃れられて、お昼を食べることができるのであれば十分安いものです。

苗場山_73

七夕ということで作ったフルーツポンチ!

苗場山_74

紅白のゼリーがちゃんと星型をしています。

苗場山_75

お昼を食べ終え、苗場山の山頂を少し堪能しに行きましょう。

ブヨは山頂にいませんでした。

苗場山_76

苗場山_77

さすがウィンタースポーツの聖地苗場です。

7月上旬だというのに雪の量が半端じゃありません。雨が小降りですが、風が通り抜けるとヒンヤリ涼しいです。

苗場山_79

この広大な山頂に18ホールのゴルフコースを作ったら、絶景を見ながらの爽快なプレイができそうですね。

苗場山_80

苗場山って高山植物で有名な山だと思っていましたが、種類は豊富だけど群生があるわけではないんですね。

苗場山_81

雪山に迷い込んでしまったようです。

苗場山_82

緑の芝の上に咲くワタスゲがファンタジー。

苗場山_84

さぁ、下山を開始します。

横に長い登山コースですので下山も時間が掛かります。

苗場山_85

はい、下山しました。

上層ではブヨに襲われ続け、下層に来ると突然土砂降りに遭い、写真を撮っている余裕なんてありませんでした。登山を始めて3年目の夏にして買ったレインウェアのボトムスが役に立ちました。

帰路ではブヨに耳と手の甲を何箇所か刺されました。ちなにみブヨは噛んで血を吸うため、耳が血だらけになりました…。

苗場山_86

本日の温泉は、苗場山から降り、国道に出てすぐの場所にある「街道の湯」です。可もなく不可もなくといった温泉施設。

温泉は行った後のコカ・コーラを楽しみに登山をしていると言っても過言ではない僕ですが、自販機で誤ってダイエット・コーラを買ってしまい、15分くらい立ち直ることができませんでした。

苗場山_87

下山時の雨はもの凄かった。登山道が沢に変わっていたし。

そして、この憎たらしいほどの快晴っぷり。

苗場山_88

一向は越後湯沢市街へ。

日曜日ということもあり、温泉街を闊歩している人はおらずガランとしていました。2週間後のフジロックの際には相当混むのでしょう。

苗場山_89

苗場山_90

店の名前忘れてしまいましたけど、うどんすきの店に入りました。素朴な地のものの料理や川魚のお刺身が特に美味しかったです。

うどんすきは2人前でも量がもの凄くて、野菜を食べ切れませんでした。

みんな白菜残すから、ひとり黙々と食べてた。

苗場山_91

そんなわけで帰路へ。予想以上に長い登山だったので、東京に帰る頃には22時を回ってしまいました。

最寄り駅まで運転してくれたSakuさんには感謝です。

苗場山登山を終えて

七夕の苗場山。

この旅で残ったものは、良き思い出と痒みでした。

翌日から2日間は腫れが残り、それから1週間は痒みがひどかったです。風呂上りの体の血流がよくなっているときに痒みがぶり返します。

ブヨやべぇ。

虫除けネット 蚊帳 釣りやアウトドアに

なぜ人にこの商品を勧めておいて、自分が買わなかったのか…。これほど後悔したことはありません。

プレイステーションが発売した当時、「あんな○とか△のボタンのコントローラーのゲーム機なんて売れるわけねぇし」と心で思いながら、面白半分で他の人に「あのゲーム機絶対くるから!」と勧め、自分はセガサターンを買って、のちのち後悔した経験を生かせてない。

6月から8月に苗場山もしくはこの周辺の山域に行くことがあれば、この防虫ネットは買うべきです。

来年、自分は600円で買った防虫ネットを山頂に大量に持っていき2000円で売ろうかと画策中です。

苗場山_92

と、ブヨの被害届けをどこの役所に出せばいいのか調べ中ですが、苗場山はとても良い山でした。

これほどのスケールを持つ山頂はなかなか無いでしょう。山頂湿原は見事で、日帰りだと十分に回ることができないのが残念です。登山用のロープウェイが運行して、山頂に1時間程度で到達できるようであれば、谷川岳や尾瀬に匹敵する観光名所になりそうです。開発されないところに登山者にとってのメリットがあるわけですが。

ブワァーと高山植物が咲き乱れる山ではありませんでしたが、その種類は豊富で、新しい花を見つけるのが楽しい山です。

ブヨがいなければ…。

苗場山の地図はこちら

山と高原地図 16.谷川岳 苗場山・武尊山 2013

【上信越】越後駒ヶ岳 日帰り登山 ~ 稜線の果てに待つ緑、魚沼を堪能した夏の終わりの旅

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越後駒ケ岳_01

新潟県の越後駒ヶ岳(えちごこまがたけ)に行ってきました。標高は2003mあります。

甲斐駒ヶ岳や会津駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳など日本各地に「駒ヶ岳(こまがたけ)」の名称が付けられた山が数多くあります。大抵の場合、旧国名を頭に付与して区別しています。越後駒ヶ岳は、新潟県の駒ヶ岳になります。

越後駒ケ岳_02

新潟県は縦に広く、北から山形県、福島県、群馬県、長野県、富山県と5つの県と隣接しています。上は東北の連峰、中に頸城(くびき)山塊・上越国境、下は北アルプスとこれほどバリエーションに飛んだ山歩きができる県は、日本でただ一つ新潟県だけではないでしょうか。

しかし、広く県境上に山を保有しているためか「新潟県の山は?」と問われると今ひとつピンとこないのが難点。山全体が新潟県にあり、越後を冠しているこの越後駒ヶ岳は新潟県の代表の山ような気がします。

2013年の夏は北陸、東北、北アルプスと駆け抜け、越後駒ヶ岳をもって夏山登山の締めくくりとなります。

夏の終わりの旅スタートです。

越後駒ヶ岳

4時14分。

アンダーワールドに迷い込む。

地下水が滴り落ち、赤茶けた証明、青や黄色の蛍光塗料のテープが不気味さを演出していました。このまま、違う世界に連れて行かれるのではないのか。そんな気さえします。

越後駒ケ岳_03

奥只見(おくただみ)

その聞き慣れない地域は、福島県と新潟県の県境あたりの山間部を指します。

関越道を夜のうちに通過し、全く車の通らない山道を抜けました。

越後駒ケ岳_06

枝折峠(しおりとうげ)は、越後駒ヶ岳の一番ポピュラーな登山口です。

観光地化は一切されていないため、日本百名山の駐車場としては規模が小さく、30台前後が駐車できる程度でしょうか。

越後駒ケ岳_04

また、夜は明けきっていません。

濃紺の朝空と黒雲が美しい世界。

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越後三山只見国定公園。

この越後駒ヶ岳と共に八海山(はっかいさん)と中ノ岳(なかのだけ)で越後三山(えちごさんざん)と呼ばれています。

市街地に近い八海山は有名で、日本酒でその名前を知っている人も多いでしょう。

越後駒ケ岳_07

枝折峠からの眺めでびっくりしたのがこれ。滝雲(たきぐも)です。

雲の下には只見湖(ただみこ)があり、水蒸気が雲となる自然現象です。水を入れたバケツの中にドライアイスを入れたように、雲が山の器から溢れ出る光景は感動を覚えました。見たことのない自然現象に出会うと棒立ちになり、モノを考える思考が止まります。

この現象は条件が揃えば見られるようで、三脚を立てたカメラマンが多数狙っていました。

越後駒ケ岳_08

駐車場の裏手にある登山口よりスタートです。

道幅は狭く、人一人分が通れる広さ。

越後駒ケ岳_09

日の出が上がるにつれて、雲が溢れ出す量が一気に増えます。

越後駒ケ岳_10

今回も前回の白馬岳に続いての社畜系旅人のSakuさんに連れられての旅です。

カメラの記録メディアであるSDカードを忘れて絶望していましたが、自分の予備があったので貸してあげると歓喜していました。SDカードは予備を入れるスロットを本体に内蔵して欲しいです。

越後駒ケ岳_11

8月下旬なの標高2000mなので、朝日が登り始める前に登らないとサウナ登山になることは確定です。

ひたすら尾根道になるため、山頂直下の駒の小屋まで水場はありません。その駒の小屋の水場も当てになるとは限りませんけど。

越後駒ケ岳_12

冬季は豪雪になるこの一帯。

背の高い樹木がないため見晴らしは常に良い感じです。

越後駒ケ岳_13

朝日を浴び、黄金色に変化する滝雲。

越後駒ケ岳_14

道幅の狭い尾根道は小さいアップダウンを繰り返しながら山頂まで続いています。

正面に見えるのが本体なのかという疑問。

越後駒ケ岳_15

途中にあった大明神。

開放される日があるんでしょうか。

越後駒ケ岳_16

まぁ、ひたすら代わり映えのしない尾根道が続くわけです。

越後駒ケ岳_17

駒ヶ岳山頂までの道はこのような具合になっており、山頂がかなり遠くに感じることは請け合い。

東京からのアクセスが非常に悪いこともあるので、駒の小屋に一泊するのがスタンダートなのかもしれません。

越後駒ケ岳_18

途中に湿原(みずたまり?)がありました。

上信越の山はたくさんありますが、苗場山や巻機山は山頂がなだらかですが、谷川岳やこの越後駒ヶ岳は鋭い感じがしますね。

越後駒ケ岳_19

化繊の登山服ではなく、昔ながらの天然繊維の服を着た玄人っぽいおじさんが追い抜いていきます。

越後駒ケ岳_20

不思議とねじ曲がった木の形が面白い。

越後駒ケ岳_21

第一高山植物発見。

夏も終わりなので諦めていましたが、道中にこの黄色い花が咲いていました。

越後駒ケ岳_22

越後駒ケ岳_23

百草ノ池。

立ち入れませんが、階段の上から眺めることができます。僅かなスペースの湿原です。

越後駒ケ岳_24

登山道はこのように立派な階段が整備されていて、危険と思われる箇所はありません。

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最新版。

越後駒ケ岳_26

越後駒ヶ岳から南の方角は尾瀬方面。

越後駒ケ岳_27

これはお気に入りの一枚で、山の急斜面で咲き、雲の同じ位置にあることで高山植物らしさが出た。

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そして、長い長い尾根道を歩き終え、いよいよ越後駒ヶ岳の本体に。

アルペン的な広陵とした山肌となり、世界がガラッと変わります。

越後駒ケ岳_30

8月下旬ですが、しっかり雪が残っています。万年雪なのでしょうか。

越後駒ケ岳_31

岩場が続きます。

越後駒ケ岳_32

登山道から続く長い尾根道の果ては、緑の広がる美しい山肌。

越後駒ケ岳_33

思わず走りたくなる登山道である。

越後駒ケ岳_34

岩の露出が多くなるので、道が濡れてる時は滑りやすそうです。

越後駒ケ岳_35

駒の小屋に到着です。

山頂直下にある小屋で、管理人さん一人が

越後駒ケ岳_36

尾根道のコースであるため水場は一切なく、肩の小屋にしかありません。

しかし、この肩の小屋の水場は運が悪いと干上がってる場合もあり、前日に雨が降ると濁ってしまうのだとか。

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肩の小屋内部に潜入。

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小さい小屋ですが、しっかり管理が行き届いているため綺麗です。

片道4時間以上かかるので、宿泊して下山する人も多いそうです。

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小屋正面はベンチがあり、休憩するのにちょうどいよい四角いスペースになっています。

ドッチボールがしたくなりますが、ボールがいくつあっても足りませんね。

越後駒ケ岳_40

小屋を出発し、頂上を目指します。

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コース上一番の傾斜角。

振り返ると今まで歩いてきた尾根道が見え、爽快です。

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今年、何度も見ているコバイケソウがしっかり生えていました。

越後駒ケ岳_43

ハクサンコザクラも咲いていました。

ポンと弾け飛んだような花びらが可愛らしい花です。

白馬岳で見て以来、なかなかレアな花でまさか越後駒ヶ岳に咲いているとは思いませんでした。

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山頂直下は高山植物帯で多くの花が咲いていましたが、8月下旬ということもあり種類は少なかったかも…。

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小屋からの急斜面を登り切ると中ノ岳との分岐点に差し掛かります。

昭和に書かれたであろう看板のフォントに味を感じます。

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ここまでくれば、山頂まで後わずか。

初心者でこの越後駒ヶ岳は絶対にやめておいた方がいいですね。

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尾根の向こうには新潟県の名峰「八海山」。

八海山は近いうちに登ってみたい山の一つです。頂上付近の岩場がいかにも険しさを感じます。

その奥には新潟の市街地が見えます。

この日、中部山岳地帯の天気は今ひとつのようでしたが、新潟特にこのエリア一帯は晴れに恵まれました。

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笹のしげる茂る尾根道を歩き抜けたら待望の山頂です。

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越後駒ヶ岳の山頂に到着です。

山頂は8畳ほどのスペースでそこまで広くはありませんが、360度の大展望。

やはり、正面の八海山に目が行きます。

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何かしらの銅像でしたが名前を忘れてしまった…。

鯛をもたせたら似合いそう。

越後駒ケ岳_51

越後三山縦走。

この無謀なる縦走もいつか果たしたいので、次に訪れるときがきっと来るでしょう。危険なコースが続くみたいですが…。

越後駒ケ岳_52

クラブ○ーリズムの大所帯が到着。

山頂の記念撮影渋滞を回避することができてよかった。

越後駒ケ岳_53

冬は豪雪となる新潟の山間部。

標高2000mの山でも8月下旬までしっかり雪が残っています。新潟はまだまだ開拓するエリアを秘めてそうです。

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山頂到着した直後に湧き上がる雲。

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新潟の市街地。

緑色の大地に見える箇所は水田かな。

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駒の小屋に戻り、昼食をとりました。

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越後駒ケ岳_58

下から湧き上がった雲で、山頂はすっかり覆われていました。

夏場は9時半前までに山頂に立たなければいけませんね。

越後駒ケ岳_59

下山します。

クラブ○ーリズムが前を歩いていると追い抜くのが厄介なので、出来る限り先に出発することが重要。

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青空が見えなくなるくらいに雲が湧き上がる。

越後駒ケ岳_61

長い尾根道のピストンは歩けども歩けども登山口に辿り着く気がしません。飽きてしまったSakuさんは、歩きながら眠りにつく始末。

標高が下がるに連れて、上がる気温が苦痛でなりません。

朝に見えていた滝雲はすっかり上空に登り、隠れていた奥只見湖があらわになっていました。

越後駒ケ岳_62

おたまじゃくしも活動を開始。

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登山道が朝と様変わりし、茂みの中で蛇がニョロニョロ動き、とんぼが飛び回っていました。

正午頃になると一斉に昆虫たちが活動し始め、夏というより秋の印象です。

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最後の最後でにわか雨に降られ、ようやく駐車場に戻ってきました。

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夏の山は天気が変わりやすいことをしみじみ体感。

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汗と雨に濡れた体を洗い流すため、下界の温泉へ。

ユピオという町営のスポーツ施設に併設している温泉によりました。正直失敗でした。内風呂があるだけで、温泉の風情は全くないです。

枝折峠から見えていた、銀山平温泉が正解だったかも。しかし、逆方向。

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施設の庭で、うさぎが飼われていたので鑑賞。まったく動く気配がなかった。

越後駒ケ岳_68

田んぼのど真ん中にあるローソンでポンタと遊ぶ。

暑いだろうに…。

越後駒ケ岳_69

食事処を探しつつ、道の駅に立ち寄り。

冷やしトウモロコシを発見。

甘ッ!!!

こんな甘いトウモロコシ食べるの初めてかも。すぐ近くの畑でとれたてのようです。トウモロコシの採れたてがこんなに美味しいとは…。

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16時を回っていたので、食事処が見つからずサービスエリアで食べようみたいな流れになっていた時、小出インター近くにあった道の駅風施設にレストランの文字が。

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魚沼特産の米をはじめ、野菜やおみやげを売っていました。そして、嬉しいレストラン併設。

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八海山御膳を注文しました。

登ったのは駒ヶ岳だけどな!

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値段は1000円だったかな?

このおかずの量は非常に嬉しい。温泉は失敗でしたが、食事処は大正解。

なにより美味しいお米。魚沼産コシヒカリ。

この後、お米ニキロを購入したのは言うまでもない。

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デザートに抹茶かき氷。

嬉しいことに水ようかんが入っています。抹茶と水ようかんの組み合わせが、合わないわけがありません。

トウモロコシとかき氷で、夏の終わりを堪能しました。

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八海山御膳のデザートも水ようかんでダブるという悲劇。

おなかタプタプです。

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熱い夏を覚ますように、上越国境の山間部をにわか雨が降りました。

日曜日の関越の渋滞に巻き込まれることなく、帰宅することができました。

越後駒ヶ岳の登山を終えて

思い返せば7月初旬の苗場山に始まり、白山、荒島岳、白馬岳、鳥海山、雲ノ平周回、そして越後駒ヶ岳とバリエーションに飛んだ山歩きができました。いずれも食と観光と温泉に溢れ、旅の色が濃い山登りとなりました。

高山植物をテーマに掲げ、名峰を巡ることで、花盛りの夏になりました。

越後駒ケ岳_77

2013年の夏登山はこの越後駒ヶ岳をもって終了。

越後駒ヶ岳は長い稜線の果てに、エバーグリーンな世界が待っています。ガラッと変わる雰囲気にきっと心躍らせてくれるでしょう。

高山植物がピークの7月中旬ぐらいが狙い目でしょうか。

とんぼが食べてくれたのかブヨはいませんが、苗場山同様に湧くらしいので、十分に虫対策を!

【上信越】雨飾山 日帰り登山 ~ 台風の季節が過ぎ去り、緑の終わりを感じる旅

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雨飾山_01

2013年9月23日

長野県と新潟県に跨る雨飾山(あまかざりやま)に行ってきました。標高は1963mあります。

日本百名山の一つですが、一般的な知名度は前回の越後駒ヶ岳と同じく低いように感じます。新潟の県境上にはたくさんの名山がありその内の一つです。

雨飾山_02

「雨を飾る山」

詩的な表現が込められた山の名前で、以前からその優美さから興味を掻き立てられる山でした。初夏に訪れた早池峰山(はやちねさん)とこの山で迷ったことがあり、今年のうちに訪れたいと思っていました。

雨飾山の由来は、雨乞いのために祭壇を山頂に飾り、降雨を祈ったのだとか。

2013年の9月の登山で、夏の終わりと秋の始まりを感じる旅でした。

雨飾山_03

今回はレアキャラであるアダさんとマミさんとみずを連れて、4人で出発しました。

アダさんと新松田という謎の集合地点で合流しました。アダさんはピンクのマーチというかなり攻めているカラーリングの車なので、闇に溶けた駅前でも一発で認識できます。

雨飾山_04

雨飾山の登山口がある日本海にほど近い長野県小谷村は、太平洋側の新松田からまるで反対の場所。

東名高速→箱根裏街道→富士五湖道路→中央道(河口湖線)→中央道本線→長野自動車道→千国街道(糸魚川街道)を移動し、駐車場に到着したのは5時37分でした。

白馬村付近では鹿や猿が飛び出し、山道ではしげみからイタチが覗いてくるなど、ナイトサファリ感溢れるドライブでした。

3連休の最終日ということもあり駐車場はすでに車がいっぱい。台風が続いていたため、皆さん登山に飢えていたようです。

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登山口に雨飾山キャンプ場があります。登山者が前泊するための簡素なつくりでした。

雨飾山_06

毎度のこと寝ずの夜発の弾丸日帰りなので、ゆとりを持った前泊というのは新しい選択肢に加えるべきだろうか。

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雨飾山の登山口はトイレの横にあります。

雨飾山_08

山頂まで3時間半の道のりです。

この黄色い標識は後立山連峰の稜線上で見られます。同じ業者が作成しているのでしょうか。

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入り口からちょっとくだり、樹林帯へと入ります。

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背丈よりも高いすすきが生えていました。

朝露が穂先に垂れていて綺麗です。

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写真では伝わりませんが、登山道右手は大きな川が流れています。

登山道の斜面側からは山の流れ出た沢の水が流れています。

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秋の花という印象のあざみ。

ハーフパンツでいるとこの葉っぱにやられてチクチクするのが難点。

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全体的に植物が大きく、自分が昆虫にでもなってしまったかのような錯覚。

子供の頃「ミクロキッズ」という人間が小さくなって自宅の庭で大冒険をするという映画が好きでした。

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9月下旬にもかかわらず様々な花が咲いていました。

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山頂までの経過がわかる親切設計の標識がありました。

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なぜか2つも。

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早朝の雨飾高原は、非常に清々しい緑に溢れています。

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この場所は、北アルプスでも東北でも見たことのない一風変わった森林でした。言葉ではうまく表現できません。

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赤い実?花?

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お、栃の実。

栃木県は栃の木を県木としていて、学校の樹木や街路樹として身近な存在です。栃の実はとち餅として食べられていますが、アク抜きが非常に手間がかかるのだとか。

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11分の2地点で平坦な道は終わり。

ここからは急斜面との戦いとなります。

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徐々に秋の気配を感じます。

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紅葉のピーク時に真っ赤に染まるらしい雨飾山を是非見てみたいものです。

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今までの平坦なツケを取り戻すように急激な登り。しかし、気持ちよいブナ林です。

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森の雰囲気が見ていて飽きない。

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緑の葉でレイアウトされたかのような看板。

雨飾山_28

ここで長年、構想していた実行します。

大自然の背景を素材として「特撮登山」というジャンルの開拓。

雨飾山_29

国民的ヒーロー「ウルトラマン」

怪獣との戦闘シーンを登山風景に合わせて撮影する極めて斬新な発想であります。人形を自然の中で撮影する人はいますが、特撮は日本広しと言えども自分だけではないでしょうか。

レッドキングはウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」で登場したドクロ怪獣です。性格は極めて凶暴で、赤い血を見るのを好むのでこの名がついたとか。

雨飾山_30

熱中して撮影をしていたら、案の定置いて行かれる始末。

焦って追いかけている時にレッドキング(怪獣)を落としてしまい、5分道を戻る失態。そのまま他の登山者がレッドキング(怪獣)と遭遇したら、長野の地方紙に載ってしまうところでした。

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雨飾山の象徴と呼ぶべき「布団菱(ふとんびし)」が見えてきました。

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ジョワ。

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沢の水が流れる音が聞こえると登山コースはくだりになります。

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荒菅沢に到着です。

9月下旬ということもあり水量はきっと控えめなのでしょうが、溢れんばかりに流れています。

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地図上では水場マークがありますが、この沢の水を組めってことなのでしょう。

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雨飾山の象徴的な景色は、荒菅沢から山頂の眺め。

天に突き出たような岩峰が青空に映えていて、忘れたくても忘れられない景色です。

雨飾山_37

ということで特撮を開始。

不安定な場所でウルトラマンを立たせるのに難儀し、休憩中の短時間で撮影を完了させるのには改良の余地があります。

初代ウルトラマンの放送でレッドキングは2回登場し、2度目の登場時には日本アルプスの山中で激闘を繰り広げました。この薀蓄は果たして登山ブログに必要な要素なのか。

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今は緑に染まっているこの谷があと半月経てば、赤や黄に変化している光景を想像するだけで、次に訪れる理由が生まれた気がします。

雨飾山_39

初対面のアダさんとマミさん。

転げるたびに名探偵コナンに出てくる死体の第一発見者みたいな高い声をあげるマミさんにビビっていました。

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雨飾山は国際標準。

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荒菅沢からは頂上付近まで一気に登ります。

雨飾山_42

赤くそまった葉がところどころに。

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8/11地点。

標高が日本2位の北岳を抜いただと!?横の移動距離ですね。キロ表示にして欲しいですね。

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ナナカマドの葉が徐々に紅葉を開始していました。

雨飾山_45

紫色の花が咲いていました。

何の花だろ?

雨飾山_46

急斜面で岩場の連続です。谷川岳の西黒尾根を彷彿とさせます。

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途中には鎖場や梯子が登場し、危険箇所もチラホラとあります。

雨に振られると滑りそうです。

雨飾山_48

笹平に到着。

ここまでくれば後は横移動だけです。

雨飾山_49

が、ガス…。

荒菅沢から見えていた青空とは一体何だったのか。

雨飾山_50

稜線の向こうに広がるはずだった日本海側の景色もこのような具合。

時折、糸魚川市の田園の緑が見えるかなくらいの景色です。

雨飾山_51

そういうときには足元の植物たちに目をやります。

なんの葉っぱかはわかりませんが、星形に咲いていて面白い。

雨飾山_52

ガスとれないかな…。

雨飾山_53

「ガスが取れた-!」

と思いきやまとめて流されることはなく、笹平の全景が部分的に見えました。

雨飾山_54

死んでいく植物たち。

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というわけで、ガスが晴れないまま雨飾山の山頂に到着です。

4時間かかりましたが、かなりゆっくりなペースで登っていたので、実際はもっと早く到達できるかと思います。

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このガス具合に レッドキングも怒り心頭。

雨飾山からは北アルプス後立山連峰が間近に見える予定だったのですが…。

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募金箱が置かれている山頂ははじめてのパターン。

雨飾山_58

山頂から少し離れたところにお地蔵さんが並んでいました。

昔は登山をして、この場所で一年の作物の祈願を行っていたのでしょうか。

雨飾山_59

山頂は少し混雑気味だったため、沢まで降りてお昼休憩にすることにしました。

雨飾山_60

途中、ガスが晴れて今回一番の景色が見えました。

雨飾山_61

再び尾根をくだります。

ここは、落石の危険があるため慎重にくだります。

雨飾山_62

再び荒菅沢に戻ってきました。

水が冷たすぎて10秒も入っていられません。

雨飾山_63

お昼。

9月17日が誕生日だったので、ケーキを頂きました。

写真を残してくれていたみずが、タンザニアという世界の最果てに飛ばされてしまったので載せられないのが残念。

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帰り際でも特撮を続ける。そして置いて行かれる。

雨飾山_65

雨飾山の一般ルートは基本的にピストンです。

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下山後に雨飾荘の温泉に立ち寄ろうとしましたが、まさかの営業時間外。

15時なのにそりゃないぜ。

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ということで白馬村へ向かう道路沿いにある温泉施設に立ち寄りました。特筆すべき良さはなかったかな…。

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炭酸飲料で口の中をサッパリさせるのは温泉後の様式美と言える。

帰りは中央道ではなく関越道から帰りました。自分が運転していた時に白馬からの国道で渋滞に巻き込まれ、睡魔とギリギリの戦いを繰り広げましたがなんとか通過。

上信越道の東部湯の丸サービスエリアで山賊焼き定食を食べて東京へ帰りました。東部湯の丸サービスエリアの山賊焼きはボリュームがあってお気に入りといことを付け加えておこう。

雨飾山登山を終えて

登山のハイシーズンといえば、7月~10月です。しかし、日本の9月はご存知のように台風シーズン。高山植物が咲く季節は終わり、紅葉にはまだ早い時期になります。山の彩りという面では魅力が一つ下がります。

9月の登山としては、スリルや冒険要素のある岩山が良いのかもしれません。もしくは植物がない火山など。

雨飾山

雨飾山は参照で展望に恵まれない、訪れる時期も中途半端だったということもあってまた再訪するべき山の一つとなりました。序盤の樹林帯、荒菅沢の絶景、スリルのある尾根道、山頂へ続く笹平とコースの充実度は非常に高く満足行く登山でした。

赤く紅葉する雨飾山。

なかなか遠い場所に位置しているので、そう簡単に行けないのですが、次は10月中旬紅葉時期に訪れたいです。


【上信越】谷川岳 雪山登山 ~ 2013年の雪山初め、上越国境のホワイトアウトの旅

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谷川岳_02

2013年12月1日(日)

群馬県と新潟県にまたがる谷川岳(たにがわだけ)に行ってきました。標高は1977mです。

谷川岳はロープウェイが通年運行していることもあり、日本有数の豪雪地帯である上越国境上で貴重な冬の登山ができる山です。

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今回の登山は、2013年の冬から雪山登山を勢いではじめたSakuさんと共に行ってきました。

前日の三つ峠の登山の疲れを引きずりつつ、地震も2013年の雪山登山シーズンイン。

上越国境の雪山を旅してきました。

20131201谷川岳【選】0002

道中は端折り、谷川岳ロープウェイにやって来ました。

冬の谷川岳にこれから挑もうとしている後ろ姿ですが、「そばうどん」と書かれた幟によって台無し感が出ています。

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前日の三つ峠では山頂で気持ち悪くなりゲボしちゃう。帰りが結局22時を回り、出発が明朝4時と睡眠時間がほとんど取れず、久しぶりの雪山登山。

不安要素だらけです。

これが少年漫画の主人公なら逆境を跳ね除けて勝利をおさめるところです。しかし、そんな熱血要素は自分には無に等しい。

谷川岳_03

さて、谷川岳は2012年の秋に一人で訪れています。

その時は、紅葉の美しさに感動しました。下山時に観光客がつくる渋滞でうんざりしました。

谷川岳の記事:【上信越】谷川岳 日帰り登山 ~ 紅葉の西黒尾根を登る、ローカル線で行く男の一人旅

冬に谷川岳を登る人は少ないと思うので、今回の記事はさくっと紹介します。

20131201谷川岳【選】0003

ロープウェイ乗り場へ行く途中、「ロープウェイのりば←」という看板の隣に絵画が飾ってあるのですが…

これから雪山登山に挑むというのに、なんとも精神を不安にさせる抽象的な絵画です。

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Sakuさんは当初、急登でおなじみ西黒尾根からの周回コースを登るつもりでした。

「冬季に初心者が西黒尾根なんか登れない」と言い、諦めさせた。一人で行かせないで正解だった。

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ロープウェイから谷川岳と反対の方角に見えるのは白毛門というやつでしょうか?

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天神平スキー場。

苗場や菅平と比べると非常にローカル感のあるゲレンデです。12月初旬のシーズン入りしたばかりなので、早朝から滑る人も少な目のようです。登山客ばかりが目立つ。

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序盤は登り降りのない、平坦なコースなのでスノーシューを装着してスタート。

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しかし、晴れている。

雪山シーズンインから幸先がいい!というのは簡単に打ち砕かれることになるのだが。

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雪山登山のメッカということもあり踏み跡はバッチリ。

ゲレンデからのびる踏跡を辿れば、自然に登山道に入ることができます。

谷川岳_01

これから向かう山頂は分厚い雲に覆われている。

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12月初旬なのでまだ雪は少ない模様。

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正直スノーシューは必要ないけれど、折角持ってきたのだから使っておこうということでの使用。

道幅が狭く足を取られます。

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関東平野方面は晴々しい。

しかし、谷川岳には雲が覆いかぶさっているので、典型的な冬型の気候。

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冬まで枯れた花びらが残る紫陽花。

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熊穴沢避難小屋。

スキー場から40分ほどで到着です。

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スノーシューは無用の長物となったので、避難小屋内に置いていきます。

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避難小屋で登山コースの半分以上。

しかし、ここからは登りがキツくなるので時間は倍以上かかります。

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スノーシューとストックからアイゼンとピッケルの雪山登山者スタイルにジョブチェンジです。

案の定、アイゼンの付け方を理解していなかったSakuさん。ピッケルの持ち方がなんかおかしい。人形がぶら下がっている次点ですでにおかしいけど。それは自分も一緒なので。

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避難小屋を境にして雲がかかってきました。もはや絶景は期待薄。

20131201谷川岳【選】0016

12月初日ということもあり、積雪が中途半端なため岩が露出して歩きにくい。

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登山者は結構います。

全体的には30人前後は登っていたのではないでしょうか。物好きはいるもんですね。

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ニット帽が暑くてザックにしまう。

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鋭利な角度をした山がありました。

武尊山(ほたかさん)かな?

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ルート上にある天神ザンゲ岩がありました。

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銀行が融資したお金を部下に横流しさせ、個人の借金返済にあてていたことを懺悔しました。

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「この度は誠にッ….!

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「申し訳ございませんでしたァァァァ!!!!」

もう完全に古いネタです。

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谷川岳肩の小屋に到着。

営業はしていませんが、中には入れます。入り口にOL傘が掛かっていましたが?

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肩の小屋まで来てしまえば山頂はすぐそこ。

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とりあえず、ホワイトアウトしちゃってるのでトレースを見失わないように必至。

必至って感じでは全くないけど。

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ここからは雪庇があるので、なるべく右の斜面には近づかないように慎重に歩きます。

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とりあえず雪を歩くのは楽しい模様のSakuさん。

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Sakuさんは寒がりで自分より2枚ぐらい多めに重ね着をしている。たまにインナーにダウンを着ているが、暑くないのかな。

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稜線は風に吹かれて雪が少ない。

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トマの耳をスルーして、最高峰のオキの耳を目指します。

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谷川岳山頂に到着です。

人の声は奥の方から聞こえるものの誰一人いません。

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この冬はこのポージングが流行していた。

自分だけ。

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何も見えない。

 

谷川岳_04

ということで秋に撮影したものを使い回し。

谷川岳_06

この稜線に雪化粧した姿が見えるはずだった。

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景色も楽しめないし、昼食で山頂を味わいます。

20131201谷川岳【選】0056

山頂は思ったよりも風が強くないため、その場に座り込んでカップラーメンタイムです。

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食後のコーヒーも飲む。

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再び戻って、トマの耳(1963m)へ。

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以上、谷川岳の細かすぎて伝わらないモノマネ選手権でした。

この後、雪庇の上を滑落していきました(ぇ

 

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少し天候の回復を待ちましたが、晴れる気配が一切ないので下山します。

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下山するに連れて増える陽光。

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天神平方面は変わらず天気が良いようだ。

谷川岳_05

 

紅葉の秋は避難小屋からずっと渋滞でした。冬は当然渋滞にくるしめられることなし。

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下山は岩が剥き出しになっている箇所をのぞけばサクッと下れました。

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気温はマイナスの世界なんでしょうが日が指すと普通に汗が出てきて暑い。

避難小屋にてスノーシューを回収しました。

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朝来るときはスノーシューを使用しましたが、下山ではザックにくくりつける。

うん、全然楽だ。

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天神平に到着です。

前日の疲れを引きずりつつもなんとか無事に帰ってこれました。

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最後に雪を全身で感じようではありませんか。

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つめてええええええ。

 

 

 

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「…帰るか。」

 

 

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無事、文明を利用して下山が完了しました。

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折角だからと観光気分で土合駅に立ち寄ってみました。

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秋に訪れた時はここをわざわざ登ったっけ。

谷川岳の登山道は土合駅の地下からはじまっているという伝統を受け継ぐために、一度は経験しておくべき階段です。この日は一段とも降りる気はしないが。

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水上温泉郷はどの日帰り温泉がいいのかわからず、結構離れたところにある温泉にやってきました。

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月夜野をイメージした月の玄関でしょうか。

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綺麗な設備でしたけど、露天風呂が4人でいっぱいになるという狭さでした。

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水上IC近くの「道の駅水紀行館」で遅いご飯を食べました。

売店の横にちょっとした軽食コーナーが併設しています。

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Sakuさんはダムカレーを注文していました。

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ダム決壊!

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自分はもつ煮定食を注文。苦手なものが入っていたので大失敗。

この後は、安定の関越渋滞に巻き込まれての帰京。2日連続の登山ということで助手席で大いびきをかいていたらしく、運転をしていたSakuさんに睡魔を伝播させていたようです。

18時30分に池袋にて重要な案件を抱えたSakuさんは、渋滞で遅刻なるかという瀬戸際。自分と共に道路交通網の穴を探し、無事に集合時間に到着できたようです。

谷川岳の登山を終えて

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冬の谷川岳。

アイゼンの履き方とピッケルの持ち方をわかっていれば、悪天でない限り登れる山だと思います晴天になることが稀ですけど。

今回は視界こそ悪かったものの風が弱かったので、問題なく登頂できました。

次に訪れるときは是非晴れ間を狙って登りたいと思います。

谷川岳の地図

山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 (登山地図・マップ|昭文社/マップル)

【上信越】守門岳 日帰り登山 ~ 東洋一の大雪庇、春の陽気を感じながら白銀世界の旅

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2014年4月13日(日)

新潟県の守門岳(すもんだけ)に行ってきました。標高は1537mあります。

全国的に見て目立つ山ではありませんが、日本屈指の豪雪地帯であるため雪解けが遅く、山頂に形成される雪庇(せっぴ)が有名です。アプローチが長い最高峰である青雲岳は登らず、雪庇が形成される大岳を目指しました。

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冬山の風物詩として、東北の八甲田山、蔵王山にできる樹氷、雲竜渓谷の氷瀑などがあり、その一つである守門岳の大雪庇は冬に見たいものの一つでした。

関東では春が訪れる4月、まだまだ冬の名残がある新潟の山を旅してきました。

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米どころ新潟の春は遅く、4月中旬の水田は凍り付き、雪が残っています。

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久しぶりに地元栃木の友人である「たち君」の協力を得て、深夜の宇都宮を出発し、新潟に到着したのは星空が輝く27時頃でした。

関越道の小出ICを降りたところにある道の駅にて仮眠をし、朝を迎えました。未明の新潟は寒く、寝袋を持ってきた自分は寒さに震えずに済みました。外に出ると肥やしの臭いがたまらない。

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夜明に守門岳へ向け出発。只見線に沿った国道252号から国道290号に進みます。

関東民からすれば4月にこれほど雪景色が残っているのが非日常です。

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前日の宇都宮駅前は花が満開だったというのに。

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登山口までの道が不安でしたが、しっかり看板があったので迷うことはありませんでした。

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守門岳の登山口が近くなると2メートルの積雪があります。

おいおい、これが4月の里の風景なのか。

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道が途切れている場所が、残雪期における守門岳登山口の駐車場となります。

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ここが登山口になります。

除雪された最深部といった方が正しい。

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6時15分登山開始。

自分はスノーシュー、2人はチェーンスパイクをそれぞれ装着。しっかり踏み跡があるため、ズボッと踏み抜くことはありません。

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日が当たり始める。

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橋の下は雪解け水が轟々と流れています。

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スキー跡を辿って樹林帯を進んでいきます。極端に急な登りが2,3箇所ありますが短いので問題なしです。

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明け方の雪は少し硬いためアイゼンが良く刺さります。

それにしても白一面の殺風景なシーンばかりで申し訳ありません。

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そういえば今シーズン、ゲレンデへは一回しか行きませんでした。3回ほど滑ると飽きてしまうんですよね。特にスピードも技も極めるつもりはないので。

「草津のドルフィン」という異名を持っていますが(身内で)、未だにレンタルでボードを借りています。

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展望の良い場所に出ました。

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守門岳の山頂がしっかり見えます。山頂部は真っ白に雪で覆われています。

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振り返ると越後駒ヶ岳や八海山などを代表とする白銀の越後山脈。

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この鋭角さは越後駒ヶ岳だと思われる山。

越後駒ケ岳_41

片道4時間以上歩くけれど、尾根道をずっと歩くのは爽快だった思い出。

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そして、ここからが踏ん張りどころであろう守門岳を目の前にして昼寝。

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緩やかな稜線が続きます。

スキーですいすい滑っていく、スキーヤーがうらやましいと思ったり。急斜面ではこちらのほうが早く動けるので、抜きつ抜かれつ。

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写真じゃわかりにくいですが、日本海が見えていました。

山から海が見えるのは、やはり特別な景色と思える。

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7時46分保久礼小屋(ほきゅうれいこや)

登山を開始して1時間30分で保久礼小屋に到着しました。夏場はここまで車で来られるというのに…。

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保久礼小屋を過ぎると傾斜が一気にきつくなります。

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登るにつれてどんどん展望が良くなってきます。

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8時25分キビタキ避難小屋

すっかり埋もれてる避難小屋。冬期は利用できないのでしょうか。

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そして、避難小屋からは樹林がなくなり遠くまで展望が開けます。

風は少しあるものの春の陽気なので、半袖じゃないと蒸れて汗ばみます。ザックに桜をつけている必要はありません。

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妙に捻れた木は過酷な新潟の天候の表れなのか。

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山頂までの一本道。

真っ白すぎて距離感が全くつかめず、登っても登っても距離が縮まらない錯覚に陥る。

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遮るものが何もない素晴らしい稜線。

この写真を撮っていたら、ポケットのスマホがこぼれ落ちて滑走していきました。焦って追いかけて、ダイビングキャッチで確保したのは良い思い出。

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白く雪をまとった里山が凸凹と続き、海まで続いています。

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冬のアルプスから眺める白い山々とは違う魅力があります。

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人工のゲレンデでは味わえない、絶景を眺めながら滑り降りるのはさぞかし気持ちいいのだろう。自分も車とお金に余裕があれば、バックカントリースキーをやってみたいところです。

しかし、このおじさんヘルメットをしているのに麦わら帽も持ってきている。新潟スタイルか

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そして、斜面左側にお目当てである「大雪庇」が見えてきました。

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崖のある場所に雪が飛び出しているのがわかります。

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GIFでやれ。

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9時50分大岳。

登り初めて3時間35分で守門岳の大岳に到着です。

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山頂を記すポイントは当然ながら雪の下なので、飛び出ていたアーチを山頂と決定しました。

鐘を取り付けるものでしょうか。

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隣の山脈は粟ヶ岳(あわがたけ)

奥にぼんやりと飯豊連峰が見えていました。

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こちらは守門岳の最高峰がある青雲岳です。

青雲岳にも行きたいところですが、コースタイムが3時間以上増えることになるので、残雪期は大岳までが普通らしいです。

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個人的にジャッキーチェン映画ブームが到来していたので、カンフーを取り入れようとするものの、写真では全く伝わらないことに気づく。

一体何がしたいのか。

ポリスストーリーは何回みたことか。

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山頂に誰かが掘った穴が二つあったので利用させてもらいます。

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積雪何メートルあるのやら想像も付かない。これでも例年と比べると雪の量は少ないらしい。

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山スキーの人達は雪庇の近くまで降りてました。

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まるで極地のような風景です。

山頂部には亀裂が入っている場所があり、ここをのぞく勇気もロープもない。

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山頂はひたすら広くて、走り回れる。

4月は空気が霞んでいるので、よりよい眺めを期待するなら3月中旬が良いらしい。

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4月にこれほど雪を残し、7月には全部溶けきるなんて、日本の四季の移り変わりの素晴らしさよ。

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守門岳という全く知識にない山に連れてこられ、大雪庇なにそれという感じのたち君もご満悦の様子。

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山頂を遊び倒し、下山を開始します。

ヒップソリでな!

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助走をつけて滑走開始。

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「・・・。」

 

 

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山スキーで登ってくる人達を横目にヒップソリで華麗に滑り降ります。

「楽しそうですね」とすれ違いざまに笑っていたが、嘲笑なのではないだろうか…。

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二人は徒歩。

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と思っていたら、レジャーシートをソリ代わりに滑っていました。

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樹林帯でもやっていたら、ツリーホールに見事にホールイン・ワンしていました。新しい冬季五輪の種目としてどうだろうか。

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目分量ですが、山スキー70%、登山者25%、ボーダー残り(2人)といった割合。麓の方は平坦なので、スキーの方がやっぱり滑りやすいでしょうね。

山スキーの人達が登り始めるのは、雪がグズグズになってくる8時手前頃でしょうか。

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直前まで天気が不安でしたが、見事晴れてくれて良かった。

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下山時は気温も上がり、汗だくに。

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12時55分下山。

駐車している車のほとんどは、地元長岡ナンバーで他県ナンバーは数台でした。

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守門岳下山後の温泉は「守門温泉青雲館」です。

スキーブームの頃に立てられたんだろうな的なちょっと寂れた旅館で、温泉設備も最低限ですが、一番近いので便利です。

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SLランドとして紹介されていた旅館でしたが、正面に展示されているブルートレインは廃墟そのもの。

老朽化しているので、遊ぶのは不可能なようです。

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温泉を終えて、そのまま帰ってもよいのですが、寄っておきたい場所がありました。

290号を更に進みます。

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やってきたのは道の駅「とちお」。

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駐車場から妙に白い守門岳。

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栃尾は油揚げが名産です。厚揚げに見えますが、油揚げです。

道の駅とちおには、油揚げを屋外で出店しています。列が絶えないほどの人気店。

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栃尾の油揚げは豆腐をそのまま揚げたかのような分厚さが特徴です。お値段は300円ほど。

こちらはネギとかつお節がのった「ネギ付きあぶらあげ」

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こちらはキムチダレがかかった「キムチ油揚げ」。

登山後には肉類が食べたくなりますが、このボリュームさは肉に匹敵するインパクトでした。何より安いし。

都内の居酒屋やスーパーでも見かけるので、油揚げブランドとして成功しているようです。

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栃尾のゆるキャラである「とち丸君」が妙に可愛かった。

栃尾の油揚げはファーストフードとして成り立っているので、表参道で売りに出せば若者に大ヒットするのではないでしょうか。しないか。

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油揚げを食べ終え栃木へと帰ります。

小出ICに差し掛かる手前で見た、越後駒ヶ岳と八海山が並ぶ姿は感嘆の景色です。

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さて、旅の締めとして向かったのは佐野。

そう佐野ラーメンです。

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佐野ラーメンを代表とする森田屋総本店に立ち寄りました。

閉店時間は19時となかなか難易度が高いのですが、15分前に駆け込み成功。

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ラーメンの種類は4種類。無論、大盛りチャーシュー麺を注文。

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「ああ、これでいいんだ」というシンプルなスタイルのラーメンが提供されます。

チャーシュー麺は自分を最後に売り切れになってしまったようで、最後の最後に勝ってしまった。

そんなこんなで、JR小山駅にてたちと別れ、東京へと帰りました。

 守門岳の登山を終えて

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冬は立ち入れない山も、春になれば安全に登れる山はたくさんあります。

今回は残雪期にしか登れない山を楽しむことが出来ました。

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冬の寒さが和らいだ頃、新潟まで守門岳の大雪庇をご覧になってはいかがでしょうか。

春の陽気に圧倒的な白い世界が待っています。

守門岳の地図はこちら

山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 (登山地図・マップ|昭文社/マップル)

【上信越】四阿山 日帰り登山 ~ レンゲツツジの赤と牧場の緑が青空に映える、梅雨の晴れ間の花の旅

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2014年6月15日(日)

長野県と群馬県にまたがる四阿山(あずまやさん)に行ってきました。標高は2354mあります。

四阿山の麓には菅平高原(すがだいらこうげん)があり、夏は冷涼気候でのスポーツ合宿、冬はウィンタースポーツが盛んな土地です。日本百名山の一角ではありますが、周囲の浅間山や草津白根山が目立つためか、知名度は少し低めに感じます。

個人的な見解では縁起の悪い数字「4」を冠する山は珍しいと思っています。三宝山、三峰山、三瓶山また鳳凰三山、白馬三山など縁起の良い数字とされている「3」を冠する山は多い。

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時期は梅雨のど真ん中でしたが、それを感じさせぬ快晴の空に恵まれました。

菅平牧場を起点にして、四阿山と根子岳(ねこだけ)を周回しました。四阿山は6月中旬よりレンゲツツジが開花し、緑の牧場を赤い花の彩りが加わります。

後半にかけて失速気味の旅でしたが、梅雨の合間の青空を満喫する旅になりました。

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何度か一緒しているえきぃとてつろー氏(初対面)の誘いを受け、男3人華のない花の登山になります。

四阿山は都心からは200キロ弱と微妙に遠く、公共交通機関での日帰りは厳しい場所にあります。日帰りの交通手段は車一択となるわけで、てつろー氏がレンタカーを手配してくれました。

集合場所は千葉県だと思っていた東京の葛西(かさい)からスタートします。江戸川区、葛飾区、足立区に行く用事を思いつく人は天才だと思う。

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首都高から関越と思っていたのですが、首都高→東北道→北関東道→関越道→上信越道と5つの高速道路を股に掛ける不思議なルートをナビに案内されました。

スキー・スノボ渋滞が発生する冬季ならわかりますが。

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変なルートを案内された割に登山口のある菅平牧場(すがだいらぼくじょう)に夜明け前の4時半に到着。

外に出ると風があり、肌寒い。

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話を少し戻すと今回のレンタカーというのが、超コンパクトカーのトヨタ「iQ」ワンドアですが「一応」4人乗りです。

トランクは女性用スーツの飾りポケットに等しく、積載量はあってないようなもの。後部座席一つを倒してザック3つを詰め込みました。後部座席の自分は、膝を直角に曲げないと座れないという体制。登山前にして膝が痺れる事態。。

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菅平牧場つつじ祭り開催中。

レンゲツツジで有名な湯の丸山が四阿山の隣にありますが、四阿山もレンゲツツジが咲く山ということを到着してから知りました。嬉しい誤算です。

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牧場の上部がレンゲツツジで真っ赤になっています。

芝の緑とレンゲツツジの赤、色相環でほぼ相対する色なので、異常に目立ちます。

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牧場の牛乳ソフトクリームの幟(のぼり)が立っています。

下山後の頑張った自分へのご褒美が約束されている登山。

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登山口の駐車場から朝日によって朱を帯びる北アルプス。

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標高1300mの菅平高原は気温10度を下回り、寒さに震えながら登山開始です。

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入り口から根子岳と四阿山の分岐点。

どちらを先に登っても良い気がしますが、我々は四阿山から登ります。分岐点の隣にトイレが有ります。

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牧場の朝。

牛達はまだ動き出す前のようで、芝の中で縮こまって寝ていました。

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牧場の道を歩いて行くと四阿山の登山口が…

阿山?

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トレイルランの大会と日程がかち合っていました。

しかし、看板の設置位置が悪くて「」が隠れているのは如何ともし難い。

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序盤は牧場横の樹林帯を歩きます。

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看板文字の落差は一帯なんなのであろう。

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アルプスの少女ハイジのオープニング曲が流れてきそうな、ヨーロッパ・アルプスの牧歌的風景です。

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椰子の木が南国リゾートに来たと思うように白樺は高原リゾートにやって来たという気分になります。

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牧場から離れると鬱蒼とした植物が生い茂るようになります。

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本コースで唯一の沢渡が登場です。

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湿潤な場所に咲くクリンソウの残骸がありました。

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沢を渡り切ると山頂まで3.5キロの表示がありました。

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沢を渡り樹林帯に入ると緑の森に赤い花々。

レンゲツツジの群生に突入です。

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レンゲツツジとはなんぞやということで解説。

  • ツツジ科ツツジ属
  • 有毒植物
  • 花と葉が輪状に並ぶ様子が蓮華(レンゲ)と相似
  • 群馬県の県花
  • 花言葉「あふれる向上心」
  • 名所「湯ノ丸山(長野・群馬)、高原山(栃木)、霧ヶ峰(長野)、赤城山(群馬)など」

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ツツジを漢字で表記すると「躑躅」という非常に画数の多い漢字です。個人的に「髑髏(ドクロ)」と似ているので、「毒があってもおかしくないな」というベクトルが違う解釈をしています。

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牧場のど真ん中に咲いていても有毒性があるので、牛や馬が食べないのですね。

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子供の頃にお母さん牛から「この花と草は毒があるから食べちゃいけないんだモー」と習うのでしょう。

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足元を見るとすずらんが咲いていました。

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高山植物かと思ったけど、至ってどこにでも咲くハルジオンか?

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イワカガミ。

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レンゲツツジの群生を抜けると展望が良くなります。

四阿山から南東の方角に浅間山(あさまやま)が見えます。

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浅間山を南側の佐久・軽井沢方面から見ると独立して見えます。本来の姿はいくつもの山が連なっている連峰なのです。

写真は妙義山(みょうぎさん)から見た浅間山。

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浅間山の火口を見てみると僅かに噴煙が上がっているのがわかります。

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ようやく太陽が登ってきました。

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太陽の光が広がる白樺の森を照らし始めました。

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登山道は熊笹の中を歩く感じで少し地味。

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展望の良い登山道は眼下に菅平の高原リゾートと長野市。

そして、さらに北アルプスの白い山脈。

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梅雨まっただ中とは思えない快晴の空で、空気も澄んでいます。

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北西側に四阿山の次に登る根子岳(ねこだけ)が見えました。

断崖絶壁になっているのは爆裂火口壁だそうです。

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標高1800m付近に差し掛かるとミネザクラが咲いていました。

6月に桜が楽しめるのは登山者の特権です。

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陰になっている道端に残雪がありました。

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後立山連峰はまだまだ雪が溶けていません。

後1ヶ月もすれば、登山ハイシーズンになるというのが信じられない。山も登る観光客というスタイルの自分としては、北アルプスという山岳地帯は頻繁に足を運ばないエリアだったりします。

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山頂間近になってくると傾斜は緩やかになります。

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四阿山より南側、奥秩父や八ヶ岳の山脈の向こうに富士山が顔を出していました。

6月にこの距離から富士山を眺めることができるのは滅多にないのではないでしょうか。

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登山口より2時間半歩き、根子岳と四阿山の分岐点に到着。標識から奥に700m進みます。

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イワカガミの群れ。

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とうとう、四阿山の山頂が見えてきました。

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山頂付近は新緑の芽生え始めでした。

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四阿山の最後は階段でした。

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積み上げられた石壁に守られた祠があります。

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そして、山頂は更に奥です。

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7時26分 四阿山山頂

登山口から2時間40分ほど掛かりました。

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今まで見えなかった山頂より北側の景色。

標高2000m前後の奥志賀(おくしが)の山々が連なります。

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位置的に手前に草津白根山があり、奥に岩菅山(いわすげやま)や白砂山(しろすなやま)等があります。

起伏がなく馴染みのない山域のため、山の判別が全くできない。

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そして、次の目標地点である根子岳。

根子岳は2207m、四阿山は2354mなので150mほど低い。

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山頂に7時という時間帯に余裕を感じる行程であります。

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だらけることこの上なし。

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ともあれ、四阿山を後にして根子岳へと向かいます。

フードをかぶるとねずみ男みたいな服だ。

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分岐点から根子岳へは、1.8キロとなかなかの距離。

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四阿山から根子岳へと向かう道は急勾配であり、針葉樹林の密度が濃い、陽の当たらない登山道です。

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苔蒸しています。

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自分たちとは反対に「根子岳から四阿山」を目指す登山者とすれ違います。

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四阿山と根子岳の鞍部に差し掛かると植生がパッと切り替わりました。

根子岳は熊笹で覆われた緑一色の山。

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四阿山の特徴的な写真として使われる風景ですが、これは根子岳なんだぜ。

左右の展望がよく、風が吹くと熊笹の揺れる音が聞こえます。

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根子岳への登り返しスタート。

「登り返し」というのは、何度経験しても慣れないものです。

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上部まで登ってくると非常に立ち甲斐のある岩があります。

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今度は、四阿山の全貌を捉えます。

根子岳と比較すると見劣りしてしまう外観です。

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この花はどの山でも見ますが、未だに名前が覚えられないでいます。

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ミネザクラがここでも咲いていました。

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そして、本日2座目の山頂に到着です。

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 9時39分 根子岳山頂

山頂の中心には四阿山同様に祠が設置されていました。

根子岳(ねこだけ)ということで猫の構えで集合写真を撮るという安直な考え。

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少し愛嬌のある恵比寿様。

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根子岳の山頂は広く、展望がとても良いです。山の品質的には四阿山より根子岳の方が上みたいです。最高峰の山より、隣の山がメインということはよくあることです。

沖縄みやげのみそクッキーを頂きました。

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横の茂みに蜂の巣があるようで、蜂が飛び交っていて気が気ではありません。

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さて、このとき日本時間10時。

地球の裏側ブラジルでは、ワールドカップの予選リーグ1試合目「日本VSコートジボワール」のキックオフの時間です。

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日本国民が注目するワールドカップ予選1試合目の真っ最中、我々は長野県の根子岳から下山を開始しました。

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ツツジの奥に見える北アルプスの白い山々の風景は、登山のアウェー時期である梅雨に勝利を飾ったようなものです。

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下山路は白樺の新緑が美しい樹林帯。

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白樺の森を埋め尽くすレンゲツツジが見事。

根子岳のベストシーズンであることは間違いないようです。

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再び牧場に戻ってきました。

登山口から根子岳は2時間掛からないため、家族連れで登山を楽しんでいるグループを複数見かけました。

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牧場横にある東屋で、前半日本がコートジボワールから1点先制する朗報を得る。

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根子岳より北西の方向は妙高山(みょうこうさん)でしょうか。

今ひとつ楽しめなかった山であるため、登り返したいと思っている山です。

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牧場にびっしりとレンゲツツジ。

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早朝寝ていた牛達は活発に草を食んでいました。

下山したらお前らから搾り取って出来たソフトクリームを食べてやるからな。

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駐車場が見えてきました。

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黒毛和牛。食べたい。

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ピンクフロイドのアルバム「Atomic Heart Mother」のジャケットを撮りたかったが、うまい具合に振り向いてくれなかった牛。

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11時15分 下山完了。

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登山口にあった看板で知ったトレイルランの大会。

なにやら佳境を迎えているようでした。

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そして、下山後のお楽しみ牧場のソフトクリームです。

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冷蔵庫からパッキングされたアイスを取り出して、それを機械にセットし、レバーを下げる。

スジャータじゃねぇかああああ(怒)

全面的に「牧場のソフトクリーム」と押し出しながらスジャータとは…。訴訟も辞さない事案である。

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そして、ワールドカップの続報。

後半、コートジボワールが投入したドログバの活躍により、2点を奪われ逆転負け。日本はワールドカップ予選1試合目を落としてしまいました。

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下山後になんとも後味の悪い結果です。

牧場の隙間にポツンとあったうさぎハウスで、白兎に慰めてもらいました。

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下山後は「ふれあいさなだ館」という健康ランド的温泉で汗を流しました。

戦国時代に詳しくないのですが長野県上田市は戦国武将の真田幸村ゆかりの地として観光PRしています。「サラダ館」みたいなネーミングはどうなのだろうか。

温泉後は昼食を求めて、上田駅前までやって来ました。

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「上田からあげセンター」

長野県の上田駅と松本駅の2店舗を展開するからあげ専門店。なぜ、長野駅にないのかは不明。松本駅の店舗に2ヶ月後に行くことになるのはまた別の話。

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数ある唐揚げメニューの中から選択したのは、やはり山賊焼き定食。衣は通常の唐揚げより固く、もも肉を使っています。かなりボリュームがあるので、登山で消費したカロリーを補うには十分です。

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ソフトクリームの上書きということで、栗菓子専門店「竹風堂」で栗あんソフトクリームを購入。

渋皮の苦味を上品に表現した逸品でした。ローカル和菓子店は旅の一つ楽しみになるかもしれません。

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昼食を食べ終えて、14時半。東京に帰ってレンタカーを返したら、飲もうということになりました。

上田から東京までは約3時間でしたが、上信越道でまさかの事故渋滞に遭遇。軽井沢付近で、3時間ほどの足止めを受けました。

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渋滞を抜け都内に帰ってきたのは20時過ぎ、レンタカーを当日中に返すことができなくなり、延滞料を徴収されるオチとなりました。

超コンパクトカーの狭さゆえ、渋滞中は苦痛で仕方がありませんでした。

四阿山の登山を終えて

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日本百名山ながらぱっとしない印象を受ける四阿山ですが、根子岳と周回することによって面白さが際立ちます。

更にレンゲツツジ咲く6月中旬がベストシーズンでしょう。

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後半にかけてワールドカップ初戦敗退、牧場ソフトクリームがスジャータ、自己渋滞でレンタカーの延滞料金など外的要因の怒涛の攻めはありましたが、ベストシーズンにおける梅雨の貴重な晴れ間という前半の積み上げを崩されることなく非常に有意義な一日でした。

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再び四阿山に訪れる時期は3月下旬のとなるのですが、その模様は以下のブログを参照して下さい。

社畜ブログ:20150321 四阿山 悠久の展望・消耗戦突入の残雪登山

赤い人のブログ:四阿山、残雪期の百名山登山は日没との闘い

四阿山の地図はこちら

山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山 2015 (登山地図 | 昭文社 マップル)

【上越】平ヶ岳 登山 ~ 日帰り最難関の12時間、赤一色の紅葉と静かな高層湿原の旅

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2014年10月18日

新潟県と群馬県の県境にある平ヶ岳(ひらがだけ)に行ってきました。標高は2141mです。

登山界には日本百名山という一つの指標の山があります。その山の中で、日帰り登山が最難関とされている山です。

登山道が基本的には一つしかなく、コースタイムは往復12時間を要します。自然保護のため、山小屋と避難小屋と言った宿泊施設はなく、幕営も禁止されています。

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日帰り最難関の百名山?コースタイム12時間?

「高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな」という気概はなく、秘境にあってコースタイムが長い山ってどんなのだろうという単純な興味の元に平ヶ岳に登った記録です。

疲労困憊の登山になりましたが、山頂に広がる高層湿原、名物の玉子石、そして想定外の紅葉が待ってくれていました。

晩秋の上信越の秘境、苦労の果てに報われる旅になりました。

平ヶ岳について

平ヶ岳の地図

平ヶ岳地図

平ヶ岳の登山コースは一つだけで、鷹ノ巣登山口から山頂までのピストンです。

コースタイムは登り6時間30分、下り5時間40分の計12時間30分(玉子石含む)の超ロングコースです。山中には山荘も避難小屋もなく、日帰りが基本のとても難易度が高い山です。

※ただし、清四朗小屋に泊まると通称「皇太子ルート」という登りを3時間短縮したルートを歩くことができます。

平ヶ岳のコースタイム

鷹ノ巣登山口(5:58)→下台倉山(8:42)→白沢清水(10:39)→池ノ岳(12:17)→平ヶ岳山頂(12:49)→玉子石(13:47)→池ノ岳(14:34)→下台倉山(16:45)→鷹ノ巣登山口(19:00)

10月下旬は日照時間が短いので、早朝はヘッドランプをつけて朝5時前後には出発することをお勧めします。

残雪が多い山なので、日の長い7月中旬か涼を求めて10月がベストシーズンです。

平ヶ岳登山

出発~鷹ノ巣登山口

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本日のメンバはおなじみのSaku氏とこの秋に登場頻度が多いラブピンクさんの3人です。

10月の3週目は新潟1泊2日の旅と称し、1日目に平ヶ岳、2日目に八海山を登りました。

平ヶ岳(超ロングコース)と八海山(超険しいコース)の2つの山は、人を選ぶため、4人目の出現はありませんでした。

都内を日付が変わった後に出発し、関越道で新潟に向かいます。

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小出ICを降り、国道352号に乗り奥只見(おくただみ)方面に向かいます。

【新潟】越後駒ヶ岳 登山 ~ 稜線の果てに待つ花の世界、魚沼を堪能した夏の終わりの旅
2013年8月25日 新潟県の越後駒ヶ岳(えちごこまがたけ)に行ってきました。標高は2003mです。 甲斐駒ヶ岳や会津駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳など日本各地に「駒ヶ岳(こまがたけ)」の名称...

越後駒ヶ岳以来となる奥只見シルバーラインのスペーストンネルっぷりが男子心を掴む。

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奥只見湖に沿って走る国道352号線は、細いカーブの連続で運転が非常に大変そうでした。

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下道1時間半を経て、ようやく鷹ノ巣登山口に到着。

都内を出て5時間強掛かるため、登山口に到着するだけでも大冒険です。新潟県と福島県の県境上の奥只見というエリア自体が日本の秘境中の秘境です。

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日本百名山の一角ということもあり、駐車場のキャパシティはあります。駐車場にトイレはありますが、その他買い物できる施設は皆無です。

インターを降りてすぐのコンビニ等で物資を買わないとサバイバル登山になるので注意。

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こんな最果ての場所でも路線バスは通っているようです。

福島県方面に進んでいくと桧枝岐村(ひのえまたむら)があり、燧ヶ岳(ひうちがたけ)や尾瀬の登山口があります。

路線バスで平ヶ岳に登っている記録を見たことがないのですが、利用者はいるんでしょうか。

鷹ノ巣登山口~下台倉山の紅葉

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平ヶ岳登山開始

しかし、歩いて数分のところでコンタクトが外れるというハプニングがあり、20分ほど遅延を招き、実質6時20分にスタート。

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序盤は背の高い樹林帯を歩きます。

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10分少々歩くと手書きの看板が設置されている場所から登りが始まります。

達筆風にマーカーで書いているところを想像すると微笑ましい。

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すぐ尾根に出るらしいので期待しながら歩く。

奥の看板に書いてあった山頂まで10.5キロという表示は目にしなかったことにする。

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徐々に低木になってきて、展望が良くなっていきそうな雰囲気が出てきました。

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新潟か福島かよくわからない山からの御来光です。

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徐々に明るみになる山肌。

気のせいか山全体が真っ赤に染まっている気がする。

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10月3週目土日の天気は完璧な秋晴れとなり、今日の長い一日に相応しい天気を用意してくれました。

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平ヶ岳の「」からくる印象は名ばかりで、急な登りが続きます。

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駐車場の標高は840m、山頂の標高は2141mあり、標高差は1301mもあります。

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先週登った男体山より標高差があるってどういうことですかねェ。

【栃木日光】男体山 日帰り登山 ~ 関東を埋め尽くす雲海、巡り合わせの紅葉の旅
2014年10月12日 栃木県の日光男体山(にっこうなんたいさん)に登ってきました。標高は2448mです。 日本を代表する霊山で、麓には二荒山神社があり、山全体がご神体とされていま...

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双耳が特徴的な山が見えてきます。

尾瀬の名峰である燧ヶ岳(ひうちがたけ)です。先週の武尊山男体山、そして平ヶ岳と燧ヶ岳を囲むように登っています。

燧ヶ岳とは因縁めいたものを感じます。過去に同じ尾瀬に属する至仏山会津駒ヶ岳からも燧ヶ岳を眺めています。

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燧ヶ岳をアップしてみると前日に降雪したらしく、山頂付近が白くなっていました。

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紅葉がものすごいんですけど。

平ヶ岳は高層湿原が見どころの山だと思っていたので、紅葉する山という認識が全く無かったので、圧倒的な紅葉に驚きました。

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赤一色。

栗駒山那須岳も赤がメインの紅葉の山でしたが、密度の面でいうとこちらの方が上です。

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ロープが設置されていましたが、登りにおいては必要はありませんでした。

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太陽の光が当たりだすと紅葉の彩りが際立ちます。

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痩せ尾根が徐々に開始され、道幅の狭い岩の上を歩きます。

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道幅1mもない痩せ尾根が続きます。

足を滑らせたら、怪我はしそうなので慎重に。

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竜の背を歩いているような細い尾根道がずっと続いています。

これが歩いても歩いても進んでいる気がしないという…。

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平ヶ岳はずっと先に控えている山ですが、この紅葉だけ見て帰ったとしても申し分ない充足感がある。

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燧ヶ岳は尾瀬から見ると三つの峰があるように見えますが、平ヶ岳方面からは筑波山のように整った双耳峰に見えるのが面白い。

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開始1時間未満でこれとは…キラーチューンな山です。

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凄いところを歩いているな。

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これを撮影するSaku氏は…

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結構遠くから狙っている。

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「おいおい、なんだこの冗談のような紅葉は」

栗駒山や那須岳のような鮮明な赤に対して、くすんだ感じの赤色です。

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前者はナナカマドの締める割合によるものかな。

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平ヶ岳の前衛峰で下台倉山が見えてきました。

紅葉の山として単独で登っても楽しめるが、いかんせん交通の便が悪すぎることから、平ヶ岳に登らなくちゃという精神が生まれてしまうわけで…。

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一度に樹林帯に下ってから、登り返します。

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紅葉の名峰として台倉山を名に連ねてもいいと思えるぐらいに凄まじかった。いかんせん、名前が地味だが。

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8時42分 下台倉山

登山口を出発して、2時間20分ほど掛かりました。思わぬ絶景に足を取られつつもコースタイム通りでした。

鷹ノ巣登山口~姫ノ池

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下台倉山からは燧ヶ岳を正面に見ながら、平坦な道が続きます。

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おにぎり担当のラブピンクさんによる朝食のおにぎりで平ヶ岳に向けてのエネルギーを蓄えます。

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下台倉山から台倉山までは片側が開けた尾根道です。

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平ヶ岳より北部は越後の山々。

クジラのようなシルエットの山は明日登る八海山かな?

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台倉山からの道は全く記憶に残っていないくらい退屈な道でした。樹林帯かつほぼ平行移動、睡眠不足により意識を朦朧とさせながら歩いていました。

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樹林の隙間から高山帯の雰囲気が漂う平ヶ岳の山頂が見えてきました。

と、同時に感じる絶望的な距離感。

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10時39分 白沢清水

樹林帯の中にポツンと看板が設置してありました。

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「5時間以上かけてきて、何でこんな樹林帯歩かなきゃいけないんだよ」

と、いつものように弱音を吐きまくる男衆に対し、ラブピンクさんによるカラオケやらあの手この手で眠気を飛ばしてもらいます。

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ラブピンクさんは長ズボンが暑かったようで、上着のフリースをスカート代わりに巻いてました。

登山道のど真ん中で着替えるワイルドさ。

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白沢清水を越えると登りが始まり、森林限界を越えます。

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熊笹の開放感あふれる登山道は上信越の山らしい登山道です。

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登るにつれてうっすらと雪が積もっていました。燧ヶ岳同様に平ヶ岳でも前日に冠雪したようです。

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長い、長い道のりでした。

最後のコメツガが鬱蒼と茂る場所を抜けると…。

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12時17分 池ノ岳

景色が一変。

草紅葉と池塘の高層湿原の世界が広がります。

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池ノ岳の姫池は標高2000m付近に位置しています。

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平ヶ岳は中央分水嶺になっており、平ヶ岳に降った雨水は、日本海と太平洋のそれぞれに流れます。

雨の降った地点によって、水が辿る物語が変わってくる。分水嶺はロマンだ。

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前日は雪の降る気温だったため、12時を過ぎても池の表面が凍っていました。

山頂高層湿原~玉子石

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6時間も登りに掛かり大変でしたが、報われる風景です。

ただ、山頂はここではないので、もうひと山登らないといけません。

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樹林帯には雪が3~4センチほど積もっていました。

平ヶ岳は7月の頭に山開きをして、11月には根雪が積もるため、登れる期間が4カ月しかありません。

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雪が微妙に溶けて、泥が嫌らしかった。

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平ヶ岳方面はまた高層湿原の木道に変わり、燧ヶ岳を再び眺められるようになりました。

燧ヶ岳から見た平ヶ岳はきっとわかりにくいんだろうな…。

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湿原をのぞいてみるとちっこい苔が蒸していました。

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木道を進んでいくと分岐点に到着です。

正面は積雪量を測るポールが立っているだけの場所です。山頂は右を進みます。

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分岐から右へ曲がること20mほど。

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12時49分 平ヶ岳山頂

樹林帯に囲まれた展望なしの地味な山頂があった。

山頂だけ樹林帯の山という逆転現象が起きている山は意外とある。自分の知る限りだと大菩薩嶺、苗場山、会津駒ヶ岳、八幡平、恵那山など。

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地味な山頂ではあるが、スルーはせずやることだけはやっておく。

こういう山頂は広角レンズの威力が発揮される場所です。

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姫を持て囃す感じで。

山頂は群馬県でもありますが、新潟から進入しているので、群馬の山という意識は薄い。利根川の源流の山ということで地理的には重要ですが。

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タイムリミット(日没)の危機感を徐々に感じ始めてきたので、山頂を足早に去ります。

山頂手前の湿原からの眺めは抜群で、尾瀬から福島県と栃木県の山々を望むことができます。

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平ヶ岳のシンボル的な存在である「玉子石」がある場所を目指します。

多少の上り下りがありますが、山頂は平です。よく考えたら上越国境の山(三国山脈)の一つであるので、この呼び名は正しい。登山道の途中までは平ヶ岳ではありませんから。

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山頂から玉子石に向かう道は沢が流れていました。

晩秋だというに標高2000mを流れる沢に感動を覚えます。日陰は木道に雪が固まっていて、滑りやすく慎重に歩きました。

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これだけ広く、水場もある山頂なので小屋の一つでも…と思うのですが、人工物がない山頂というのが平ヶ岳の魅力なのかも知れません。

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13時47分 玉子石

平ヶ岳を象徴する景色です。

風化して、崩壊の危険があるから触らないで下さいという看板がありました。豪雪地帯の過酷な環境に耐えているんですね。

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本日はおにぎり係ラブピンクさんのお手製ハロウィンおむすびです。

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山頂に高層湿原が広がっている山は、苗場山や会津駒ヶ岳などもあります。

高層湿原に玉子石というインパクトあるオブジェによって、平ヶ岳のアイデンティティが確立されているといってもいい。

平ヶ岳下山~宿泊

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山頂に時間をかけ過ぎて、さらなるタイムリミットへの危機感を覚え始めたので、下山を開始します。

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冒頭で日帰り最難関と言いましたが、山頂まで最も時間のかかる山は北アルプスの水晶岳です。往復時間は20時間に及ぶのだとか。

しかし、北アルプスは山小屋が充実しているので、日帰りする必要はないというのが決定的な違いです。

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姫ノ池に戻ってきました。

ぐるっと山頂を回っている間に、氷は解け、風に揺れ波打っていました。

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さて、これまた気の遠くなるような長い下山の開始。

登り返しがないというのが救い。

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まぁ、早く降りようとしろと。

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この日、すれ違った登山者は単独が4~5人、ペアや3人組が4~5組と全体で15人前後しか登っていなかったんじゃないでしょうか。紅葉シーズン真っ只中というのに…。

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中間地点のイタズラに長い樹林帯は、歩いていても眠気でぶっ倒れそうでした。

ラブピンクさん考案の「山縛りしりとり」で難を逃れました。最初は山の名前やトラバース、アイゼンなどの山関連だったのに、「そこに山があるから」とかセリフにまで発展していて、ルールは崩壊し無法地帯となっていました。

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16時45分ごろに下台倉山に戻ってきて、そこからはヤセ尾根の斜面を下り始めました。

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夕陽が山の斜面に隠れる前に一瞬見せた色合いは忘れられない紅葉でした。

18時頃に完全に日没となり、ヘッドライトを装着。

ヤセ尾根に神経をすり減らし、ロープが掛かっている場所に苦戦し、人工の明かりなどまるでない、深い闇の中での下山になってしまいました。

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しかし、我々を支えてくれたのは、見渡す限りの満天の星空と愉快な明かりを灯すジャックオーランタンでした。100円ショップで買ったものですが、ここまで役に立つ機会が来るとは…。

19時ちょっと前、無事駐車場に辿りつくことができました。

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張り詰めた緊張感から解放されたラブピンクさんは涙ぐんでいました。2週に渡ってラブピンクさんを泣かせるとはファンに私刑にされてしまうかも。

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下山してからも宿まで結構距離があり、運転するSaku氏は限界を5,6回は迎えていました。後部座席のラブピンクさんは、ダウンを纏いながら体の芯から冷え切り、生まれたての小鹿のように震えていました。

http://ginsenso.com/

満身創痍の状態で到着したのが、魚沼市大湯温泉旅館「銀泉荘」です。

サンジの食事

目に見えてギリギリの状態だった自分たちを見かねた宿の女将さんが、塩むすび作ってくれました。

「ありがてぇ、ありがてぇ」

本場魚沼産の新米で美味しいのは当然なのでしょうが、それ以上を遥かに越える気遣いというスパイスで旨みは段違いでした。

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汗まみれ、そして冷え切った体を宿の温泉で回復させ、第2ラウンドは宿の正面にある居酒屋に移動しました。

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暇そうなおばちゃんが一人で回している店でした。

温泉街にある小さい居酒屋で飲むという行為は普段の登山からするとなく、滅多にないアダルトな旅情体験でした。

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東京から豪雪地帯の新潟に嫁ぎ、旦那は現在他界して一人でやっているという境遇を聞いたりして、少しシンミリする夜でした。

宿に戻るとすぐ床に入り、すぐに眠りにつきました。

明日は新潟が誇る名峰、八海山を登ります。

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平ヶ岳の登山を終えて

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登山を運動やスポーツではなく、旅と捉えている自分は、ここ数年のブログで使わなくなった単語があります。

「リベンジ」、「挑戦」、「コースタイムを巻いて」など。

山はそこにあり続けているだけで、天候を読めなかったり、体力不足や体調不良は自分の責任なわけです。自分に向けての言葉だったとしても旅ではなく、登山というスポーツになってしまうので、使用を極力避けています。

神社仏閣や景勝地を巡るのに「リベンジ」や「挑戦」という言葉は使わないし、敵意を含む言葉を山に向けるのはおかしいなと思っていたりもします。

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観光客的登山者である自分にとって、日帰り最難関と言われるだけあり、道中の長さは厳しかったです。特に台倉山から平ヶ岳に至る樹林帯の水平移動が一番長く感じました。

しかし、序盤の想定外の赤一色の紅葉に魅せられ、山頂に平らに広がる高層湿原に心落ち着き、東京から長い時間をかけて登りに来た甲斐が十二分にある風景でした。

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長く険しい旅になることは間違いありませんが、苦労の果てに報われる山ということは保証できます。

そして、疲労と空腹の極限で食べたおにぎりは人生で一番の美味しさでした。

「平ヶ岳に登りにいかない?」

と誘われ、また訪問となると躊躇してしまいますが、再び登りたいと思える山です。

進化するstk

http://blog.livedoor.jp/zsmstr916/archives/16463403.html

同行したSaku氏の記事も併せてご覧ください。

平ヶ岳の地図はこちら

山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2016 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2016 (登山地図 | マップル)

【新潟】八海山 日帰り登山 ~ 危険極まる八ツ峰縦走、新潟の紅葉と収穫の秋の旅

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2014年10月19日

新潟県の八海山(はっかいさん)に行ってきました。標高は1778mです。

日本でも有数の米所である魚沼市にあり、古くから信仰の山として親しまれてきた山です。日本酒「八海山」でその名前は全国で知られています。

登山道は岩峰が連なる険しく、鎖と梯子が多数ある非常に危険度の高い山です。

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かつてないほど危険な登山道でした。もはや登山道と呼んでいいのか悩むほど。

八海山の核心部である八ツ峰(やつみね)は無数の鎖場の連続で、足のみならず手を使用しなければ登れない登山道でした。

快晴の空の下の色鮮やかな紅葉、西日傾く赤く焼ける紅葉、下山後の秋の味覚である新米と一日を通して秋を満喫する旅になりました。

八海山について

八海山地図

八海山地図

八海山ロープウェイをスタートし、女人堂、千本槍小屋に至ります。そこからは危険個所である八ツ峰を歩き最高峰である大日岳に至るルートです。大日岳を下り、迂回路で千本槍小屋に戻り、往路と同じルートで下山します。

八海山コースタイム

八海山ロープウェイ山頂駅(9:03)→女人堂(10:07)→千本檜小屋(11:05)→不動岳(11:52)→大日岳(13:17)→千本檜小屋(15:25)→八海山ロープウェイ山頂駅(16:20)

千本檜小屋から大日岳、そして迂回路は危険だったため、慎重に歩きました。

 

八海山登山

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八海山の前日は平ヶ岳(ひらがだけ)に登り、魚沼市大湯温泉旅館「銀泉荘」に宿泊しました。

【上越】平ヶ岳 登山 ~ 日帰り最難関の12時間、赤一色の紅葉と静かな高層湿原の旅
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平ヶ岳は日帰り最難関の山、八海山は危険度の高い山ということで、非常にハードな1泊2日の旅でした。

前日の疲れを残し出発~八海山ロープウェイ

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過酷な平ヶ岳から一夜。

ぐっすり寝たおかげで体力は回復…するはずもなく、少し体にダルさを感じながら八海山を目指しました。平ヶ岳の高速ICから90キロというエグい登山口と違い、八海山は市街地側に登山口があります。

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六日町八海山スキー場に到着です。

登山旅行の二日目にロープウェイを利用して登山できるのはありがたい。が、ロープウェイを使ったところで、コースタイムは5時間以上かかるわけですが。

紅葉ピークということもあって、多数の車が停まっていました。

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駐車場から眺める八海山。

中心部がギザギザしているのが、おわかり頂けるでしょうか。「八ッ峰(やつみね)」と呼ばれるピークの連続があります。

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ロープウェイ往復券2000円を購入して、満員のロープウェイに乗車しました。

ロープウェイ山頂駅が紅葉見頃ということで、一番混雑する時期にぶち当たりました。

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10分ほどで山頂駅に到着しました。

標高1165mということで、良い老後を祈願できる場所になっていました。定年退職したら来ないといけませんね。

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素敵なテラスがあったので、くつろいでみる。

麓は日本有数の田園地帯、下山して食べる新米が楽しみで仕方がない。

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八海山のトレッキングガイドマップが書いてありました。

八海山登山口~紅葉ハイキング~女人堂

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八海山登山開始

日曜大工したような鳥居をぐぐって、登山道に入ります。すすきが秋らしさを演出しています。

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序盤は樹林帯です。

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八海山の紅葉の見ごろは例年ですと10月3週目頃がまさになのですが、2014年の秋は冷え込みが早かったため、ロープウェイ駅まで降りてきていました。

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信仰の山ということで登山道にたくさんの史跡があります。

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ブナの黄色い紅葉が素晴らしく、気持ちよいハイキングです。

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平坦な登山道は続き、本当に危険な岩峰が出てくるのかと疑問にすら思えます。

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彩り豊かな紅葉が素晴らしい。

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樹林帯の向こうには鋭角な越後の山々が見えてきます。平ヶ岳や巻機山は山頂が緩やかな山ですが、越後三山は険しい山が多いです。

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4合半の分岐点を通過。

大倉口という登山口の分岐で、ロープウェイを利用しない場合はどれもこれもタフなルートです。

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緩やかな道の先に険しい八海山本体が見えてきました。

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ブナの木一つに緑から黄色、赤と複雑な紅葉。

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池ノ峰から徐々に登りが始まります。

振り返ると八海山が街と近いことを実感する風景が広がります。新潟の山はどこか奥深いイメージでしたが、初めて市街地に近い山を登った気がします。

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女人堂に到着しました。

たくさんの登山者が休憩していました。かつては女人禁制で、女性の修験者はここまでと言ったところでしょうか。

険しさを見せる登山道~千本槍小屋

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女人堂からは徐々に険しい道に変わってきます。

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道は狭くなり、ハイキングコースは終了。岩がむき出しの道になります。

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女人堂から少し歩くと沢があり、秡川という水場があります。

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魚沼山コシヒカリを育む源流と言ったところで、持ち帰って米炊いたら美味しく仕上がるのだろうか。

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水が流れているせいか、部分的に高層湿原のような場所がありました。

 

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振り返ると北西の展望がさらに開け、冠雪した白い山脈が見えました。北アルプスでしょうか。

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薬師岳の直前が長い鎖場になっていて、登山者が渋滞になっているポイントがありました。

沢の水が流れ込んでいるのか、岩の上が湿っていて、緊張感がありました。

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尾根に出ると薬師岳の山頂。この時点で、標高は1653mです。

石像があったと思われる台座があったのですが、折れたのか消失していました。

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尾根に出ると八ツ峰が現れました。

薬師岳からは開放的な稜線になっていて、走り出すラブピンクさん。

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八海山の奥にそびえる山脈が顔を出します。

左が駒ケ岳、右が中ノ岳でしょうか。この二つに八海山を加えて、越後三山と呼ばれています。越後三山縦走ルートという縦走路があります。

八海山から中ノ岳にかけての稜線は、破線ルートなので厳しいんだろうな…。

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千本檜小屋に到着です。

営業小屋で7月から10月まで、素泊まり3500円で営業しているようです。ジュースなどの販売もありました。

八海山避難小屋と隣接しています。

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  1. 地蔵岳(じぞうだけ)
  2. 不動岳(ふどうだけ)
  3. 七曜岳(しちようだけ)
  4. 白河岳(しらかわだけ)
  5. 釈迦岳(しゃかだけ)
  6. 摩利支岳(まりしだけ)
  7. 剣ヶ峰(けんがみね)
  8. 大日岳(だいにちだけ)

上記、8つの峰で構成される八ツ峰。

いずれも山岳信仰のある山でよく名付けられている名前です。険しいルートを想定し、ザックを小屋にデポしました。アタックザックを持っていくと便利です。

鎖場の連続~八ツ峰の縦走

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自分の慰霊碑が立たないことを祈り、八ツ峰の登りを開始します。

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さて、ここからは両サイドの景色を見ながら歩きます。奥地は急峻な地形になっており、古代に氷河で削られたようです。

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市街地側の展望。

山から谷に沿って街が広がっています。奥には横に広がるように低山があり、盆地状になっていることがわかります。

夏期、気温の日較差が少なく、稲の消耗が少なく、良質な米が作られるようです。

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展望を楽しむ余裕なく、厳しい登山道が現れます。

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にきびを押し出したような岩がありました。

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危険箇所の鎖場では渋滞が発生していました。

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危険な山の割に老若男女たくさんの登山者がいました。

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新潟県は南北に長いため、北から朝日連峰、飯豊連峰、越後山脈、頚城山塊、北アルプスと日本一バリエーションに富む登山大国です。

新潟県民は一般登山者のレベルは水準より高いのではという個人的な見解があります。

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一般登山ルートに設置されている鎖やロープは「使った方がより安全」という基準のところがほとんどですが、八海山の場合それは当てはまらず、使わないと登れない。

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小さな花が綿毛になって、新しい季節に生きようとする植物の秋を感じさせてくれる。

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11時49分 地蔵岳

八ツ峰の1/8に到着。

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海老ぞりにて喜びを表現するラブピンクさん。

奥に日本海の海岸線がうっすらと見えていました。

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続いて、不動岳を目指します。

八ツ峰の登山道は非常に狭く、登山者で登る人と下る人で混雑。

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地蔵岳から5分ほどで不動岳に到着しました。

八ツ峰の2/8。

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不動岳から地蔵岳を眺める。

豪雪地帯と急峻な地形で高木が生えない恩恵を受けての展望の良さです。

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不動岳にはたくさんの仏像や燭台、祠、碑が設置されていました。

霊峰八海山が里に暮らす人に親しまれていた証拠です。信仰のある農民が修験者となり、五穀豊穣を祈ったのでしょう。

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多くの登山者は不動岳を登って終了なようで、八ツ峰への登山者はガクッと減ります。

鎖場はここまで来るのに十分あり、ちょっとスリルを楽しむということは達成している。登った後で考えてみると、何度も登っている地元ハイカーにとって、神経をすり減らすこの先の登山道は、何度も行く場所ではないだろうと思います。

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ここからは何度も上り下りの繰り返し。

筑波山や高尾山にこの岩場があったら、鎖か足場が設置されるかもしくは立ち入り禁止になるレベルです。

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不動岳を振り返る。

紅葉が綺麗だなという感想はどこか遠くにフライ・ハイしています。

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五大岳は八ツ峰の地図には載っていなかった。

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高度感が楽しめる登山道。

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落ちたら怪我しちゃう登山道。

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落ちたら死んじゃう登山道。

鎖場の設置のされ方は上部と下部だけが固定されていて、足場は自分で探索しながら降りるといった仕様でした。

【北アルプス】剱岳 テント泊登山 ~ 圧倒的な険しさと美しさ、日本最後の空白地帯の旅
2014年9月7日 富山県北アルプスの剱岳(つるぎだけ)に行ってきました。標高は2999mです。 明治初期頃において、氷河によって削られた峻険な山肌は何人を拒み、日本最後の空白地帯...

個人的に剱岳より難易度は断然上だった印象です。

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剱岳は足がかけられる場所に鉄杭が打ってあったりするので…。

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八ツ峰の3/8の七曜岳

と思われる場所。看板を見つけられなかったOR看板がそもそもなかったOR撮影をし忘れたか。

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七曜とは、今日では曜日の事を示す事が多いが、本来は太陽+月+五惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の事を示す。当時知られてた、天球上で特殊な挙動を示す七つの天体である。

七曜岳の壮大さよ。

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八ツ峰のクライマックスである大日岳が見えてきました。重量感が肌で伝わり、とても迫力ある峰です。峰というよりもはやどでかい岩です。

同時に考える「あんな険しい岩どうやって登るんですかねぇ」という疑問。

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関東はこんな風に登っていくです。

山頂まで命を懸けたデスゲームの幕開け。名酒「八海山」でも景気づけに飲みながら、登ってやろうと思っていましたが、酩酊状態で挑める山ではないのは確か。

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八ツ峰の4/8の白川岳

白川岳の先に5/8の釈迦岳があったはずだけど見つけられず。白川岳のピークが2個あった気がするけど気のせいか?

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白川岳を振り返ると滑らかな姿をしていましたが、どうしてこうなった。

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白川岳~釈迦岳の先にはエスケープルートが用意されています。

ここまでの道中にぶるっちまった人は引き返すのが無難です。どんどん登りの難易度が増していくのが八海山の怖いところ。

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残る峰は3つです。

日陰になっている梯子を登っていきます。

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梯子を登り終えるとほぼ垂直の斜面を登山shが登っているではありませんか…。

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年下で一番イキのいいラブピンクさんを先頭に歩かせて、その画を撮影するスタイルで視聴率の伸びを測る。

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八海山の地質は礫、泥、砂が堆積して出来た堆積岩(たいせきがん)なので、取りつくための天然の岩場があるので、見た目以上には登りやすいです。

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八ツ峰の6/8の摩利支岳

緊張の連続でしたが、残す2つが控えています。摩利支天(まりしてん)は、甲斐駒ヶ岳や御嶽山に存在します。でも「天」がないのは初めて。海の山だから?

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黄葉が岩峰に張り付いて非常に優美な景観です。谷底から眺めたらさぞ綺麗なんだろうな。

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大日岳への最後の道もまた険しさにあふれています。

7/8の剣ヶ峰は標識がなく見つかりませんでした。たぶん、自分たちの奥に見える登山者が立っている場所だと思われます。もう一度来て再確認を取りたいところです。

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下りの鎖場は慎重に足場を探しながら。

荷物を軽くして正解です。一人で来る場合はアタックザックなどを持ってくるのが正解でしょうね。

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大日岳への最後の登りです。見えていた巨大な岩を直接登るというルートにはなっておらず、裏手に梯子が設置されており一安心。

八ツ峰最高峰の大日岳~危険度最高峰の一本鎖

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13時13分 八海山の八ツ峰の最高峰の大日岳

修飾語が多くなりましたが、無事に八海山を登り切ることができました。

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登頂の喜びというより、生還の喜びに近い。

一応解説しておくと、日岳で喜びをしている。

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この二日間で平ヶ岳と八海山の二つの山に登りましたが、それは広義の意味の山数であって、平ヶ岳は4~5の山があり、八海山も8つ以上、たった二日間で10以上の山に登りましたとさ。

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大日岳の山頂は狭く、3組くらいの登山者が休憩に使えるスペースがあるのみでした。

大日岳の先に稜線が続いていましたが、八海山ではない山のようで、今回は登りませんでした。奥に控えるのは越後三山の一角である中ノ岳です。

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ロープウェイを使用しない登山道が見えました。こちらも登ってみたいのですが、なにやら8時間以上かかるタフなルートのようです。

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里では収穫の時期を迎え、最も人の暮らしが豊かになる季節です。

良質な米が収穫できる新潟は江戸後期は東京と同程度の人口になり、明治初期に東京の人口を抜き、全国で一番の人工がありました。

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冬における豪雪の気候と夏まで雪を保存する越後の山々が、日本の成長を支えていたことを身で感じることができるという点で、八海山に登った意義は大きく膨らみます。

というわけで、下山を開始します。

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「えっー!!!?」

大日岳からの下山は想像を絶していました。

ウルトラセブンのアイスラッガーのような岩を一本の鎖で降りなければいけません。

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下り始めの地点から眺める図。

10m以上の鎖場に肝を冷やします。天辺からほぼ垂直に変わる瞬間の足場の捉え方に難儀しました。

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5センチから10センチ台の踏み場しかなく、足場をさぐりさぐり降ります。

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堆積岩ということもあり、脆く崩れないという保証はなく、鎖を握る手に力を入れる必要があります。

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高所恐怖症じゃなくてもビビるわこんな鎖場。

新潟の霊峰は想像以上にぶっ飛んでいました。

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落ちたら死んじゃう。

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いや、落ちたら全身を強く打ち付け、何か所も骨折し、体中が擦り切れ、血と脳漿を流しながら死んでしまう。

とにかく、危険が危ない鎖場でした。

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剱岳は7割~8割の人がヘルメットを着用していたのに対し、八海山ではその比率が逆転していたように思える。

切り立っている一枚岩なので、ヘルメットは視界と感覚を奪うデメリットになりかねないが。

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無事におり切った時は心の底から安堵しました。2014年における瞬間的な危険度最高峰は、ここに勝るものはないだろう。

下り切ったところには慰霊碑が立っていましたとさ…。

意外と危険な迂回路~千本槍小屋

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大日岳から無事下山し、八ツ峰の迂回路を通り、千本槍小屋に戻ります。

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八ツ峰の縦走をしている時にほとんど垂直に切り立っているのにどうやって迂回するんだろうと思っていましたが、その謎が解けました。

かなり下ります…。

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迂回路は笹藪とぬかるみが所々にあったりとで、気が抜けませんでした。

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ああ、紅葉が綺麗だなー。

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垂直に切り立った八ツ峰の下部までやってきました。

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そして、平行とは言い難いが平行移動の開始。

細い岩の道を慎重に進んでいきます。

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二日間の疲労がたまり、画的に駄目な歩き方をし始めるラブピンクさん。

迂回路ではありますが、市街地方面の展望が優れています。

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地図上では「日ノ池」、「月ノ池」があると描かれている地点。

形からするとこれは月の池?

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古代ニーガタの民がグンマーの部族の侵攻を迎え撃つために建設した巨大な遺跡と言われても不思議ではない八ツ峰の景観。

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序盤以外はほぼほぼ岩の上を歩くので、足と膝への負担はかなりのものです。

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険しい環境の八海山ですが、水の貯えが意外と良いので高山植物も有名なようです。

7月あたりに訪れるのも楽しいでしょう。

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本線と合流し、千本槍小屋に戻ってきました。

無事、ザックを回収しました。ちなみに飲み物と行動食だけSaku氏に持ってもらっていました。ポーターがいると山は便利ですね。

八海山下山~西日の当たる紅葉ハイキング

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八海山の八ツ峰、非常にインパクトのある山歩きでした。

14時40分を回って、下山開始です。

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別に千本槍小屋からは登山道が簡単になるわけではなく、まだまだ気の抜けない下山が続きます。

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女人堂まで戻ってきました。

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八ツ峰、巻道(迂回路)とも岩場危険箇所あり、滑落は死亡につながる

飲酒者、高所苦手な者、鎖場に不慣れな者、自分勝手な者、そそっかしい者は八ツ峰に登らない

飲酒者が先頭に来ているということは、やはり日本酒の八海山を飲んで登る人が多いのだろうか。自分そそっかしいですから、八海山は登るべきじゃなかったのか。

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陽が傾きはじめ、西日のあたる八海山。

ああ、そういえば紅葉があったんだと気づかされる。

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他の木の養分を横取りしているんじゃないかと思える立派なブナの木がはえていました。

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刻々と変わってゆく、秋の山。

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秋以外のシーズンは朝早いうちに登り終えるのがベストですが、秋に関しては陽が落ち始めくらいに降りると一つの山を2回楽しめますね。

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行きは見落としていた漕池というポイント。モリアオガエルの生息地に立ち寄ってみました。

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低木に囲まれた小さな池で、紅葉を映し出していたのが印象的でした。

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最後のロープウェイまで通じる道は神経をすり減らすような危険個所は全くないので、紅葉を思う存分楽しみながらの下山でした。

八海山下山後温泉~本場魚沼産コシヒカリの新米

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16時20分 八海山ロープウェイ山頂駅

7時間弱のとても密度の濃い山歩きでした。

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ロープウェイ周辺はすすきが自生しているので、これまた良い秋を演出していました。

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夕陽が地平線上どこかの山脈に落ちる寸前でした。

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ロープウェイに乗り込み下山。

最終まであと30分でしたが、紅葉狩りシーズンということもあり、多くの人が夕陽を眺めていました。

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駐車所に戻ると八海山が夕陽に照らされ、赤一色に浮かび上がっていました。

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望遠で見る八ツ峰。

すごいところ歩いてきたんだな…。

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八海山の駐車場を出発した頃にすっかり日没。

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下山後の温泉は「萌気園さくり温泉健康館」に立ち寄りました。

医療法人がやっている温泉施設なのかな?まぁ、値段は安かったのですが、普通の銭湯といった雰囲気でした。

新潟でこれだ!って言う温泉に入ったことないな…。

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六日町駅前に移動し、魚沼釜蔵総本店というローカルかつ地産地消の居酒屋で食事をしました。

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写真はSaku氏が食べた豚丼ですが、究極の親子丼も本場魚沼産コシヒカリの新米ということで、ワンランク上に美味しかったです。

http://tabelog.com/niigata/A1504/A150402/15000415/

本場、コシヒカリの群生地で食べる新米は美味しいな!

メニューにあった新米おにぎりをテイクアウトし、関越に乗って帰京しました。

八海山の登山を終えて

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八海山は緩やかなハイキングコース、スリルのある岩稜歩き、命を懸けるクライミングコースと密度の濃いコース内容でした。核心部である八ツ峰縦走は、おいそれと初心者が歩ける場所ではないことは確かです。現に今まで歩いたどの山よりも冷や汗をかきました。

危険極まる八ツ峰の縦走をせずとも観光客が歩ける紅葉ハイキングコース、初心者の登山者が歩ける道が整備されているので、レベルに見合った登山をすることができます。

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信仰の歴史、人々の暮らしに関わる文化の重要性という点で、日本が誇る霊峰そして名峰の一つであることは疑いようはありません。

登山に関する知識以外、地形や文化などを知っているとより深く山を楽しめるなと、今更ながら学ぶべきことの大切さを知りました。

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平ヶ岳と八海山。

10月の連休、1泊2日で同じ新潟の全く性質の異なる二つの山を登りました。秋晴れに恵まれ、素晴らしい週末になりました。非常に過酷だったけど。

山の秋が深まる10月中旬は上信越は良いです。収穫の秋が旅の原動力になるので、年間スケジュールに上信越の登山を入れておきたいです。

進化するstk

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http://blog.livedoor.jp/zsmstr916/archives/17584708.html

同行したSaku氏の記事も併せてご覧ください。

八海山の地図はこちら

山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2016 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2016 (登山地図 | マップル)

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【上越】平標山・仙ノ倉山 登山 ~ 高山植物の御花畑が彩る広大な稜線を行く、夏山先取りの旅

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2015年6月7日

新潟県と群馬県にまたがる平標山(たいらっぴょうさん)仙ノ倉山(せんのくらやま)に行ってきました。標高は2026mです。

谷川連峰の最高峰で、広大な稜線が特徴的です。6月の雪解けと共に高山植物がいち早く咲き始め、花の名山としても知られています。

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高山植物が6月に咲き始め、山の稜線上で先行して高山植物が楽しめる山、それが平標山と仙ノ倉山だと思います。

広がる空、浮かぶ雲、足元に広がる花、6月初旬にありながら、夏への移り変わりを感じる旅でした。

平標山・仙ノ倉山について

平標山・仙ノ倉山地図

仙ノ倉山地図

  1. 登山ルートは松手山コースで平標山
  2. 平標山から仙ノ倉山の稜線を往復
  3. 下山ルートは平標山から平標山ノ家経由、平元新道で駐車場

登りで使うルートは展望のいい「松手山コース」一択です。

特に理由がない限り、平元新道を登りで使うのはお勧めしません。

平標山・仙ノ倉山コースタイム

平標山登山口(8:42)→鉄塔(9:34)→松手山(10:12)→平標山(11:44)→仙ノ倉山(13:11)→平標山(14:01)→平標山ノ家(14:25)→上信越自然歩道分岐(15:06)→平標山登山口(16:05)

全行程:7時間23分(休憩込)

休憩が1時間と考えると地図に書かれているコースタイムよりは早く歩いていますが、感覚的に休憩挟みまくって、抜かされているので一般的な登山者より遅いです。

平標山・仙ノ倉山登山

平標山登山口へ

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A:奥日光の千手ヶ浜でクリンソウ鑑賞ハイキング~栃木グルメツアー

B:平標山・仙ノ倉山の高山植物鑑賞登山

2択でした。

しかし、6月の梅雨に入ると天気予報がころころ変わり、全国的に曇天模様。AプランにするかBプランにするかという選択で、「決めてくれよ」と全責任を丸投げされました(よくある)

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メンバの意向的にAプランに傾いていましたが、自分の稚拙な経験則からBプランである上信越エリアが晴れそうという結論を元に裁決がなされました。

仙ノ倉

ということです。

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都内早朝集合、関越自動車道の月夜野ICで降り、国道17号で登山口へと向かいます。登山口へは関越トンネルを抜けて「湯沢IC」を降りた方が速いです。Saku氏の車に搭載されているカーナビは、某都知事の発言並みにあてにならないことでおなじみ。

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三国トンネルを抜けると新潟県に入ります。

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冬はウィンタースポーツで盛り上がる苗場スキー場。

看板に「フジロックの森を歩こう」と書かれています。夏は音楽フェスのフジロックの会場になります。スノボも音楽フェスも縁がないので、登山で苗場を訪れるという圧倒的少数派!

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8時14分 登山口駐車場

既に満車状態で停められず、国道から少し離れたとこに停めようと移動。しかし、係のおじさんに「ここに停めていいよ」と案内された場所は、登山口により近い場所でラッキーでした。

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越後湯沢駅からバスが出ているので新幹線利用であれば、都内から日帰りで歩くことも可能です。

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準備をするゆうちゃん。

新キャラクターであるゆうちゃんはこれから度々登場することになるのですが、ネット上での彼は「爽やかな山の写真を撮る自然を愛する好青年」というキャラクターで印象操作されています。

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一輪咲いて 一輪咲いて

その時を待って

明日また咲くために

守ってください

花 平標山

巻機山の登山口でも見た詩の看板を見つけました。サインがないので誰の詩かわかりませんが、新潟出身の作家のものでしょうか。

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登山口には「タニウツギ」がピンク色の花を咲かせていました。低木に咲き、目線の位置にあるので、登山道でとても目立つ花です。

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登山口で6月とは思えない暑さを感じます。

苗場山をバックに開放的な松手山コース

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8時42分 登山開始

人気の山の割に地味目な登山口です。

登山口の標高は954m、平標山は1983mなので、標高差1029mを登ります。決して、簡単な山ではないです。仙ノ倉山を目指すとさらにプラスです。

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クマ出没の看板がありました。

調べてみると結構出没するみたいなので、平日の人がいない時に登る人は注意が必要ですね。

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序盤は樹林帯ですが、冬は豪雪地帯であるため、高木はすぐに減っていきます。

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登山道では春から夏への橋渡しなるツツジが開花していました。

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登山口に咲いていた、タニウツギも咲いています。

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登り開始20分程度ですが、展望が開けてきます。

三国街道を谷として、反対側に残雪がある平べったい山が姿が現れました。

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苗場山(なえばさん)です。

非常に浅い傾斜角の山頂で、ボールを転がしてみたい気分になります。

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気温が徐々に上がり始め、暑くなってきました。セミなどの昆虫の鳴き声がサラウンドで響き、山の上でも新しい一年が始まろうとしています。

コンクリートで固められた街の中では感じることができない体験です。

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見下ろすと苗場スキー場のホテルが見えました。

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9時34分 鉄塔

歩き始めて1時間。登山道中のポイントと呼んでいいのかはわかりませんが、鉄塔の真下を通過しました。

鉄塔の下で凍らせたゼリーを配給。夏の日帰りには必需品です。

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鉄塔を過ぎるといよいよ開放的な稜線になります。直射日光がギラギラと肌に突き刺さり、気分は夏山です。

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苗場山より信州川は雲が多く、平標山の周辺だけが晴れているという「読み」の強さを誇らしげに自慢するも誰も相手にしてくれません。

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10時12分 松手山

松手山コースの半分以上は登ってきました。山頂まではコースタイムで1時間10分ほどです。

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緩やかに伸びる稜線の先に山頂が見えてきました。

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苗場山に向けて、挑発的なポージングを展開するSaku氏。

【信越】苗場山 日帰り登山 ~ 山頂に広がる広大な湿原、ブヨと土砂降りの波乱に満ちた七夕の旅
2013年7月7日 新潟県と長野県に跨る苗場山(なえばさん)に登ってきました。標高は2145mです。 7月7日七夕の日。 この苗場山は登山する山というより、冬はウィンタースポ...

自分と初めて登った山で、ブヨの来襲にひどい目に遭わされた登山でした。

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平標山~仙ノ倉山もブヨが多い山と聞いていたので、警戒していましたが、この時は発生していませんでした。

6月中旬以降に出てくるようです。

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ブヨは人間の周囲に数十匹纏わりつくほか、刺されると痛みが走り、すぐに出血します。痒みが数週間残るので、正直登山どころではないです。

薄荷スプレー、防虫ネットなどありとあらゆる対策グッツを持ってのぞみましょう。

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「ミヤマキンバイ」

代表的な高山植物が足元に見られるようになってきました。

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平標山へ続く稜線は緩やかで優しく、関越道を挟んで存在する谷川岳とは対照的に感じます。谷川岳は氷河に削られた地形であるため、岩が露出して険しい。

【上越】谷川岳 日帰り登山 ~ 紅葉の西黒尾根を登る、ローカル線で行く男の一人旅
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谷川岳は秋に歩いていますが、初夏の時期にも歩きたい。

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太陽の放射線にくらくらしつつも梅雨のジメッとした空気がないため、風が通り抜けると涼しいです。

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「俺たちの夏が始まった!!!」

とかそんな恥ずかしいことを言いながら登っていました。

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快晴の空に飛び跳ねるゆうちゃん。

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笹尾根をじわじわと登り、急な場所がないので比較的楽に登れます。

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少し枯れ気味で元気がありませんが、石楠花(シャクナゲ)が咲いていました。

夏の日差しとハクサンイチゲの群生

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「ヨツバシオガマ」

稜線も上部に差し掛かってくると高山植物の種類が増えてきました。

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山頂に近づくにつれ傾斜がきつくなります。滑りやすい小石ガレ道なのですが、階段が整備されているので安心です。

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「ハクサンイチゲ」

稜線の南側斜面に群生を作っている場所がありました。

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小ぶりな花が山の斜面に群生をつける風景は夏山だなーと思います。

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純白のガク片(花弁ではない)と密集した黄色い雄しべが、目玉焼きのように見えて可愛らしいです。

草地にもこもこと花を咲かせています。この時期の平標山で主役を飾る花です。

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6月は梅雨に入り日照時間が短くなる時期ですが、雨によって花が活性するので、登山するのに一番魅力がある月と思えます。

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地図を見ると真っすぐ登り一辺倒で、樹林帯も沢もないようなコース。中だるみするかと思っていましたが、開放的な登山道がそれを短く感じさせてくれました。

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高度を上げてくると新潟方面の山々が広がります。

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ようやく平標山の山頂を捉えました。

平標山~広大な稜線と一本道~高山植物のお花畑

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11時44分 平標山山頂

登山口を出発して、3時間かかりました。コースタイムは3時間10分なので、登山平均年齢よりは若いことを鑑みるに随分遅いと思われます。

いつものことですけど。

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平標山の山頂は広く、休憩するのは持って来いのスポットでした。

平標山から仙ノ倉山を往復します。片道は55分ほど。

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平標山から仙ノ倉山。

横幅が非常に広い稜線の中、真っすぐな一本道。

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平標山までのコースは新潟県でした。平標山から仙ノ倉山の登山道は、新潟県と群馬県の県境いわゆる上越国境になります。

斜面右手は群馬県の山々、奥に八ヶ岳まで見通せました。

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斜面左手は新潟県。

群馬県の山々と違い、まだ雪が残っている山が多いのがパッと見わかります。

冬は仙ノ倉山~谷川岳の上越国境の山脈が、太平洋側と日本海側の天候差をわけているのが如実にわかります。

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山岳風景ベスト100なるランキングがあるとすれば、上位に選出されてしかるべき風景だと思います。

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思わずザックなど放り投げて、歩きたくなる登山道です。

しかし、仙ノ倉山までは往復2時間かかる道なので、そういうわけにもいかない。

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そして、平標山から少しくだった南側の斜面は広大なお花畑になっています。

ダイナミックな稜線に繊細で可愛らしい花が咲いている風景は、登山者の心を奪っているようでした。

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ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、ハクサンコザクラの3種類で構成されています。

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ハクサンコザクラは子供が好きそうなポップな色合いとシルエットが可愛らしいです。

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ミヤマキンバイの黄色がひときわ目立ちます。

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花が咲いている地面は、藁のような枯れ草です。

隈笹(クマザサ)と言えば生命力が強く、地中に根を繁茂させるため、極寒の地域の雪の下で越冬することができます。ただ、花が咲いている場所は、生命力の強い隈笹は一切生えていません。

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小さい花ですが、隈笹同様にとても生命力の強いのでしょう。植生についての見識がないため、詳細なことはわかりませんけども。

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というわけで、「仙ノ倉山に向かう稜線の平標山直下、南側の斜面」が高山植物の見どころポイントです。

割合的にハクサンイチゲが最も数多く咲いているので、メインはやはりハクサンイチゲです。

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お花畑鑑賞も終え、先を目指します。

アップダウンはそれほどないにしろ、見ての通り長く感じる稜線は、3時間登った後にヘビーだったりするわけです。

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稜線上の石楠花は満開で見事でした。

山で見る石楠花は花が大ぶりで、目を引きます。

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あじさいっぽいけどこの花なんだっけ…。

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東芝ランプ」の看板?がありました。

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デジャビュを感じて、過去の記事を見返してみたら、荒船山で「マツダランプ」という看板を見つけています。調べてみるとマツダランプは現東芝で、その山岳部が遭難防止に設置しているようでした。

微妙に傾いているのは、くだんの件で傾いている表れだろうか。

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平標山から仙ノ倉山は何度かアップダウンが存在します。

丹沢で例えると大倉尾根(バカ尾根)から塔ノ岳に登ってから、丹沢山を目指す感じでしょうか。

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登山道わきには引き続き石楠花が咲いています。

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全体的にのっぺりしてはいるものの、なかなか山頂が見えてきません。

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熊笹の茂る平坦な鞍部は木道になっていて、歩きやすく整備されています。

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熊笹の上を雲が魚の群れのように流れ、影が動き、同じ風景が次の瞬間に別物に変わります。

水槽の中に沈んでいるかのような錯覚。

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後ろ姿からも伝わる社蓄ことSaku氏の満面の笑み。

「登山は至高」→「登山をしてる場合じゃない」→「やっぱ登山最高」→「登山に捧げた時間で違うことに使っていたら…。」→「登山に勝る趣味はないな」

山の天気のように心情が移り変わりが激しい男である。

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そして、仙ノ倉山への最後の登り。

こちらもハクサンイチゲが山の斜面を飾っていました。花の量的には圧倒的に平標山の方が多いです。

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仙ノ倉山の山頂までもう少し。

山頂に近づくにつれ、空の面積が広がる、その一時の爽快さと開放感は写真では伝わらない興奮があります。

谷川連峰最高峰の仙ノ倉山

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13時11分 仙ノ倉山山頂

登山開始から4時間29分も掛かりました。時間のわりに疲れを感じなかったのは、岩場が少なく、緩やかに続く登りだったからかもしれません。

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氷だけを持ってきて、炭酸飲料で乾杯です。

ああ、照り付ける太陽の下で飲む三ツ矢サイダーは悪魔的なうまさだ。

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昼食です。

トウモロコシという容積の半分以上がごみとして残る登山に向いてない食べ物ですが、穀物の持つ甘みが染み渡る。ゆうちゃんが何の脈絡もなく持参してきた赤福は、エネルギーチャージになった。

山頂で食べるカップラーメンは確かにおいしいが、炎天下の中ではその限りにない。

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仙ノ倉山の先に見えるのは谷川岳です。

上越国境尾根ルートはなかなかタフなルートで、避難小屋を利用して一泊で歩いてみたいと思っています。

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山頂は広く、人もたくさん。片道4時間かかるのに大人気です。

雲が太陽を遮り、風が吹くと「一枚羽織ろうかな?」くらいの涼しさが心地よいです。

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方位版がありましたが、新潟県・群馬県の山ばかりでした。

しかし、周囲の山々は雲に覆われており、狙い通りピンポイントで晴れた気がします。

hunter

ってことです。

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さて、ここで時間を見計らい、山頂で後続プランの提唱。

越後湯沢駅の駅前に美味しそうなかき氷屋がある」と告げる。新幹線の停まる越後湯沢と言えど地方の駅なので、ラストオーダーは観光客が帰ってしまう17時30分です。

登山前~登山中で知らせてしまうとプレッシャーに追われることになるので、このへんは駆け引きです。

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仙ノ倉山から下山を開始です。

下山後の温泉に入る時間を加味するに結構ギリギリ、最悪は温泉は後回しでかき氷と言う、緩い雰囲気だった登山が一変、焦燥感がプラスされる。

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平標山に登り返すのが非常に面倒に感じます。

昔は巻道があったらしいですが、面影が残っている程度で封鎖されていました。

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同じ道を通らないという条件は優先度が高いので、平標山から平標山ノ家に向かう周回ルートへと進みます。

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14時25分 平標山ノ家

水場もあり、ジュースの販売もしている立派な小屋でした。

ホームページ:http://www.town.minakami.gunma.jp/20kankou/01nature/files/H28tairappyou.pdf

ホームページがなく、PDF一枚と言うのが何とも。

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テラス席からは平標山~仙ノ倉山を眺めることができます。

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小屋の端っこに縁結の神が祀られていました。

谷川岳や苗場山と比べると知名度は劣る山ですが、いわゆるコテコテの山ガールを見かけたのはこいつのせいかと勘ぐる。

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登山口へは「平元新道」を利用します。

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新道=稜線に出るための最短ルートであるため、見晴らしはなく、見どころもないので、ひたすら無心に下ります。

登りで使用した松手山コースより、傾斜が倍になったんじゃないかと思うくらいに急でした。よほどのことがない限り、登山ルートには選ばないほうが良いです。

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15時6分 上信越自然遊歩道分岐

膝をいじめるような坂道が終わり、上信越遊歩道との分岐に差し掛かりました。かき氷屋とのラストオーダーとプレッシャーが足を速める。

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ここからは平坦な道になりますが、コースタイムは1時間10分ほどとまだまだ先は長い。

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気持ちより樹林帯です。

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植物がでかい気がする…。

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車が通れる舗装道から外れると沢が流れる道になります。

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ラストオーダーへの焦りからか、登山中の和気藹々という雰囲気はなくなり、無言で歩き続けました。

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長かった…。

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16時前に無事駐車場に戻ってきました。

温泉時間も確保でき、かき氷のラストオーダーにも間に合いそうです。

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登山口から10分ほど車を走らせた場所にある「宿場の湯」で汗を流しました。

越後湯沢温泉:http://www.yuzawaonsen.com/index.html

越後湯沢の日帰り温泉施設は、露天がなく、内湯も狭いので、単純に汗を流すだけという印象。まぁ、風情のある温泉に入りたかったら、旅館に泊まれということでしょう。

越後湯沢グルメ堪能~温泉かき氷とうどんすき

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17時11分、何とか営業時間内に間に合いました。ラストオーダーは17時30分。

http://tabelog.com/niigata/A1504/A150404/15001180/

越後湯沢駅前にある「水屋」と言う喫茶店です。

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店内は古い木造建築を生かしデザインされていました。お土産店がメインで、喫茶スペースが設けられています。

お目当ては「温泉かき氷」です。

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雪解け水の温泉水を利用しているらしいです。

硫化水素臭いと思いきやそんなことは全くありませんでした。水素水と同類なのかもしれませんが、それでも「温泉水」と言う珍しいフレーズに惹かれてしまうのがミーハー旅行者の運命(さだめ)。

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味は4種類あり、温泉水コーヒー、イチゴ、梅、黒蜜きな粉。

推されている温泉水コーヒーと永遠の定番イチゴの2派閥に分かれました。

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イチゴシロップをかけたものではなく、ちゃんと果肉の入ったもので美味しい。

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温泉水コーヒーは濃縮された甘いコーヒーシロップをかけて食べます。

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ほろ苦く大人の味でした。

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営業時間の都合で、デザートが先でしたが、食事へと向かいます。

http://tabelog.com/niigata/A1504/A150404/15000126/

うどんすきの「森瀧」は苗場山の帰りにも寄りました。

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登山した後にこってりとした肉と米!みたいなメニューはありませんが、新潟のご当地メニューを安く、ボリューム満点で食べることができる店です。

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岩魚の刺身。

塩焼きは山に向かえば食べれますが、刺身はなかなか食べれません。

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マイタケの天ぷら。

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岩魚の唐揚げだったっけか…。

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そして、メインのうどんすき鍋。具だくさんです。

人数より1人前減らしたくらいが、他のメニューも腹に収まりちょうどいいです。

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新潟特産の辛味調味料である「かんずり」をアクセントもりもり食べました。

以上、越後湯沢駅の食レポでした。

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「自分たちの登っている山以外は曇っていても構わない」とか捻れた発言をする我々(女子のぞく)より、どす黒い発言をするゆうちゃんに「悪のかたまり」とあだ名がついたり、極めて良き大人がする会話ではない内容で盛り上がりました。

極めて順調だった旅でしたが、スキーシーズンでもないのに事故渋滞に巻き込まれしまい、終電で帰れるか怪しくなるハプニングが発生。

世の中の等価交換の仕組みが良くできるのだなと納得する出来事でした。

平標山・仙ノ倉山の登山を終えて

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日本には無数に山があります。

山脈にある一つの最高峰に限らず、大なり小なりのピークが存在します。人が催す年行事とは違い、自然は年ごとに変化をし続けます。当日だけではなく、前日までの気象条件も一因になります。

旅のテンプレートは有限ですが、自然条件との組み合わせは甚大です。

自然の呼吸を感じながら、無限とも思える選択肢の中から最善の一手を追及する。登山の一つの醍醐味かもしれません。

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6月初旬から7月下旬まで、入れ替わりに咲く花が変わるようで、また時期をずらして登りたいです。7月はニッコウキスゲが咲くみたいです。

というわけで、この平標山・仙ノ倉山は最善の一手が決まったと思える一日でした。梅雨突入後の晴れを利用し、高山植物の咲く稜線は、否が応でも夏への想いを巡らす旅でした。

平標山・仙ノ倉山のおすすめ装備

NatureHike(ネイチャーハイク) 蚊よけヘッドネット(収納ポーチ付き) NH152001-F NatureHike(ネイチャーハイク) 蚊よけヘッドネット(収納ポーチ付き) NH152001-F

6月中旬以降はブヨが発生するので、防虫ネットの携帯を強く推奨します。

パーフェクトポーション アウトドアボディスプレー125ml パーフェクトポーション アウトドアボディスプレー125ml

虫よけスプレーも同時に持っていくと良いでしょう。

平標山・仙ノ倉山の地図はこちら

山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2016 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2016 (登山地図 | マップル)

【新潟】苗場山 登山 ~ 高層湿原の別世界は黄金色の草紅葉、快適な秋晴れの旅

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2015年9月22日

新潟県と長野県にまたがる苗場山(なえばさん)に行ってきました。標高は2145mです。

標高2000mの山頂に広がる高層湿原が有名な山で、いくつもの池塘が点在し、特異な景観が魅力の山です。

9月下旬以降になると緑の草原が黄金色変わり、秋色の世界に変わります。

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夏はライブコンサート、冬はゲレンデで名前が一般認知されている苗場ですが、山としての実態を知ることができるのは登った者だけです。日帰りするのは少々コースタイムが長いですが、山頂に広がる唯一無二の風景はここ苗場山にしかありません。

快適な秋のはじまりを告げる高層湿原の旅でした。

苗場山について

苗場山_46

苗場山は2013年7月に一度訪れており、今回は2回目になります。

大量発生のブヨの猛襲により体を刺され、不安定な天気により下山時に土砂降り、と散々な目に遭いました。

というわけで当時は満足したものの、マイナスの印象を払拭したく、再訪したい山の一つでした。

写真は虫よけスプレーを噴射されているシーン。

【信越】苗場山 登山 ~ 山頂に広がる広大な湿原、ブヨと土砂降りの波乱に満ちた七夕の旅
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苗場山地図

苗場山地図

新潟県からアクセスする祓川コース(はらいがわ)を往復しています。

  • 標準コースタイム長め(標準コースタイム:登り4時間5分)
  • 傾斜は全体的に緩く、横移動が多い
  • トイレは山頂までない、水場はある
  • 終盤の神楽ヶ峰から苗場山の登り返しは絶望感あり

コースタイム

祓川登山口駐車場(6:03)→和田小屋(6:28)→六合目(6:52)→下ノ芝(7:19)→中ノ芝(7:58)→小松原分岐(8:14)→神楽ヶ峰(8:25)→富士見坂(8:35)→苗場山山頂着(9:38)→休憩→苗場山山頂発(10:54)→神楽ヶ峰(11:42)→祓川登山口駐車場(13:23)
合計時間:7時間20分

苗場山 登山

秋晴れに恵まて、新潟県の祓川コースから登山

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苗場山の一番メジャーである祓川コースの登山口は、かぐらスキー場にあります。

今回は群馬県にお住いで、SNSを通じて連絡をくれたS藤さんとご一緒しています。ランクルに初めて乗り、興奮しました。

真夜中に群馬から下道で連れて行ってくれました。

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苗場と言えばユーミンが毎年のように苗場プリンスホテルでコンサートをやることでおなじみです。

SURF&SNOW SURF&SNOW

「サーフ天国、スキー天国」を聴き、アゲていきましょう。どちらの要素もありません。

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祓川登山口駐車場(6:03)

苗場山の登山口です。

和田小屋という営業小屋に前泊すると少し上の駐車場を利用でき、登山時間を25分ほど短縮できます。

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背丈を越える笹の中を進んで行きます。

斜面は泥がひどかったので、状況に応じてゲレンデを利用しましょう。

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すぐにゲレンデに合流して、舗装道を登っていきます。

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和田小屋(6:28)

和田小屋のある場所まで来ました。

こちらの標高が1370mあるので、山頂までの標高差は775m。標高差の割りにコースタイムが長いのは、傾斜の緩い横移動が多いからです。

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ファイティングポーズの熊パネルの横が登山口です。リフトが動いていれば、一気に1800m付近までワープできるのに…。

ちなみにサポートタイツを忘れてきて生足です。ブヨのいない時期じゃなくて良かった…。

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ゲレンデは急斜面になっているため、登山道はゲレンデの横にあります。

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樹林帯で展望はありません。近くを流れている白樺沢の音だけが響いています。

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五合半ポイントに到着。

登山道は半合目ごとに看板が設置されています。

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六合目(6:52)

六合目。

1時間ちょっと登山道に変化はありません。

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紅葉をした葉があります。

すっかり秋がはじまっているようです。

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六号半。

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一か所だけゲレンデの作業道路を横切ります。

自然の山道を歩いていると思いきや、見えないだけでゲレンデが隣接しているという微妙な感じです。

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下ノ芝(7:19)

ベンチがあり、休憩スポットになっています。標高は1700mを越えています。

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徐々に展望が見えるようになってきました。

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下の芝を過ぎると徐々に高木が少なくなってきます。9月下旬ですが、ずいぶん紅葉が進んでいます。

【北海道】大雪山(黒岳) 登山 ~ 日本一早い紅葉、紅葉前線のスタートラインに立つ秋の旅
2015年9月18日 北海道の大雪山(だいせつざん)に行ってきました。 9月中旬からはじまる大雪山の紅葉は「日本で一番早い紅葉」として、全国ニュースとして取り上げらえる程の風物詩で...

先週は北海道の大雪山まで足を運び、日本一速い紅葉だ!と言っていたのに…。

赤と黄色に紅葉し始める神楽ヶ峰

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徐々に草紅葉も現れ始め、空の面積が増えてきました。

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木によっては真っ赤に染まっていました。

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中ノ芝(7:58)

前回来たときはこの当たりでブヨに襲われたんだっけか…。デッキスペースがあり、休憩にはもってこいの場所です。

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新潟群馬方面の山々の展望を見ることができます。標高2000m前後で、突出して目立つ山があるわけではない三国山脈~越後山脈の山々ですが、谷川岳、越後駒ヶ岳、燧ヶ岳などはわかりました。

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山の名前が入っていると買ってしまうのむヨーグルト。

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紅葉を見ながら木道の坂道をゆるりと歩いて行きます。

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上ノ芝

芝シリーズの最終地点。

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木道は途切れ、岩場の道に変化してきました。

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小松原分岐(8:14)

小松原分岐に到着です。

新潟県津南町にある登山口から伸びている小松原コースとの分岐です。ロングコースのようですが、小松原湿原など見どころが多そうです。

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分岐からは稜線歩きになります。

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クマザサを切り開いた開放的なコースです。

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前回はこの稜線でブヨにたかられ、耳を噛まれ、流血したっけか…。ブヨは7月下旬から出現するトンボが追い払ってくれます。

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神楽ヶ峰(8:25)

神楽ヶ峰に到着。

かぐらスキー場の元ネタになっている山だと思うのですが、夏場はごらんのように「え?これが山頂なの?」と登山道の一部と言ってもいい場所にあります。

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神楽ヶ峰から少し進むと苗場山の巨大な本体が見えてきます。

神楽ヶ峰から苗場山へは一度下ってからの登り返しになります。神楽ヶ峰まで結構な距離を歩いているので、結構この登り返しに愕然となる人は多いのではないでしょうか。はい、私がそうです。

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富士見坂(8:35)

神楽ヶ峰からは富士見坂と名付けられた坂をくだります。富士山が見えたのかもしれませんが、発見できませんでした。

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かなり遠くに見える苗場山。

しかし、ここで諦めらたら別世界の高層湿原は見れません。心を折らず、前に進みましょう。

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途中に雷清水という唯一の水場があります。キンキンに冷えてとても美味しかった。

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鞍部は平坦で歩きやすくなっています。

帰りに神楽ヶ峰を登らなきゃいけないという現実から目を背けて苗場山へ。

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苗場山への登り返しは雲尾坂を登ります。

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これがなかなかの急坂で、樹林帯の中に階段や時にロープが設置されている程の場所があります。

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下山者と登山者が均衡する場所なのでたまに待ちが発生します。

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上部まで登ってくると先ほどまでいた神楽ヶ峰が見渡せます。

特に特徴はないですね…。

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急坂を登り終えて、いよいよ山頂に広がる高層湿原へ。

小さな湖沼が点在する苗場山の高層湿原は黄金色

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急坂を登り切ると待っているのは高層湿原が広がる別天地です。

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まるでゴルフ場のようです。

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山頂の南西面は奥の奥まで湿地帯が広がっていて、いくつも小さな湖沼(こしょう)が月のクレーターのように点在しています。

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快晴無風の日であったため、波打っておらず完璧な反射をしていました。

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巻機山平ヶ岳、鬼怒沼山、燧ヶ岳会津駒ヶ岳など新潟~群馬~栃木~福島の県境上にある山々は山頂に高層湿原が存在する山が多いです。

その中でも苗場山の広さは一番かと。

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富士見坂から見えなかった富士山が見えました。確証はないけど、たぶん…。富士山との距離は北アルプスの立山より離れているので結構珍しい?

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さて、高層湿原から少し逸れて、苗場山の山頂を目指します。

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苗場山山頂着(9:38)

高層湿原に山頂はなく、樹林に囲まれた場所に山頂碑があります。

【上越】平ヶ岳 登山 ~ 日帰り最難関の12時間、赤一色の紅葉と静かな高層湿原の旅
2014年10月18日 新潟県と群馬県の県境にある平ヶ岳(ひらがだけ)に行ってきました。標高は2141mです。 登山界には日本百名山という一つの指標の山があります。その山の中で、日...

同じく山頂に高層湿原が広がる平ヶ岳も樹林に囲まれています。

苗場山山頂

その山のイメージとかけ離れたところに山頂碑があるというのはたまにあること。登山道の祓川コースは新潟県ですが、山頂は長野県との県境になっています。

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山頂での撮影を終えて、歩いてすぐのところにある苗場山ヒュッテ(苗場山自然体験交流センター)に到着しました。

この山荘は秘湯温泉がいくつもある秋山郷の長野県栄村が運営。

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92名が宿泊できる営業小屋で、水洗トイレになっており、設備が素晴らしいので泊まってみたいです。

飲み物や軽食他、登山バッチの購入が可能です。

トイレ使用料:100円

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ヒュッテで休憩をしたら再び湿原へ。

苗場山の高層湿原は広大で、どこまでも木道が続いています。あまりに広く平らなので、ドローンを飛ばして撮影したくなります。持ってないけど。

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草原に転がった岩石。何となく雰囲気が8月に訪れた山形県の月山に似ているものを感じます。

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ミヤマホタルイヤスチゲと言った植生が稲穂のように黄金色に変色しています。

苗代田のような外観を呈していることから、山名を「苗場山」としたとの説がある

9月から10月にかけて収穫の時期。里の田園も黄金色に染まる時期です。木々の紅葉はまだ先ですが、草紅葉は早いです。

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西側には妙高山などがある頚城山塊(くびきさんかい)と白馬岳などがある北アルプス後立山連峰を見ることができました。後1ヶ月もすれば、雪に閉ざされてしまいます。

あちら側から見た時に苗場山は平らなので判別しやすい。

苗場山_81

7月に来たときは雪田が残っていましたが、秋になると完全に消えていました。苗場山は夏と秋で二回楽しめます。

あの時は曇天と強風で夏なのに寒かった…。

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苗場山神社方面までの道をある程度まで行き、引き返しました。

秋山郷から登る「小赤沢コース」が気になっていますが、秋山郷までのアクセスが本当に大変そう。

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池塘が青空を映し出しています。

日差しは強いけど夏のじりじりとした太陽の熱線は感じません。山の上の空気はすっかり秋でした。

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下山後の予定もあることだし、苗場山の高層湿原を最後の見納めです。秋色に染まる草紅葉を存分に感じました。

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苗場山山頂発(10:54)

神楽ヶ峰の登り返しが待っていると思うと憂鬱です…。山頂は何だかんだ1時間以上ダラダラと過ごしていました。

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2015年は例年より10日ほど紅葉が早い年。今回と同じような風景を求めようとすると、例年10月になってからが適正でしょうか。

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下山中もたくさん登山者が登ってきました。コースタイムが長いので、山頂の小屋に宿泊する選択する人が多いのかもしれません。

高層湿原広がる山頂で朝を迎えるのは羨ましい。

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秋の花であるトリカブトが所々に咲いていました。球根に毒があり、狩猟時代は矢にこの毒を塗ったとか。

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神楽ヶ峰(11:42)

神楽ヶ峰の登り返しが正念場でした。周りにリピーターがいない苗場山の最大のネックがここにあると思う…。

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くだりは同じ道であるため、作業のように進行していきます。全体的に傾斜が緩いので、くだりはサクサクと進めました。

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神楽ヶ峰から1時間弱で和田小屋のあるゲレンデに到着です。

そこからはアスファルトの舗装道をえっちらおっちら歩きます。標高が下がるとまだまだ暑いです。

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祓川登山口駐車場(13:23)

登山口の駐車場に戻ってきました。行動時間7時間20分の骨太な日帰り登山でした。

奥湯沢の秘湯「貝掛温泉」の日帰り入浴

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下山後にどうしても行ってみたかった場所に急ぎました。

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三国街道(国道17号線)から渓谷を渡ったところにある一軒宿の貝掛温泉(かいかけおんせん)です。

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貝掛温泉は鎌倉時代からの歴史を持ち「目の温泉」として知られています。視力が悪い自分として、是非とも視力回復を図りたい気持ちでやってきました。

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日本秘湯を守る会」の提灯がありました。北海道の樽前山の帰りに入ったので2週連続。

日本秘湯を守る会 貝掛温泉
〒949-6211新潟県南魚沼郡湯沢町三俣686
露天風呂のお湯は37度とぬるく、いつまでも入っていられる感じでした。白人家族がずっと入っていました。
日帰り入浴時間は11:00~14:00と短いので、登山後に入るには早出しないと厳しいですね。

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清津川のせせらぎを聞きながら露天風呂が楽しめます。日焼け止めを塗らず、生足を出していたので、足がヒリヒリした。

三大峡谷の清津峡(きよつきょう)はまだ行っていないので行かねば…。

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帰りも下道を利用して、群馬県の市街地まで帰ってきました。

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旅の〆は佐野ラーメンです。

このブログを定期的に読んでくれている人なら「またか…こいつ」と思うかもしれませんが、美味しいのでしょうがない。

田村屋 (堀米/ラーメン)★★★☆☆3.58 ■予算(夜): ~¥999

S藤さんの紹介で「田村屋」にやってきました。

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メニュー。

下山後はやはりチャーシュー麺一択でしょう。

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店内に佐野市のゆるキャラ「さのまる」のイルミネーションが置いてありました。トイレ前に鎮座していてシュールです。

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餃子はもちろん注文。

佐野ラーメン店にある餃子はどこもジャンボサイズです。

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チャーシュー麺が運ばれてきました。

チャーシュー…というより肉塊が6,7個乗っているじゃないですか…。

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スープはサッパリしているが、こってり食べる。これが佐野ラーメン。美味しい店を教えていただき、良かったです。

この後、S藤さんに駅まで送ってもらい、一人東京へと帰るのでした。

苗場山の登山を終えて

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過酷なブヨだらけの苗場山とは大違いで、秋の苗場山はとても快適でした。

登山中はブヨにまとわり付かれて発狂し、数か所さされて流血、痒みが数週間残るという経験をして、苗場山がトラウマになっていました。

天候に恵まれて無事そのトラウマは払しょくできました。

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広大な高層湿原が黄金色に染まる9月下旬ごろ、苗場山登山と言うチョイスをしてみてはいかがでしょうか。

秋だけ田代ロープウェイが利用でき、神楽ヶ峰まで限定ルートを歩くことができるようです。

苗場山に持っていくもの

パフェクトポーション(perfectpotion) アウトドアボディスプレー ハッカ50ml パフェクトポーション(perfectpotion) アウトドアボディスプレー ハッカ50ml

ブヨが発生している7月に行くのであれば、ハッカ入りの虫よけスプレーは必須。

NatureHike(ネイチャーハイク) 蚊よけヘッドネット(収納ポーチ付き) NH152001-F NatureHike(ネイチャーハイク) 蚊よけヘッドネット(収納ポーチ付き) NH152001-F

ハイキング用の防虫ネットも必須。これがないと死ねます。

苗場山の地図はこちら

山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2017 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2017 (登山地図 | マップル)

【長野】高妻山 登山 ~ 紅葉の戸隠牧場から登る険しく長い修行道、秋の味覚新そばの旅

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2015年10月18日

長野県と新潟県にまたがる高妻山(たかつまやま)に行ってきました。標高は2353mです。

戸隠連峰の最高峰であり、日本百名山に選ばれている一座です。知名度は戸隠神社のある戸隠山(とがくしやま)の方が上ですが、奥ゆかしくも存在感のある山です。

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長野市民に親しまれる斑尾山、飯綱山、戸隠山、新潟県の上越地方のシンボルである妙高山などが存在するも、今ひとつ存在感がない高妻山です。

前評判もよくなく、辛い、危険を感じたなどネガティブな印象でした。そういう山にはこじ付けで企画をして行くことになります。

しかし、10月らしい紅葉登山ができ、想像以上に秋を満喫する良い旅になりました。

高妻山について

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本日の登山はヒューマノイドタイフーン(人間低気圧)の異名を持つ「ガス兄」こと「たつ兄」が新車を購入したことに端を発します。

「秋に車で潟の山に登り米を食べる」という登山企画が誕生。

当初は「純」新潟の山である巻機山に登る計画だったが、ガス兄の能力が発動し、巻機山付近の天気が悪くなってしまった。そこで、同じ新潟の山(山頂だけ)で山域が違う高妻山に白羽の矢が立ったという経緯があります。

高妻山地図

高妻山地図

戸隠牧場をスタートし、往路は滝の多い不動避難小屋を経由するルートで山頂へ。下山は弥勒尾根を使用しています。

  • 片道コースタイムが4時間以上と長い
  • 鎖場や滝の横を登るなど前日が雨だと危険度が増す
  • 五地蔵山から高妻山への登り返しは本当にキツイ

コースタイム

戸隠キャンプ場(6:14)→登山口(6:37)→不動避難小屋(8:09)→五地蔵山(9:18)→高妻山着(11:11)→休憩→高妻山発(12:34)→弥勒尾根(13:52)→登山口(15:15)→戸隠キャンプ場(16:08)
合計時間:10時間14分

高妻山登山

朝日を浴びる戸隠牧場のハイキング

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夜中都内に集合し、関越道で長野へ。

長野ICから戸隠神社方面に進んで行きます。高妻山登山者用の駐車場に到着、星空が綺麗に見えていました。

この日は日曜日だったのですが、前日に戸隠キャンプ場のコテージに泊まっても良かったなと思う。

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少し仮眠を取りつつ、起床。

高妻山のコースタイムは長いため、皆さん夜中に到着するようです。

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さて、こちらがたつ兄の新車マツダの「CX-5」です。馬力のあるアウトドア向きSUVです。

が…。

二輪駆動

二駆なんだぜ。それで…」

四輪駆動なのに必要ないと思って二輪駆動にしてしまったたため、「SUVなのに二駆なの?」と周囲からいじられる日々。

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戸隠キャンプ場(6:14)

高妻山の登山口は戸隠牧場(とがくしぼくじょう)の奥にあります。

ここを訪れるのは二度目で、戸隠山に登っているのですが、今一つ展望がなかったので記事にできていません。

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天気は良好なようで、戸隠連峰を朱に染めるモルゲンロートが美しい。

二駆SUVオーナーであるたつ兄の足取りは軽い。広範囲に登山しているたつ兄ですが、新潟と長野の県境である高妻山含む周囲の山は未経験だったらしい。

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しばらく、牧場の中を歩いていきます。

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ようやく、飯縄山?の向こうから朝日が昇り、一日のはじまりです。牧草についた露が暖められて、霞が発生している光景は少し幻想的でした。

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このようなことに時間を費やしているためしているので、早朝出発の意義がなくなる。

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北海道遠征でもおなじみ朝の牧場の雰囲気にSTRONGさんもご機嫌なようです。

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紅葉にはしゃぐ二輪駆動のオーナー。

滝が行く手を阻む断崖絶壁の危険なコース

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登山口(6:37)

穏やかな牧場から脇道にそれるように高妻山の登山口があり、家畜の脱出を防止するくぐり抜けていきます。

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登山道から奥の方に牛がいるのを発見しました。雑木林の中で自由に放牧されているようでした。

社会に飼われ、束の間の自由で登山をしている我々より幸せなんじゃないだろうか。

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慣性の法則に従い登るべき山頂へと向かいます。

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例年ですと10月の3週目は標高2000mくらいに紅葉があると思うのですが、9月の日照不足で下にまで降りていました。

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巨大に伸びた木が多く、高さは5~6階建てのビルに匹敵するほどです。

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牧場の平坦な土地と抜けると登山道に入っていきます。

戸隠山の下山時に利用したので、何となくは覚えているので、この先に待ち構えている危険個所に怯えます。

蟻の戸渡りなどが存在する戸隠山ほど危険はありません。

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木の背が高いため、葉が降ってくるような感覚があります。

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登っていくにつれて、登山道に沿って穏やかな沢が流れはじめました。心地より清涼感です。

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が、しかし穏やかな紅葉ハイキングはここまで、鎖場の登場です。滑滝の横に登山道があります。

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傾斜も出てきて、足を踏ん張らなければ登らない道に変わります。登山道が徐々に牙を剥き始めました。

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山の斜面と言うより、巨大な岩をくり抜いて出来た登山道。このルートで最も緊張感のあるポイントです。

高所による恐怖心が存在しないSTRONGさんが先陣を切り、足場の安定する道を開拓してくれるため、我々は後を追う形で進んで行きます。

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鎖が設置されていますが、沢水が流れ、足場が濡れているので細心の注意が必要です。

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鎖場は続きます。増水時には危険だそうです。

戸隠山を登って、縦走するつもりであると、この道を下山しなければなりません。

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鎖場を終えると水場がありました。

「氷清水(一杯清水)」です。

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Saku兄は山頂で料理をするようで、補給をしていました。

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見下ろすと千曲川の流れる平野部は雲海に覆われていました。高速のインターを降りた時、すっごい濃霧だったのはこのせいか。

一不動から始まる山頂へのカウントダウン

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不動避難小屋(8:09)

避難小屋が見えてきました。

一不動から順に十まで山頂へのカウントしていくのですが、一不動をさっそく見落としたことに後で気づきます。

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ブロックで造り上げられた避難小屋です。泊まるには躊躇する。

利用は天候不良時の緊急的な状況のみ

 

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小屋からは西側の展望が広がっています。

【新潟】苗場山 登山 ~ 高層湿原の別世界は黄金色の草紅葉、快適な秋晴れの旅
苗場山の日帰り登山記事です。9月下旬に訪れて、高層湿原の草紅葉を見に行ってきました。快適な秋晴れの一日となり、黄金色に染まる風景を楽しんできました。下山後は秘湯である貝掛温泉に入ってきました。

先月に登った苗場山のまっ平らな山を眺めることができました。

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避難小屋から高妻山の山頂へは150分と先は長いです(山と高原の地図では180分)

一不動から高妻山の中間地点にある五地蔵山が直近の目標ポイントです。

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東側に北アルプス後立山連峰の稜線が見えました。

白馬岳より緯度が高いこのエリアですが、いかんせん森林限界を越えていないので、アルペン的な雰囲気がないです。

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正面にそびえる飯縄山(いいづなやま)が目立ちます。冬に訪れていますが、なかなかの絶景で楽しませてくれました。

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飯綱山から見た高妻山は鋭く尖っていて、とても風格のある山容をしています。別名「戸隠富士」と呼ばれているのも頷けます。

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「二釈迦」

既に一不動を逃しているので、企画倒れ感はありますが、十までカウントしていきます。

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進行方向の右側が切れ落ちた登山道です。ゆっくり歩けばそれほど危険はありません。

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「三文殊」

指が2になっているが、細かいことは気にしない。

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そして、見えてきました高妻山の本体です。

「最後の最後にきっつい登りが待っているな」と匂わせる鋭角な山体です。

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振り返ると富士山のシルエットが薄っすらと見えていました。日本海側の山から見える富士山は希少価値が高いです。

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高妻山までの間にまず五地蔵岳を登らないければなりません。

紅葉はだいぶ降りてしまって、尾根上では枯れていますが、ピーク時に歩いたら幸せになれそう。

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「四普賢」

仏教的な何かに基づいているのですかね…。

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五地蔵山への登りです。

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五地蔵山(9:18)

五地蔵山の山頂に到着。標高は1998mです。

8畳分のスペースが切り開かれていました。

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「五地蔵」

内股が気になります。

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みかんを食べてエネルギーを補給。

果物は日常であまり食べないのですが、山だと貴重な爽快感を味わえる優秀な食べ物。

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黒姫山や妙高山などの名峰を見ることができるようになりました。

黒姫山は登ってみたい山の一つなのですが、関東からわざわざ行こうと思う人がいなく困っています。

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高妻山へ向けて出発。

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「六弥勒」

疲れも出てきて、しゃがむのが辛そう。

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五地蔵山から高妻山まではアップダウンが数回あります。

終盤でのアップダウンコース程きついものはなく、STRONGさん以外のメンバは息も絶え絶えです。

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振り返るとギザギザとした稜線を持つ、戸隠山(とがくしやま)が見えました。戸隠山から高妻山まで縦走できるようですが、やろうとは思えないな…。

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「八観音」

あれ?七を見落としたぞ…。帰りに回収することにします。

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高妻山が徐々に近づいてきます。

五地蔵山から全く標高を稼いでないので、最後に傾斜をぎゅっを上げるのでしょう。

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「九勢至」

「きゅうせいし」と読むらしい。後、一区間ですが、この最後の区間が地獄のようでした。

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土と岩がごちゃごちゃの急な坂で、狭くすれ違いは困難。最後の最後にこの登りを持ってくるなんて勘弁してほしい。

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高妻山に来ようとする登山者は玄人のようで、高齢登山者であってもサクサク登っているから恐ろしい。

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「十阿弥陀」

最後の坂を登り終えると最後のチェックポイントです。カウントを担当しているSaku兄をご覧のように、最後の坂は本当に厳しかった。

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高妻山の山頂はそのままスライドしていけば到着となります。

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山頂が見えてきました。

高妻山の山頂~北アルプスから日本海の絶景~

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高妻山着(11:11)

高妻山山頂に到着です。

登山開始から5時間も掛かりました…。牧場で時間を取られた以外は普通のペースだった気がするのに…。

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聞いてはいましたが、タフな登山者じゃないと登れない山ですね…。かと言って、自分はタフではありませんので。

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山頂は羽虫が大量に湧いており、一瞬でこの有様に。

なんでしょうこれ、雪虫ですか?

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高妻山の山頂は3m~5m台の岩がゴロゴロしています。この時に流行っていた五郎丸ポーズで。

眺めは一級品で、北アルプス(後立山連峰)が眼前に広がります。

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こちらは雨飾山方面です。

境界線がはっきりしませんが日本海が見えていました。

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山頂でお昼ご飯。

石鎚山に登った時に松山市内で買った一六タルトです。

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今日はコースタイムのある日帰り登山ということで時短のカップラーメンを食べました。

高妻山_STK_0010

Saku兄は一人おしゃれにパスタを作っていました。

茹で方を間違え、暖めたパスタが冷えて、再度加熱。無事、ベータ化したパスタは食感がぐにょぐにょで、口の中に粉っぽさが広がる出来でした。

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それでもSaku兄は「美味しい、美味しい」を言い続けながら、スパークリングワインと共に煽っていました。

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10月の秋晴れと言った天気で、風が心地よく、いつまでの滞在できるような気候でした。日曜日なので、さっさと降りて帰れなければという気分を閉まっておきたい。

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STRONGさんが空中浮遊しているかのようなインスタ映えを意識した写真を撮っていたので真似してみました。

僕も「いいね」が欲しいです。

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解釈を間違えた写真。

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登りが辛かったということは下りも辛いということです。しかし、重い腰を上げて、下山を開始します。

ちなみにバリエーションルートですが、高妻山の先に乙妻山というのがあります。より健脚の人は目指してみるといいかもしれません。

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「七薬師」

安いスパークリングワインを飲んで歩いたせいか、Saku兄は今にもゲボしそうな顔をしながら歩いていました。無事に七を回収。

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弥勒尾根(13:52)

下山は「弥勒尾根」を利用します。

10分程ですが、コースタイムが短縮される新しいルートのようです。自分が購入した2012年版の地図には載っていませんでした。

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新道と言うと嫌なイメージしかないのですが、戸隠高原を展望する開放的なルートでした。

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斜面は土なので、雨直後は泥だらけになりそうです。

飯綱山がやはり目立ちます。

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樹林帯に入ると紅葉に彩られていました。

頚城山塊のある一帯の紅葉は見ごたえがあり、とても好きです。

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牧場に到着しました。

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登山口(15:15)

山頂を出発してから2時間14分でした。土の道で歩きやすかったのか登りを2分の1に縮めています。

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陽も少し傾きはじめ、より紅葉のコントラストが強く感じます。いやー、このままキャンプしてゆっくり泊まりたいです。

しかしながら、サラリーマンなのでこのまま東京へと帰らなければなりません。

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膀胱の限界を迎えたSaku兄がトイレダッシュしている間に牧場の動物たちとふれあいました。

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モルモット相手に慈愛の心をみせるSTRONGさん。

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牧場内にあるカフェで、搾りたての牛乳で一杯やりました。濃厚でとても美味しいです。

新そばの季節、蕎麦の最高峰「戸隠そば」

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さて、駐車場に戻る前に手打ちそばを食べます。

秋と言ったら新蕎麦、蕎麦と言ったら戸隠蕎麦です。戸隠キャンプ場内にある手打ちそば「岳」で頂きます。

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「山登った後に蕎麦?そんなんじゃ腹膨れないだろ」と悪態をつくのですが、戸隠蕎麦だけは例外です。天ぷらは新鮮な野菜を使っているのでシャキシャキ、蕎麦は香りが強く、バランスに優れてとても美味しい。そして、新蕎麦はより美味しい。

量は物足りないものの、それは帰りのサービスエリアで補いましょう。

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蕎麦ソフトクリームもデザートに食べました。ソフトクリームブロガーとしては外せません。

霊峰戸隠山への信仰を背景に、この地が修験道場として栄えた平安時代、修行僧の携行食糧として村にもたらされたのが「そば」であったと伝えられています。

元々は戸隠山に登るための修行僧の行動食だったようです。今と違って団子状のものだったそうです。

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駐車場に戻ってきたときは既に17時前でした。

下山してからはたつ兄がおススメする温泉「むれ温泉天狗の館」に入りました。戸隠高原一帯には戸隠神告げ温泉くらいしかありません(ここでもいいのですが、入ったことがあるのでパス)

温泉後は寄り道することなく、東京へ帰りました。

高妻山の登山を終えて

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「秋に車で潟の山に登り米を食べる」という登山企画は、「秋に車で潟の山に登り蕎麦を食べる」に変わりました。高妻山の山頂は新潟県を含んでいますが、登山口も文化的にも長野県なので、何とも言えませんけども。

9月から10月にかけては、紅葉が見逃せませんが、秋の味覚もまた見逃せません。今度こそは新米にありつきたいです。

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高妻山の前評判は悪かったのですが、登ってみたら高評価の山でした。

出てくる料理は美味しいが、駅から離れていて、テーブルが油でギトギトしているので、評価が低いと言った飲食店のようです。

山頂までの距離が3分の2であれば間違いなく、戸隠山と並んで人気の山でしょう。名峰群に囲まれていて、高妻山でしか見れない風景があります。

高妻山の地図はこちら

山と高原地図 妙高・戸隠・雨飾 火打山・高妻山 2017 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 妙高・戸隠・雨飾 火打山・高妻山 2017 (登山地図 | マップル)

【長野】黒斑山 雪山登山 ~ 冬の定番トレッキングスポット、雪化粧の浅間山を眺める旅

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2016年1月9日

長野県の黒斑山(くろふやま)に行ってきました。標高は2404mです。

2400mの高さがありながら、冬でもコースタイム短く登れる雪山定番の一座です。浅間山の絶好のビュースポットになっている山です。現在は浅間山が火山規制で登れないため、浅間山の代替として登られています。

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浅間山が白いプリンのように見える冬こそ黒斑山のシーズンです。

2011年の冬に死に物狂いで浅間山を登っており、その際に通過した黒斑山でしたが、今回はその黒斑山を単体でゆっくりと巡ります。

風邪気味でマスクをしながら登りました。定番の雪山登山スポットの旅スタートです。

黒斑山について

黒斑山地図

20160109_黒斑山地図

登りを展望の良い表コース、下りを樹林帯の中コースを選択しています。

  • ストックと軽アイゼンが必要
  • 外輪は断崖絶壁になっているので強風時は注意

コースタイム

車坂峠(12:01)→表コース→槍ヶ鞘(13:11)→トーミの頭(13:25)→黒斑山着(13:41)→昼休憩→黒斑山発(15:01)→トーミの頭(15:14)→中コース→車坂峠(16:00)
合計時間:4時間1分
昼休憩に1時間20分も使用しています。通常であれば3時間前後で周回可能です。

黒斑山登山

車坂峠から表コースで黒斑山へ

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出発地点は高峰高原ビジターセンター(たかみねこうげん)の駐車場です。地図上では車坂峠(くるまざかとうげ)です。駐車場はキャパ700台と広く、冬はガラガラです。

上信越自動車道の小諸ICからアサマ2000スキー場を目指す途中にあります。

LINK 高峰高原のアクセス情報

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今回のメンバは自分を含めて4人。

毎度おなじみ二輪駆動SUVのオーナーたつ兄に連れてきてもらいました。メンバ一人の寝坊により出発時間が大幅に遅れ、開催も危ぶまれましたが、ギリ許容範囲の時間に到着しました。

時間にして11時52分。時は午後になろうとしていました。

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立派なビジターセンターはありますが、冬期の営業はしていません。

トイレを利用する場合は、歩いてすぐのところにある高峰高原ホテルを利用させてもらいます。

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登山口には登山道の概略が描かれています。浅間山は警戒レベル2(2017年現在)のため、登山ができません。

火山規制前に浅間山(前掛山)に登っています。雪山デビューを果たしましたが、今思うとヒノキの棒と皮の服で、魔王に挑むようなことをしているので、見返すとよく生きて帰ったこれたなとゾッとします。

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車坂峠(12:01)

登山開始です。

雪山登山をするというのに午後スタートとは…。黒斑山はコースタイムが短いとは言え、10時までには出発したいところです。

モンベル(mont‐bell) チェーンスパイク 1129612 ブルー BL M モンベル(mont‐bell) チェーンスパイク 1129612 ブルー BL M

着脱が楽なチェーンスパイクを使用します。後若干、喉が痛いのでマスクをした状態で登ります。

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上信越自動車を走っていた時に浅間山をすっぽりと覆う雲が見えていましたが、駐車場についても取れる気配はなく、白い浅間山が見えないんじゃないだろうか…。

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ガスによって全ての山の景色を同じ景色に変える能力を持つ「ガス兄(たつ兄の異名)」が、ガスを呼びやがったとブーイングが飛び交います。

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黒斑山は冬でも登山者が多いのでしっかりと踏み跡があります。テープもあるので道も明瞭です。

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序盤にある車坂山の登りと下りを終えれば、後はゆるやかに登っていきます。

背景に見える山の白くなっている部分はスキー場で、アナウンスが聴こえています。人の気配から遠ざかって登山するという行為に対し、これでいいのかという不安の気分がわかないでもない。

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徐々に黒斑山の山肌が見えてきました。

浅間山があるであろう方角には分厚い雲が掛かっており、「ガス兄のガスパワーに我々は屈しなければならないのか」と絶望の気持ちでした。

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直前まで降っていたであろう雪が、シラビソの葉の上に付着していました。手で払うとサラサラと流砂のように落ちて行きます。

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おや、先程までどんよりしていた空模様が急変。青空が広がってきました。「黒斑山の奇蹟」のはじまりではないでしょうか。

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黒斑山の途中に一か所シェルターがあります。

浅間山が大噴火を起こした際に利用されると思われます。扉があるわけではないので、火山弾が入り込んできそうですが…。

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直前まで雲が出ていてくれたおかげで、午後でも綺麗な霧氷が見れました。黒斑山と浅間山は距離が少し離れているので、浅間山だけがガスっちゃってるのかなと進んで行きます。

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お?

おや?あれは…

雪化粧した浅間山と崖っぷちの外輪歩き

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槍ヶ鞘(13:11)

浅間山の本体が見えるじゃないですか。後日、浅間山のライブカメラでログを確認すると、我々の到着の直前で雲が取っ払われていたようです。

寝坊によって生まれた奇蹟です。

槍ヶ鞘には登山口から1時間10分で到着しました。

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しかし、残念ながら浅間山の雪化粧は完全な状態ではありませんでした。

白いプリンに見えるかと思いましたが、粉砂糖がふってあるフォンダンショコラではないか…。

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槍ヶ鞘を過ぎると外輪山歩きとなり、進行方向の右側面は崖です。慎重に歩きながら600m先にある黒斑山の山頂を目指します。

日の当たりの良い斜面には雪がなく、地面が剥き出し状態でした。

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富士山の頭半分が見えました。

手前にある山脈は奥秩父連峰で、金峰山と瑞牆山の間に富士山がある構図です。金峰山にも雪が積もっているのがわかりました。

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外輪は展望が良いので、麓にある軽井沢が見えます。

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トーミの頭(13:25)

外輪の片側は樹林がないため、日本海側から吹き付ける直風をもろに浴びるので防寒です。

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黒斑山への向かうラストは道幅の狭い樹林帯です。

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完全に凍り付いていて、太陽の光が射しこむと白銀に輝きます。

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「ジー」と電子音が聴こえてくると、人工の施設が出現。4~5mはある鉄塔の上には浅間山を監視するカメラが設置されています。

高速道路を走っている最中に何度も見て、雲が取れないな~とヤキモキしていました。

LINK 浅間山監視カメラ

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雪がついているのは北側の斜面だけで、日当たりの良い南側は黒々としています。

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霧氷化した樹林を下から見上げるとファンタジーな作り物みたいです。

標高2400m黒斑山の山頂で鶏すき焼き

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黒斑山着(13:41)

12時1分に登山口をスタートして、1時間40分で黒斑山の山頂に到着しました。コースタイムを20分巻いていますが、特にペースが速かったというわけではありません。

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黒斑山の山頂は浅間山の方角にだけ展望があります。なので、この写真の見える範囲が展望となります。

黒斑山と浅間山の間にある一帯は湯ノ平ですが、雪が一部にしかありません…。

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黒斑山の山頂はそんなに広くありませんが、昼ごはんの準備を開始します。本日のメニューは鶏すき焼きです。時間も時間であったため、自分達が山頂に着いた時には50代夫婦がいたくらいで、その後には誰も来ませんでした。

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大量の食材たちとサイドメニューのサラダ。黒斑山(くろふやま)の斑(ふ)と言うことで、麩(ふ)を持ってきたら、たつ兄と被ってしまったのが注目すべきところだろう。

樹林帯で風がないとは言え、日陰なので手袋を外すと20秒で感覚のマヒが始まります。

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日陰があまりにも寒いため、日の当たる場所に移動。ちなみに崖っぷちなので、結構なエクストリーム具合です。

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完成した鶏すき焼き。

自分が持ってきた色のついた「手まり麩」のせいで、見た目がカラフルになってしまった…。そして、肉がちょっと少ない。

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真冬の標高2400mで食べるすき焼きはとても美味しい。卵も絡めて頂いてます。軽井沢の有名フレンチ料理店でも味わえないです(当然)

浅間山は噴煙を吐き続け、生きた姿の山を見ることができます。

体の内部は暖まりつつ、中コースで下山

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黒斑山発(15:01)

すき焼きを食べ終えて、徐々に西日へと変わってきたので撤退します。

真冬の山頂に1時間20分滞在していたことになります。これをスタンダードだと思わないことが賢明です。普通、記念撮影して10分~15分で立ち去るものです。

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黒斑山のコースタイムだったら、軽井沢観光や温泉旅行のついでに来てもいいと思えます。登山口を朝8時に出発しても午前中には終わりますし。

決して、午後からは登らないほうが良い。

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太陽が出ていると午前中に溶けてしまう霧氷が、午後になっても見れていたのは幸運でした。

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下山は中コースを利用します。

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中コースは傾斜を緩やかに下ることができます。

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「寝坊して申し訳ありませんでした。」

雪上土下座をしての謝罪。

集合時間が遅れていなかったら、ガス兄の魔の手によるガスガスの山頂で、軽井沢のアウトレットをあてもなくフラフラしていたに違いないので許す。

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車坂峠(16:00)

黒斑山の山頂から多少遊びながらも1時間で下山完了です。当然ですが、駐車場にはたつ兄の二輪駆動SUV以外にはありませんでした。

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高峰高原ホテルで登山バッチを購入する上様。

温泉は行きたい場所があると要望があったので、このホテルは利用しませんでした。

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コーラで乾燥した喉を潤いました。夕日がまぶしい。

ほしのや「トンボの湯」でリゾート温泉体験

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高峰高原から麓に降りて、軽井沢を目指しました。麓から見る浅間山は黒々としていて、とても冬の姿とは思えませんでした…。年々、雪が減っているなぁ。

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軽井沢の星野リゾートにやってきました。

自分達のような登山者はリゾートの景観を損なうとして警備員に追い返されるのではないかとひやひやしました。

「トンボの湯」は日帰り入浴営業しています。

LINK 星野温泉トンボの湯

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空間デザインが洗練されていて、内湯も露天風呂も広く、シャンプーなどのアメニティも良いものを使っており、さすが星野リゾートです。

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料金1300円とお高いですけど、小金持ちの気持ちにさせてくれました(小並感)

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温泉施設内のカフェでサングリアドリンクを飲む。温泉後にこんな洒落たものを飲んだ前例がありません。

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軽井沢で食事をするにしても、すき焼きを食べてから時間が経っていません。軽井沢から下道で真っ暗闇の碓氷峠を越えて、高崎の老舗「シャンゴ」で、安くボリュームのあるイタリアンを食べました。

関越道では渋滞に巻き込まれることなく、東京へと帰ることができました。

黒斑山の登山を終えて

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黒斑山は雪山デビューまたは雪山初心者が安心して楽しめる山です。

コースタイムは短め、標高差が少ない、登山者が多い、登山道は明瞭、軽アイゼンでOKなど。雪山は絶対安全とは言えない風潮がありますが、限りなく安心して登れる山だと思います。

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タイミングでいえば、浅間山が白く雪化粧する降雪直後の晴れの日が狙い目です。

冬の浅間山の天候は、日本海側の山と比較的すると良いと言った具合で、天候が読みにくい場所です。天候サイトを凝視したり、ライブカメラの映像を見て、晴れ間を狙いましょう。

白プリンとなった浅間山を見に行ってみて下さい。

個人的には唐松の黄葉を見に秋口にまた再訪したいと思っています。

浅間山の記事

【長野】浅間山(前掛山) 雪山登山 ~ 初心者が無謀にも12月の高峰へ、関東屈指の火山の旅
長野県にある浅間山(あさまやま)に行ってきました。標高は2568mです。 現在でも活動している活火山です。軽井沢に訪れた時や上信越自動車道で通り過ぎるときに見える浅間山は、いつか登りたいと思っていた山の一つでした。 関東北部にドンとそびえているので、奥多摩や秩父の山頂に立ったとき否が応でも目立ちます。

2011年12月大量の降雪直後に登りました。雪山デビューで行動時間10時間、軽アイゼンと穴あき手袋で、滑落と凍傷になっても不思議じゃない装備で登っています…。

湯の平ではコースを見失い遭難リスクもあり壮絶な登山でした。

黒斑山の地図

山と高原地図 浅間山 軽井沢 2017 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 浅間山 軽井沢 2017 (登山地図 | マップル)

【新潟】守門岳 登山 ~ 東洋一の大雪庇、春の陽気を感じながら白銀世界の旅

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2014年4月13日

新潟県の守門岳(すもんだけ)に行ってきました。標高は1537mあります。

全国的に見て目立つ山ではありませんが、日本屈指の豪雪地帯であるため雪解けが遅く、山頂に形成される雪庇(せっぴ)が有名です。アプローチが長い最高峰である青雲岳は登らず、雪庇が形成される大岳を目指しました。

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冬山の風物詩として、東北の八甲田山、蔵王山にできる樹氷、雲竜渓谷の氷瀑などがあり、その一つである守門岳の大雪庇は冬に見たいものの一つでした。

関東では春が訪れる4月、まだまだ冬の名残がある新潟の山を旅してきました。

守門岳について

守門岳地図

守門岳地図

豪雪地帯であるため、残雪期は「二口」の駐車場までしか除雪されていません。

最高峰は袴岳ですが、コースタイムが長く、下山も時間が掛かるため、残雪期の登頂は大岳になります。バックカントリーで一瞬で下山できるなら行くこともできますが、登山者だと厳しいかも知れません。

守門岳登山

プロローグ

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米どころ新潟の春は遅く、4月中旬の水田は凍り付き、雪が残っています。

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久しぶりに地元栃木の友人である「たち君」の協力を得て、深夜の宇都宮を出発し、新潟に到着したのは星空が輝く27時頃でした。

関越道の小出ICを降りたところにある道の駅にて仮眠をし、朝を迎えました。未明の新潟は寒く、寝袋を持ってきた自分は寒さに震えずに済みました。外に出ると肥やしの臭いがたまらない。

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夜明に守門岳へ向け出発。只見線に沿った国道252号から国道290号に進みます。

関東民からすれば4月にこれほど雪景色が残っているのが非日常です。

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前日の宇都宮駅前は花が満開だったというのに。

守門岳登山口~豪雪地帯をスノーハイキング

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登山口までの道が不安でしたが、しっかり看板があったので迷うことはありませんでした。

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守門岳の登山口が近くなると2メートルの積雪があります。

おいおい、これが4月の里の風景なのか。

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道が途切れている場所が、残雪期における守門岳登山口の駐車場となります。

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ここが登山口になります。

除雪された最深部といった方が正しい。

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6時15分登山開始。

自分はスノーシュー、2人はチェーンスパイクをそれぞれ装着。しっかり踏み跡があるため、ズボッと踏み抜くことはありません。

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日が当たり始める。

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橋の下は雪解け水が轟々と流れています。

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スキー跡を辿って樹林帯を進んでいきます。極端に急な登りが2,3箇所ありますが短いので問題なしです。

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明け方の雪は少し硬いためアイゼンが良く刺さります。

それにしても白一面の殺風景なシーンばかりで申し訳ありません。

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そういえば今シーズン、ゲレンデへは一回しか行きませんでした。3回ほど滑ると飽きてしまうんですよね。特にスピードも技も極めるつもりはないので。

「草津のドルフィン」という異名を持っていますが(身内で)、未だにレンタルでボードを借りています。

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展望の良い場所に出ました。

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守門岳の山頂がしっかり見えます。山頂部は真っ白に雪で覆われています。

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振り返ると越後駒ヶ岳や八海山などを代表とする白銀の越後山脈。

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この鋭角さは越後駒ヶ岳だと思われる山。

越後駒ケ岳_41

片道4時間以上歩くけれど、尾根道をずっと歩くのは爽快だった思い出。

【新潟】越後駒ヶ岳 登山 ~ 稜線の果てに待つ花の世界、魚沼を堪能した夏の終わりの旅
新潟県「越後駒ヶ岳」日帰り登山記事です。枝折峠から稜線を歩き、高山帯の山頂へ。高山植物が咲き乱れ、越後の山々の大展望が広がりました。 夏の青々した空と緑色の山がとても印象的でした。

残雪期にも登れるようですね。

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そして、ここからが踏ん張りどころであろう守門岳を目の前にして昼寝。

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緩やかな稜線が続きます。

スキーですいすい滑っていく、スキーヤーがうらやましいと思ったり。急斜面ではこちらのほうが早く動けるので、抜きつ抜かれつ。

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写真じゃわかりにくいですが、日本海が見えていました。

山から海が見えるのは、やはり特別な景色と思える。

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7時46分保久礼小屋(ほきゅうれいこや)

登山を開始して1時間30分で保久礼小屋に到着しました。夏場はここまで車で来られるというのに…。

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保久礼小屋を過ぎると傾斜が一気にきつくなります。

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登るにつれてどんどん展望が良くなってきます。

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8時25分キビタキ避難小屋

すっかり埋もれてる避難小屋。冬期は利用できないのでしょうか。

森林限界より春でもまだ白い上越国境

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そして、避難小屋からは樹林がなくなり遠くまで展望が開けます。

風は少しあるものの春の陽気なので、半袖じゃないと蒸れて汗ばみます。ザックに桜をつけている必要はありません。

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妙に捻れた木は過酷な新潟の天候の表れなのか。

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山頂までの一本道。

真っ白すぎて距離感が全くつかめず、登っても登っても距離が縮まらない錯覚に陥る。

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遮るものが何もない素晴らしい稜線。

この写真を撮っていたら、ポケットのスマホがこぼれ落ちて滑走していきました。焦って追いかけて、ダイビングキャッチで確保したのは良い思い出。

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白く雪をまとった里山が凸凹と続き、海まで続いています。

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冬のアルプスから眺める白い山々とは違う魅力があります。

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人工のゲレンデでは味わえない、絶景を眺めながら滑り降りるのはさぞかし気持ちいいのだろう。自分も車とお金に余裕があれば、バックカントリースキーをやってみたいところです。

しかし、このおじさんヘルメットをしているのに麦わら帽も持ってきている。新潟スタイルか

守門岳山頂~東洋一の大雪庇の壮大な世界

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そして、斜面左側にお目当てである「大雪庇」が見えてきました。

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崖のある場所に雪が飛び出しているのがわかります。

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GIFでやれ。

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9時50分大岳。

登り初めて3時間35分で守門岳の大岳に到着です。

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山頂を記すポイントは当然ながら雪の下なので、飛び出ていたアーチを山頂と決定しました。

鐘を取り付けるものでしょうか。

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隣の山脈は粟ヶ岳(あわがたけ)

奥にぼんやりと飯豊連峰が見えていました。

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こちらは守門岳の最高峰がある青雲岳です。

青雲岳にも行きたいところですが、コースタイムが3時間以上増えることになるので、残雪期は大岳までが普通らしいです。

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個人的にジャッキーチェン映画ブームが到来していたので、カンフーを取り入れようとするものの、写真では全く伝わらないことに気づく。

一体何がしたいのか。

ポリスストーリーは何回みたことか。

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山頂に誰かが掘った穴が二つあったので利用させてもらいます。

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積雪何メートルあるのやら想像も付かない。これでも例年と比べると雪の量は少ないらしい。

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山スキーの人達は雪庇の近くまで降りてました。

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まるで極地のような風景です。

山頂部には亀裂が入っている場所があり、ここをのぞく勇気もロープもない。

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山頂はひたすら広くて、走り回れる。

4月は空気が霞んでいるので、よりよい眺めを期待するなら3月中旬が良いらしい。

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4月にこれほど雪を残し、7月には全部溶けきるなんて、日本の四季の移り変わりの素晴らしさよ。

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守門岳という全く知識にない山に連れてこられ、大雪庇なにそれという感じのたち君もご満悦の様子。

山頂からヒップソリでバックカントリー

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山頂を遊び倒し、下山を開始します。

ヒップソリでな!

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助走をつけて滑走開始。

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「・・・。」

 

 

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山スキーで登ってくる人達を横目にヒップソリで華麗に滑り降ります。

「楽しそうですね」とすれ違いざまに笑っていたが、嘲笑なのではないだろうか…。

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二人は徒歩。

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と思っていたら、レジャーシートをソリ代わりに滑っていました。

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樹林帯でもやっていたら、ツリーホールに見事にホールイン・ワンしていました。新しい冬季五輪の種目としてどうだろうか。

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目分量ですが、山スキー70%、登山者25%、ボーダー残り(2人)といった割合。麓の方は平坦なので、スキーの方がやっぱり滑りやすいでしょうね。

山スキーの人達が登り始めるのは、雪がグズグズになってくる8時手前頃でしょうか。

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直前まで天気が不安でしたが、見事晴れてくれて良かった。

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下山時は気温も上がり、汗だくに。

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12時55分下山。

駐車している車のほとんどは、地元長岡ナンバーで他県ナンバーは数台でした。

守門温泉青雲館~栃尾の油揚げ

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守門岳下山後の温泉は「守門温泉青雲館」です。

スキーブームの頃に立てられたんだろうな的なちょっと寂れた旅館で、温泉設備も最低限ですが、一番近いので便利です。

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SLランドとして紹介されていた旅館でしたが、正面に展示されているブルートレインは廃墟そのもの。

老朽化しているので、遊ぶのは不可能なようです。

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温泉を終えて、そのまま帰ってもよいのですが、寄っておきたい場所がありました。

290号を更に進みます。

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やってきたのは道の駅「とちお」。

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駐車場から妙に白い守門岳。

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栃尾は油揚げが名産です。厚揚げに見えますが、油揚げです。

道の駅とちおには、油揚げを屋外で出店しています。列が絶えないほどの人気店。

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栃尾の油揚げは豆腐をそのまま揚げたかのような分厚さが特徴です。お値段は300円ほど。

こちらはネギとかつお節がのった「ネギ付きあぶらあげ」

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こちらはキムチダレがかかった「キムチ油揚げ」。

登山後には肉類が食べたくなりますが、このボリュームさは肉に匹敵するインパクトでした。何より安いし。

都内の居酒屋やスーパーでも見かけるので、油揚げブランドとして成功しているようです。

新潟 栃尾名物 油揚げ 小林総本舗 ジャンボ油揚げ 5枚入り 新潟 栃尾名物 油揚げ 小林総本舗 ジャンボ油揚げ 5枚入り

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栃尾のゆるキャラである「とち丸君」が妙に可愛かった。

栃尾の油揚げはファーストフードとして成り立っているので、表参道で売りに出せば若者に大ヒットするのではないでしょうか。しないか。

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油揚げを食べ終え栃木へと帰ります。

小出ICに差し掛かる手前で見た、越後駒ヶ岳と八海山が並ぶ姿は感嘆の景色です。

【新潟】八海山 登山 ~ 危険極まる八ツ峰縦走、新潟の紅葉と収穫の秋の旅
2014年10月19日 新潟県の八海山(はっかいさん)に行ってきました。標高は1778mです。 日本でも有数の米所である魚沼市にあり、古くから信仰の山として親しまれてきた山です。日...

紅葉の八海山の記事も併せてご覧ください。

佐野ラーメン「森田屋」で打ち上げ

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さて、旅の締めとして向かったのは佐野。

そう佐野ラーメンです。

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佐野ラーメンを代表とする森田屋総本店に立ち寄りました。

森田屋総本店 (佐野/ラーメン)
森田屋総本店 (佐野/ラーメン)★★★☆☆3.56 ■予算(夜): ~¥999

閉店時間は19時となかなか難易度が高いのですが、15分前に駆け込み成功。

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ラーメンの種類は4種類。無論、大盛りチャーシュー麺を注文。

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ああ、これでいいんだ」というシンプルなスタイルのラーメンが提供されます。

チャーシュー麺は自分を最後に売り切れになってしまったようで、最後の最後に勝ってしまった。

そんなこんなで、JR小山駅にてたちと別れ、東京へと帰りました。

 守門岳の登山を終えて

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冬は立ち入れない山も、春になれば安全に登れる山はたくさんあります。

今回は残雪期にしか登れない山を楽しむことが出来ました。

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冬の寒さが和らいだ頃、新潟まで守門岳の大雪庇をご覧になってはいかがでしょうか。

春の陽気に圧倒的な白い世界が待っています。

守門岳の地図はこちら

山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2017 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2017 (登山地図 | マップル)

【長野】飯縄山 雪山登山 ~ 北アルプスと信州のワイドビュー、仏像クエストの旅

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2017年2月4日

長野県の飯縄山(いいづなやま)に行ってきました。標高は1917mです。

飯縄山は妙高山、黒姫山、戸隠山、斑尾山と共に北信五岳の一座です。古くから山岳信仰の霊山で、飯縄権現を祀っています。長野市の中心部より10キロの位置にあり、りんごの生産地、冬はゲレンデと県民にとっては身近な存在の山のようです。

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日本海により近い山塊に守られ、雪は大量に積もらず、冬でも一般登山者が雪山を楽しめます。ピッケルが必須ではなく、登山者が多いので、危険は少ないです。

ロケーションに優れているので、山頂からは北アルプスの後立山連峰を眼前に、360度の大展望が広がります。飯縄山は自分にとって、登れる雪山として残していました。

冬の信州の旅スタートです。

飯縄山(飯綱山)について

飯縄山地図

飯縄山地図

冬季で一番登山者が登る南登山道を利用しました。

戸隠スキー場からリフト利用で登るのが一番楽なんでしょうかね?

  • 降雪直後はスノーシューやワカンが必要
  • ピッケルの必要性はあまり感じず
  • 登山バッジをクエスト方式でGET

コースタイム

飯縄山登山口(10:05)→第一不動明王(10:20)→駒つなぎ場(11:05)→展望エリア(12:05)→飯縄山山頂着(12:41)→昼休憩→飯縄山山頂発(13:44)→飯縄山登山口(14:57)
合計時間:4時間52分

飯縄山(飯綱山)登山

りんごが名産の長野市民の里山的存在

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上信越自動車の長野ICを降り、飯縄高原方面を目指すと、正面に飯縄山が見えてきました。

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飯綱高原はゲレンデがあるので、戸隠バードラインは除雪がされていて安心でした。

大分県の九重山と久住山のように「飯」と「飯」で、表記がバラバラです。

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飯縄山の登山口を発見しました。

飯縄山は戸隠方面に行く路線バス長野駅から冬季でも通っているため、公共交通機関でのアクセスは容易です。東京からでも新幹線を利用して、日帰り可能です。まぁ、お金は掛かります…。

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キャパシティーは相当広い駐車場でしたが、ほぼ満車状態です。

東京都民にとっての高尾山、長野県民にとっての飯縄山というところでしょうか。人気の度合いが伺えます。

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ということで、今回は本ブログで何度も登場しているたつ兄とSaku兄の二人の兄貴のパーティーです。深夜、たつ兄の家(神奈川辺境の大和)に集合して、長野を目指しました。

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たつ兄は車からウェアまで真っ赤な男です。元祖、赤い系男子。

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人生における究極的に無駄な時間であるSaku兄(自他共に認めるお腹緩い系ハイカーCEO)のトイレを待ちます。

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しかし、途中にはトイレがないので注意です。

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駐車場から地味に長いアスファルトの舗装道を歩いてきます。

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参道になっているので灯篭がありますが、重そうな雪がかぶさっています。

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駐車場から15分程歩くと、登山口がありました。

13の仏像を巡る、飯縄権現信仰の参拝路

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飯縄山登山口(10:05)

飯縄大明神と書かれた鳥居をくぐります。

飯縄権現の山岳信仰の発祥の地で、おなじみの高尾山の薬王院は飯縄権現の信仰です。関東以北に伝わっているようで、その影響力は今でも色濃く残っているようです。

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今回は南登山道を利用します。積雪が既に50センチ以上あります。日曜日10時なので、トレースはバッチリでした。土曜日の早朝などはラッセルを強いられそう。

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序盤は樹林帯を緩やかに登っていきます。

積雪直後だとスノーシューやワカンなどの浮力をつける装備が必要そうでしたが、この日は最初から最後まで出番なしでした。

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旧奥宮一の鳥居を通過。

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第一不動明王(10:20)

飯縄山の登山道の特徴として仏像が置かれています。1から順番に13まで存在。これは高妻山でも同じでした。

看板に十三佛縁起の意味が書かれていました。佛は「仏」のこと。

十三佛とは死者の77日至る33回忌を司る佛なり。

興味があれば「十三仏(じゅうさんぶつ)」を調べてみて下さい。高妻山でも十三仏を数えたので、同じ信仰があったようです。

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自分の誕生月と同じ十三仏の写真を一緒に撮り、飯綱高原観光案内所で見せると飯縄山山の登山バッジを頂けます
一風変わったクエスト方式でバッジが貰えます。

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第二釈迦如来(しゃかにょらい)。

仏像のある場所は誰かに掘り返されているようです。

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第三文殊菩薩(もんじゅぼさつ)。

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第五地蔵菩薩(じぞうぼさつ)。

第四は見つけられませんでした?もしかして、「死」を連想させるから?第四は普賢菩薩(ふげんぼさつ)のはずです。高妻山にはあったけど。

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目指す山頂はまだまだ先です。

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第六弥勒菩薩(みろくぼさつ)。

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第七薬師如来(やくしにょらい)。

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第八観音菩薩(かんのんぼさつ)。

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第九勢至菩薩(せいしぼさつ)。

仏像の絵しか撮るものがないんです…。

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雪がふかふかで傾斜もゆるやかだったので、しばらくノーアイゼンで登っています。

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第十阿弥陀如来(あみだにょらい)。

十三仏の名前が付く山は日本各地にあるなと…。

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駒つなぎ場(11:05)

第十一阿閦如来(あしゅくにょらい)。

駒つなぎ場」とあるように、かつては馬でここまで登り、参拝をしているお偉いさんがいたのでしょう。

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傾斜が厳しくなり始めます。

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このポイントでアイゼンを装着しました。

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第十三虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。

第十二の大日如来(だいにちにょらい)を見逃してしましました。というわけで、仏ゾーン(昔こんな名前の漫画があった)はこれで終わりです。

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徐々に日が登り始め、快晴無風の樹林帯で暑くなってきました。上着を脱いで休憩します。

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仏のような心をもって登り続ける我々に展望が広がり始めました。

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西に北アルプスの白い山脈が目に飛び込みます。北アルプスの象徴である槍ヶ岳(やりがたけ)がはっきりとわかりました。

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東には噴煙を上げている浅間山が見えます。

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そして、南の遥か向こうに富士山がうっすらと見えました。冬は埋もれていますが「富士見の水場」というポイントがあるので名前通りですね。

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背の高い気がなくなり、徐々に森林限界に突入してきました。山体が緩やかに据え広がっているので、道幅がかなり広いです。

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登山コースに赤いフラッグが設置されているので迷いませんでした。山岳会が管理しているのでしょうか。とても、ありがたいです。

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いよいよ飯縄山の本領です。一気に全方位に視界がよくなりました。

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後立山連峰が同じ経度にあるため良く見えます。

【北アルプス】唐松岳 雪山登山 ~ 白馬連峰を目の前に雪の八方尾根を行く、この冬の集大成を綴る旅
2013年3月17日 厳冬期の北アルプスにある唐松岳(からまつだけ)で雪山1年目の集大成となりました。標高は2696mです。 去年の12月に本格的にはじめた雪山登山。 真冬の...

唐松岳(からまつだけ)は八方尾根がなだらかであるため、一際白く目立っていました。

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「飯縄山?どこだよそれ?」

出発前は病院に行く空気を察した犬のようなたつ兄でしたが、御覧のように尻尾を降って雪山を駆け回っています。

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鳥居が一番てっぺんの柱しか出ていません。積雪は2m以上あるようです。

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北アルプスの山脈をバックにさく兄が登ってきます。

彼もまた飯縄山の前情報なしであったため、「うおー!」「すげー!!」と、圧倒的な語彙力で声高らかに叫んでいます。

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俺が1番と言わんばかりにピークに立つ、たつ兄。今まで見えなかった東側の展望が広がります。

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雪景色となった長野北部の市街地と志賀高原の山々が広がります。

見慣れない山々なのでピンときませんが、岩菅山、白根山、横手山、四阿山などがある一帯です。手前のこんもりとしているのは飯縄神社です。帰りに立ち寄りました。

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一つ目のピークから北の方角にあるのが飯縄山の山頂です。東側の斜面だけが真っ白になっています。

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山頂を繋ぐ稜線上は雪のたまり場になっているようで、巨大な雪庇が出来ていました。踏み抜きに注意です。崖じゃないので滑落の心配はないですけど。

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Nice Mountain.

飯縄山自体は絵力のある山ではありませんが、飯縄山からの展望はA5ランクの等級を与えても良いでしょう。

北アルプスと長野市街地の展望、飯縄山の開放的山頂

 

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飯縄山山頂着(12:41)

山頂に到着しました。標高が上一桁目までしか読み取れません。高さ2m程ある山頂碑なので、1m前後の積雪があるようです。

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飯縄山の山頂はとても広く、東側市街地方面の展望は抜群です。街から近いので、高度感を楽しめます。

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山頂は20人前後の人出で賑わっています。当然ですが、八ヶ岳、唐松岳、谷川岳などの定番雪山より人は断然少ないです。

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山頂は広く、360度の大展望です。

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飯縄山から視線を釘付けにする山があります。高妻山(たかつまやま)です。

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高妻山は登ると長く厳しい山でした。

【長野】高妻山 登山 ~ 紅葉の戸隠牧場から登る険しく長い修行道、秋の味覚新そばの旅
高妻山の日帰り登山記事です。10月中旬に紅葉する戸隠牧場をスタートしました。危険個所もちらほらあり、行程も長く、タフな精神力が必要な山です。 下山後は戸隠牧場で、搾りたての牛乳と新そばを食べました。

ふもとから登った時は山の形を認識できませんでしたが、遠めに見ると名峰たるスタイルをしていました。

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頚城(くびき)山塊の焼山~火打山も真っ白に積雪しています。

冬の頚城山塊を身近に見れる機会は初めてです。

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冠雪しながらも妙高山は特徴的な形をしていました。

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北アルプス(後立山連峰)は目の前。

白馬三山は標高が2900m程で横並びですが、標高の低い唐松岳は八方尾根の白面積の多さで目立ちます。

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360度の展望の中で、独立峰の御嶽山がはっきりと主張しています。

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東側は奥に真っ白になった山脈がありました。苗場山や谷川連峰でしょうか。

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絶景の絶好の天気の中で食べるカップヌードルカレー味は本当においしい。どの味でも美味しいけど、山ではカレー味が好みです。

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たつ兄が作っていた鍋焼きうどんが非常にウマそうでした。

ギギギ。

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登山者もほどほどなので、ゆっくり山頂を楽しめます。こんなに広いんだったら凧を持ってくればよかったと後悔です。

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倒立を試みるも運動神経が極めて低い彼には難易度が高かったようだ。

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食後の雪遊びに余念はありません。

午後からテントを背負って登ってくる人がいたので、山頂でキャンプを張るのでしょう。

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飯縄山の山頂からは長野市の夜景がきれいに見えそうだし、反対は北アルプスなので、日の出日の入のフォトロケーションには良いのかもしれません。

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飯縄山山頂発(13:44)

1時間弱を費やし、下山を開始します。

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登りでスルーした飯縄神社の奥宮を見てみました。熱心な信仰ある登山者?によって掘り返されていました。

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飯縄神社は長野市を見守るように建てられています。新潟の県境を遥か向こうに日本海も見えていました。

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聞いた話ですが、長野県の小学生は学校の行事で飯縄山に登るらしいです。

栃木県出身の自分ですが、登山は中学の時に里山しかしたことありません。それでも、骨折者が出るくらい厳しいとこだった記憶があります。

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尻セードで遊ぶたつ兄。

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ヒップそりで遊ぶたつ兄。開放的なゲレンデです。

ちらほらスキー板を担いで登っている人がいました。戸隠スキー場の方へと降りていくようでした。

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樹林帯に戻ってからは、山頂のテンションから一気に下がり、無言で黙々と下るというのが登山者全てにおいて当てはまることだと思います。

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飯縄山登山口(14:57)

クッション性のある雪だったので、下山は非常にスムーズ。1時間10分程で降りてこられました。

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駐車場に戻ると車は結構はけていました。

5時間弱の登山でした。雪山ではこのくらいの時間がちょうど良いですね。

飯縄山の登山バッチを観光案内所でゲット

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飯縄山の登山口から車で数分移動して、飯綱高原観光案内所にやってきました。

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窓口から案内所の係の人を呼び、誕生月の仏像と一緒に撮影した写真を確認してもらいました。そいて、見事に飯縄山登山バッジをゲットしました。

通常400~500円かかる登山バッジが無料とは嬉しいです。

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過去振り返ると条件クリアで登山バッジが貰えるのは、福井県の荒島岳でもありました。開山日などのイベント以外に通常貰えるのは他にあるのかな…。

下山後は長野市内で善光寺参りと更科そば

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「牛に引かれて善行寺参り」ということわざがあるように「行ったことないから行きたい」というたつ兄の言葉によって、善光寺(ぜんこうじ)を参拝しました。

飯縄山から善光寺は帰る途中にあります。

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さすが善光寺だけあって夕方に差し掛かる時間でしたが、参拝客が多かったです。善光寺を訪れるのは2度目で、温泉に入る猿で有名な地獄谷野猿公苑の帰りに寄りました。

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腹減ったなと言うことで、下山後あまり食べないですが、お蕎麦を食べに行きました。「大丸」というお店です。

LINK https://tabelog.com/nagano/A2001/A200101/20000487/

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店内は老舗を感じさせる内装でした。

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出されたそば茶でかじかんだ手を温めます。そば茶は独特の癖があるけど、たまに飲みたくなって、自販機で売っている伊藤園のものを稀に購入します。

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真っ白な麺、更科そばです。

そばの香りが鼻から抜けるように素晴らしく、出汁も薄すぎず、濃すぎず、いい塩梅です。そしてなにより、本場信州で食べるとより美味しい。

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善光寺の観光を終えて、長野市の郊外にある「裾花峡天然温泉宿 うるおい館」で体を温めました。

LINK http://www.uruoikan.com/

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上信越自動車と関越自動車道のスキー渋滞に巻き込まれることなく、無事に神奈川に戻ってこれました。たつ兄とSaku兄が言ったことがある厚木のラーメン屋「麺や食堂」で軽い打ち上げをして、自宅へと帰りました。

飯縄山の登山を終えて

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飯縄山は雪山定番の八ヶ岳、木曽駒ヶ岳、谷川岳より遠く、関東から登りに来る人は少ないです。山自体に迫力あるわけではありませんが、長野県の中心街と北アルプスの大山脈を分かつ場所にあるので、展望はここでしか見れない特別なものでした。

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雪山としては初級者以上中級者未満と行ったレベルで、ステップアップに持って来いの山だと思います。積雪状況によりますが、この日はストックと軽アイゼンで登れるコンディションでした。

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全国各地から「何が何でも雪山に登ぼりたい!!!」と、ギラギラと目を充血させている登山者が少なく、長野県の地元感があるので、そこが一つの持ち味かもしれない飯縄山でした。

飯縄山の地図はこちら

山と高原地図 妙高・戸隠・雨飾 火打山・高妻山 2017 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 妙高・戸隠・雨飾 火打山・高妻山 2017 (登山地図 | マップル)

【上越】谷川岳 雪山登山 ~ 2013年の雪山初め、上越国境のホワイトアウトの旅

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谷川岳_02

2013年12月1日(日)

群馬県と新潟県にまたがる谷川岳(たにがわだけ)に行ってきました。標高は1977mです。

谷川岳はロープウェイが通年運行していることもあり、日本有数の豪雪地帯である上越国境上で貴重な冬の登山ができる山です。

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今回の登山は、2013年の冬から雪山登山を勢いではじめたSakuさんと共に行ってきました。

前日の三つ峠の登山の疲れを引きずりつつ、地震も2013年の雪山登山シーズンイン。

上越国境の雪山を旅してきました。

谷川岳登山

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道中は端折り、谷川岳ロープウェイにやって来ました。

冬の谷川岳にこれから挑もうとしている後ろ姿ですが、「そばうどん」と書かれた幟によって台無し感が出ています。

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前日の三つ峠では山頂で気持ち悪くなりゲボしちゃう。帰りが結局22時を回り、出発が明朝4時と睡眠時間がほとんど取れず、久しぶりの雪山登山。

不安要素だらけです。

これが少年漫画の主人公なら逆境を跳ね除けて勝利をおさめるところです。しかし、そんな熱血要素は自分には無に等しい。

谷川岳_03

さて、谷川岳は2012年の秋に一人で訪れています。

その時は、紅葉の美しさに感動しました。下山時に観光客がつくる渋滞でうんざりしました。

【上越】谷川岳 登山 ~ 紅葉の西黒尾根を登る、ローカル線で行く男の一人旅
2012年10月21日 新潟県と群馬県の上越国境を代表する谷川岳(たにかわだけ)に行ってきました。標高は1977mです。 谷川岳は例年10月中旬ごろに紅葉の見ごろを迎えます。 ...

冬に谷川岳を登る人は少ないと思うので、今回の記事はさくっと紹介します。

20131201谷川岳【選】0003

ロープウェイ乗り場へ行く途中、「ロープウェイのりば←」という看板の隣に絵画が飾ってあるのですが…

これから雪山登山に挑むというのに、なんとも精神を不安にさせる抽象的な絵画です。

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Sakuさんは当初、急登でおなじみ西黒尾根からの周回コースを登るつもりでした。

「冬季に初心者が西黒尾根なんか登れない」と言い、諦めさせた。一人で行かせないで正解だった。

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ロープウェイから谷川岳と反対の方角に見えるのは白毛門というやつでしょうか?

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天神平スキー場。

苗場や菅平と比べると非常にローカル感のあるゲレンデです。12月初旬のシーズン入りしたばかりなので、早朝から滑る人も少な目のようです。登山客ばかりが目立つ。

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序盤は登り降りのない、平坦なコースなのでスノーシューを装着してスタート。

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しかし、晴れている。

雪山シーズンインから幸先がいい!というのは簡単に打ち砕かれることになるのだが。

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雪山登山のメッカということもあり踏み跡はバッチリ。

ゲレンデからのびる踏跡を辿れば、自然に登山道に入ることができます。

谷川岳_01

これから向かう山頂は分厚い雲に覆われている。

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12月初旬なのでまだ雪は少ない模様。

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正直スノーシューは必要ないけれど、折角持ってきたのだから使っておこうということでの使用。

道幅が狭く足を取られます。

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関東平野方面は晴々しい。

しかし、谷川岳には雲が覆いかぶさっているので、典型的な冬型の気候。

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冬まで枯れた花びらが残る紫陽花。

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熊穴沢避難小屋。

スキー場から40分ほどで到着です。

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スノーシューは無用の長物となったので、避難小屋内に置いていきます。

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避難小屋で登山コースの半分以上。

しかし、ここからは登りがキツくなるので時間は倍以上かかります。

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スノーシューとストックからアイゼンとピッケルの雪山登山者スタイルにジョブチェンジです。

案の定、アイゼンの付け方を理解していなかったSakuさん。ピッケルの持ち方がなんかおかしい。人形がぶら下がっている次点ですでにおかしいけど。それは自分も一緒なので。

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避難小屋を境にして雲がかかってきました。もはや絶景は期待薄。

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12月初日ということもあり、積雪が中途半端なため岩が露出して歩きにくい。

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登山者は結構います。

全体的には30人前後は登っていたのではないでしょうか。物好きはいるもんですね。

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ニット帽が暑くてザックにしまう。

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鋭利な角度をした山がありました。

武尊山(ほたかさん)かな?

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ルート上にある天神ザンゲ岩がありました。

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銀行が融資したお金を部下に横流しさせ、個人の借金返済にあてていたことを懺悔しました。

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「この度は誠にッ….!

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「申し訳ございませんでしたァァァァ!!!!」

もう完全に古いネタです。

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谷川岳肩の小屋に到着。

営業はしていませんが、中には入れます。入り口にOL傘が掛かっていましたが?

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肩の小屋まで来てしまえば山頂はすぐそこ。

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とりあえず、ホワイトアウトしちゃってるのでトレースを見失わないように必至。

必至って感じでは全くないけど。

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ここからは雪庇があるので、なるべく右の斜面には近づかないように慎重に歩きます。

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とりあえず雪を歩くのは楽しい模様のSakuさん。

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Sakuさんは寒がりで自分より2枚ぐらい多めに重ね着をしている。たまにインナーにダウンを着ているが、暑くないのかな。

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稜線は風に吹かれて雪が少ない。

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トマの耳をスルーして、最高峰のオキの耳を目指します。

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谷川岳山頂に到着です。

人の声は奥の方から聞こえるものの誰一人いません。

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この冬はこのポージングが流行していた。

自分だけ。

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何も見えない。

 

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ということで秋に撮影したものを使い回し。

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この稜線に雪化粧した姿が見えるはずだった。

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景色も楽しめないし、昼食で山頂を味わいます。

20131201谷川岳【選】0056

山頂は思ったよりも風が強くないため、その場に座り込んでカップラーメンタイムです。

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食後のコーヒーも飲む。

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再び戻って、トマの耳(1963m)へ。

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以上、谷川岳の細かすぎて伝わらないモノマネ選手権でした。

この後、雪庇の上を滑落していきました(ぇ

 

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少し天候の回復を待ちましたが、晴れる気配が一切ないので下山します。

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下山するに連れて増える陽光。

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天神平方面は変わらず天気が良いようだ。

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紅葉の秋は避難小屋からずっと渋滞でした。冬は当然渋滞にくるしめられることなし。

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下山は岩が剥き出しになっている箇所をのぞけばサクッと下れました。

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気温はマイナスの世界なんでしょうが日が指すと普通に汗が出てきて暑い。

避難小屋にてスノーシューを回収しました。

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朝来るときはスノーシューを使用しましたが、下山ではザックにくくりつける。

うん、全然楽だ。

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天神平に到着です。

前日の疲れを引きずりつつもなんとか無事に帰ってこれました。

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最後に雪を全身で感じようではありませんか。

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つめてええええええ。

 

 

 

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「…帰るか。」

 

 

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無事、文明を利用して下山が完了しました。

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折角だからと観光気分で土合駅に立ち寄ってみました。

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秋に訪れた時はここをわざわざ登ったっけ。

谷川岳の登山道は土合駅の地下からはじまっているという伝統を受け継ぐために、一度は経験しておくべき階段です。この日は一段とも降りる気はしないが。

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水上温泉郷はどの日帰り温泉がいいのかわからず、結構離れたところにある温泉にやってきました。

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月夜野をイメージした月の玄関でしょうか。

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綺麗な設備でしたけど、露天風呂が4人でいっぱいになるという狭さでした。

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水上IC近くの「道の駅水紀行館」で遅いご飯を食べました。

売店の横にちょっとした軽食コーナーが併設しています。

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Sakuさんはダムカレーを注文していました。

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ダム決壊!

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自分はもつ煮定食を注文。苦手なものが入っていたので大失敗。

この後は、安定の関越渋滞に巻き込まれての帰京。2日連続の登山ということで助手席で大いびきをかいていたらしく、運転をしていたSakuさんに睡魔を伝播させていたようです。

18時30分に池袋にて重要な案件を抱えたSakuさんは、渋滞で遅刻なるかという瀬戸際。自分と共に道路交通網の穴を探し、無事に集合時間に到着できたようです。

谷川岳の登山を終えて

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冬の谷川岳。

アイゼンの履き方とピッケルの持ち方をわかっていれば、悪天でない限り登れる山だと思います晴天になることが稀ですけど。

今回は視界こそ悪かったものの風が弱かったので、問題なく登頂できました。

次に訪れるときは是非晴れ間を狙って登りたいと思います。

谷川岳の地図

山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2016 (登山地図 | マップル) 山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 2016 (登山地図 | マップル)

 

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